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  • 2010/03/31 掲載

【インタビュー】 運送業車両の運行管理を変える!リアルタイム通信&データセンタが実現する「安全・環境・効率化」

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エコドライブや業務効率化、コスト削減などの観点から、運送業車両向けの運行管理製品市場に注目が集まっている。NECソフトは、車の運行状況や運転挙動を管理し記録するASPサービス「Drive Manager V2」を展開しているが、これは従来の類似製品とは異なり、ソフトバンクモバイルの通信網を通じて、ほぼリアルタイムにデータセンタに運行状況データを送信するのが特徴だ。デジタルタコグラフと呼ばれる既存製品との違いや、オンライン化によるメリットはどこにあるのだろうか。

運行管理に寄せるオンライン化の波

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NECソフト
第一官庁ソリューション事業部
第二システム部
ITサービスマネージャー
堀内正美氏
 デジタルタコグラフなど、自動車の運転記録を行う機器の市場はかつてから存在していた。多くは運転状況の記録を目的としており、速度などを記録することでドライバーの安全運転への意識を高めるために大きく役立ってきた。万一の事故などの際状況を正確に把握できる、カメラ機能を持つドライブレコーダも普及が進んでいる。いずれもメモリカードなどを搭載しており、帰庫後にデータを読み出して管理する方式だ。

 ここ数年、こうしたマーケットに変動が起こっている。それはオンラインの活用だ。GPS情報をリアルタイムで取得したり、センターに送信することで現在位置を知らせたりする。しかし、依然運行状況の記録にはメモリカードが使われ、帰庫後のデータ管理は欠かせなかった。

 そこに新たな風を送り込むのが、NECソフトのASPサービス「Drive Manager V2」だ。「Drive Manager V2」は、本体にメモリカードを搭載していない初めての運行管理製品である。3G通信機能を組み込み、GPS情報はもちろん運行状況をすべてデータセンタに5分ごとに送信する。通信エリア外を走行中の場合は一時的に内部メモリに記録し、通信エリアに戻り次第まとめて送信される仕組みだ。

「オンライン化の最もわかりやすいメリットは、メモリカードによるデータのやり取りが不要になることです。運行状況はすべて通信でデータセンタへ送信、記録されるので、その日の業務終了と同時に運行記録も完成します。」

 NECソフト 第一官庁ソリューション事業部 第二システム部のITサービスマネージャー、堀内正美氏は製品のメリットをそう語る。夕方に集中する帰庫時刻にPCの順番を待って日報作成をする必要はない。日報作成のために自営業所に立ち寄る必要がなくなるので、翌日の仕事に便利なようにほかの営業所に帰庫することも可能だ。また、営業所から車の現在位置を把握できるので、突発的な要件に対して近くにいる車や空いている車を有効活用できる。配車を効率化することで、CO2排出量の削減も期待されている。

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図1:「Drive Manager V2」で作成された安全日報の帳票イメージ


車載機ではなくITの側面からアプローチ

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NECソフト
第一官庁ソリューション事業部
第二システム部
リーダー
春田 仁氏
 「Drive Manager V2」は従来のタコグラフに置き換わる運送業車両向けの製品で、運転挙動を含めた運行記録をすべてオンラインでサーバに蓄積する。類似の他製品と大きく違うのは、サーバ側のアプリを含めたASPサービスとして提供される点にある。類似製品のほとんどは専用アプリを使うため、運行記録を管理するPCが特定されてしまう。

「特定のPCにアプリや運行データを格納すると、日報を記録しようとするドライバーも運行管理を行う事務員もそのPCに集中します。『Drive Manager V2』ならWebブラウザさえあれば運行データにアクセスできるので、運行データを管理するPCを限定されません。」

 そう語るのは同じくNECソフト 第一官庁ソリューション事業部 第二システム部 主任の春田 仁氏だ。運行データがデータセンタに集約されるため、端末を問わないだけではなく、データ管理の場所も問わない。各営業所で管理している車の運行状況を本社で集中管理することも簡単だ。

「そもそも製品開発のアプローチ自体が、他の製品とは違います。ほとんどの製品は車載機の拡張としてアプリを開発してきましたが、『Drive Manager V2』はソフトウェアやデータセンタがベースにあり、それを車載機と組み合わせています。」

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「Drive Manager V2」車載機筐体
 「Drive Manager V2」の特徴について堀内氏はそう指摘する。NECソフトは元々データセンタやアプリを使ったデータ活用のノウハウを持っており、ASPで提供される運行管理ソフトにはそのノウハウが注ぎ込まれている。組み合わせられる車載機はデジタルタコグラフのベンダとして実績のあるメーカー、トランストロンの製品を選択し、データ送信にはソフトバンクモバイル対応の通信モジュールが採用されている。通信網にソフトバンクモバイルを選択したのは、通信費の低さとエリアの広さが理由だったと堀内氏は言う。

「ASPサービスなので通信費も定額の利用料に含まれています。低コストで通信網を調達できれば、低価格でサービスを提供できます。」

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