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  • 2010/03/19

ノーツ移行にクラウドを選択すべきか? 次世代情報共有基盤に求められるものを考える

ITで知識を共有するという概念は、1990年代にノーツにより具現化され、ビジネスの世界に浸透した。ビジネスへのIT活用においてノーツの果たした役割はとても大きい。しかし時代の変化とともに、当時の技術やビジネス事情に合わせたアーキテクチャが足かせとなりつつある。ノーツを利用している企業は次のステップとして何を指標にしてIT改革を進めればいいのか、数多くの企業のIT戦略に携わってきたアクセンチュアを訪ね、ノーツが抱える課題と解決に向けた取り組み方について話を伺った。

ノーツの持つアーキテクチャの魅力が現在ではセキュリティリスクに

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アクセンチュア株式会社
インフラストラクチャ コンサルティング グループ統括
パートナー
森 泰成氏
 企業のIT活用の歴史において、ノーツが果たした役割はとても大きい。今日、ITによる社内の知識共有が一般化しているのも、現場で使える情報共有基盤をノーツが具現化したからだ。しかし、ノーツが開発され企業への導入が広まった1990年代と現在とでは、ビジネスを取り巻く世界は大きく変貌している。そのため、従来のノーツのメリットが、現在ではセキュリティリスクとして捉えられるシーンも増えてきている。最も大きな課題は、ノーツのアーキテクチャそのものにあると、アクセンチュア インフラストラクチャ コンサルティング グループ統括 パートナーの森 泰成氏は指摘する。

「従来のノーツは、クライアントサーバシステムをベースにして、通信速度の遅さをカバーするための工夫をこらしたアーキテクチャでしたが、これはセキュリティやガバナンスなど現代のビジネス要件への対応には不利な要素となっています。」

 従来のノーツでは、高いレスポンスが求められるアプリケーションのデータをローカルにダウンロードしての利用を基本とする。通信速度が遅い環境でも快適に利用できるようにする工夫だが、各端末にデータが保存されるため、セキュリティ面での脅威は増してしまう。通信速度が向上した現在では得られるメリットよりもセキュリティ脅威の大きさが懸念されるポイントとなっている。さらに昨今では、情報共有の範囲は社内にとどまらない。専用クライアントをインストールしなければ快適に利用できないという点も、情報活用範囲の拡大には不利な要素だ。アバナード マネジャー 田島雅己氏は、別のポイントについても指摘する。

「アプリを手軽に作り現場で利用できるのが従来のノーツのメリットですが、これは誰にでもデータベースの開発が可能だということでもありますので、データベースが乱立する危険性があります。ガバナンスの面で根本的な不安を拭えません。」

ビジネス環境の変化に伴い、情報共有基盤への要求も変化

 ノーツが現代のビジネスシーンに合わなくなったその背景には、情報共有の在り方そのものの変化がある。ビジネスの前提となる諸条件が変わってしまったために、情報共有基盤に求められる要件は大きく様変わりしたと森氏は語る。

「グローバル化やワークスタイルの多様化に対応しながら、従業員が持つ知識を企業の力として活用する能力が求められるようになりました。所属や場所、デバイスを問わず情報を活用できなくてはなりません。」

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アバナード株式会社
マネジャー
田島雅己氏
 情報を集めるだけではなく、現場のユーザーが、必要なときに必要な情報にたどり着けるかどうかが重要視されている。その結果、情報の検索、格納、マネジメントに、より精細さが求められるようになっている。情報へのアクセス手段としてもPCだけではなく、PDAやスマートフォンなど、ユーザーの状況に合わせたデバイスを選択できなくてはならない。こうした要求にノーツは応えられなくなっているという。

「昨今の傾向を見ていると、ノーツの次のステップとして情報共有基盤に求められるものは、次の2つの方向性に絞られてきました。ひとつは、業務アプリと連携して情報の入り口になること。もうひとつは、情報共有に機能を絞り進化させることです。」

 田島氏はこれから先の情報共有基盤の在り方について、そのように語った。情報基盤が、いわば業務アプリのポータルとして機能し、1カ所に情報を入力するだけで必要な業務アプリが自動的に連携動作するのがひとつの理想だという。もうひとつの理想形として挙げられた情報共有への特化においては、検索機能や利用場所の多様化などが求められることが多い。いずれの場合も、キーワードとなるのはコラボレーションだという。

「ITに慣れ親しんだミレニアム世代が社会人として活躍しはじめています。ソーシャルメディアの手法を取り入れ、情報だけではなく人と人をつなぐ基盤が求められています。」

情報共有基盤はクラウド化の効果を得やすいシステム

 情報共有基盤に限らず、ITシステムの移行の際に避けては通れないのが、クラウド化の検討だ。森氏は、クラウド化は万能薬ではなくあくまでも実装オプションのひとつであるとしながらも、そのメリットは大きいと語る。

「特に情報共有基盤という点で見た場合、利用場所を限定しないサービス設計やビジネス規模に応じた料金で利用できるというのは大きなメリットとなるでしょう。」

 業種や業態により固有の仕組みが求められるシステムとは違い、情報共有基盤は求められる機能がコモディティ化している。そのため、コストメリットを得られやすいというのが最も大きなポイントだ。そしてクラウドサービスはマルチテナントを前提に作られており、サービスごとに必要なセキュリティレベルを設定できるものがほとんどだ。さらに、インターネットさえあればアクセスできるので、需要が高まる企業の枠を超えた情報共有に適している。また、企業やグループの統廃合に伴う早急な情報共有基盤の構築にも、スピーディに対応できる。早く安価に用意できるだけではなく、オープンなアーキテクチャなのでそれぞれの企業文化を背景にしたセキュリティ上のすり合わせも進めやすい。

 一方でオンプレミスを選択するメリットが大きい場合もある。基幹系など社外に出せないシステムとの緊密な連携が必要な場合や、固有のアーキテクチャが必要な場合がそれに当たる。自社の要件をはっきりさせ、より適したシステムを選択しなくてはならない。

ノーツアプリの移行を通じて業務アプリの全体最適化を

 クラウドかオンプレミスか、という選択肢のほかにノーツユーザ企業を悩ませるのが、ノーツですでに作りこんでしまったアプリの数々だろう。ノーツアプリが基幹系の一部として使われていたり、特定業務になくてはならないアプリになっていたりする場合は少なくない。

「現状維持は楽なように思えるかもしれませんが、ガバナンスやセキュリティの観点から見ても作り直すべきアプリは多いはずです。情報共有基盤の再構築に合わせて全体最適化を行い、必要なアプリのみ作り直すことをおすすめしています。」

 森氏はそう語り、情報共有基盤の再構築をきっかけとしたアプリ資産の見直しを提案する。DBやアプリが乱立する状況を見直し、ユーザーの意識改革も合わせて進めることで、社内のITを全体最適化できる良い機会になるという。アクセンチュア社自身も早期からノーツを活用してきたユーザー企業であり、3年をかけてノーツからほかのアプリへと環境移行を行った経験を持つ。その経験に基づいたアドバイスだ。

 情報共有基盤の再構築はビジネスの現場にも大きな影響を与えるため、十分な検討と準備の上で進めなければならない。アクセンチュアでは、ノーツからの移行を検討する企業のエンド・トゥ・エンドで支援する態勢を整えている。まず企業の現状と把握し課題を理解するところから始まり、要望に合わせたIT戦略の立案、実装と運用までをサポートする。情報戦略に単一の正解はなく、問いかけの中でその企業に最適な回答を探し、提案、実行すると森氏は言う。

「目指す価値は何か、そのために何が必要かを一緒に考え、そこで得た答を実行に移すところまですべてサポートします。絵に描いた餅にはしません。」

 この言葉の裏付けとなっているのが、グループ企業であるアバナードの存在だ。アクセンチュアが立案した戦略や業務改革を、実装、エンジニアリングの面からサポートし、具現化する。ダイナミックCRMに独自のアセットを付加したアバナードオンラインサービスなど、クラウドサービスにもすでに実績を持つのが特徴だ。

 3月26日に開催される「ノーツ環境からの脱却 次世代型の情報共有基盤構築セミナー」において、戦略面を担当するアクセンチュアから森氏が、技術面を担当するアバナードからは田島氏が登壇し、クラウドを活用したノーツアプリ移行について講演を行う予定になっている。情報共有基盤にクラウドを選択すべき理由が経営者視点から語られる予定となっているので、ノーツからの移行を検討している企業の担当者は、すでにクラウドを検討中の方も選択肢を模索中の方も、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

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