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  • 2011/03/09

IDC Japan渋谷寛氏xワイズテクノロジー松浦淳氏:仮想デスクトップとシンクライアントによる企業デスクトップ新時代

企業のデスクトップPCはどう変わるのか

クライアントPCのセキュリティを高め、管理コストの低減を実現するシンクライアントソリューション。最近では“仮想化”というキーワードをきっかけに、「デスクトップ仮想化」にも大きな期待が寄せられている。企業は今後、デスクトップ環境をどのように捉え、整備していけばいいのか。IDC Japanで企業デスクトップの変遷を見てきたシニアマーケットアナリストの渋谷寛氏とシンクライアント分野で世界市場を牽引してきたワイズテクノロジーの日本法人代表である松浦淳氏の対談からそのヒントを探る。

デスクトップ環境は「セキュリティ」と「管理性」の視点から考える

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IDC Japan
PC、携帯端末&クライアントソリューション
シニアマーケットアナリスト
渋谷寛氏
──まずは企業におけるデスクトップPCの最新動向について見解をお聞かせいただけますでしょうか。

渋谷氏 まず国内のPC市場(デスクトップとモバイル合わせて)ですが、2010年度は現在集計中ながら全体で約1570万台、うち約840万台が法人向けと、2009年度と比べて大きく躍進する見込みです。

 企業内のPCは、これまで約4年でリプレイスされていましたが、その期間が段々と長くなってきており、出荷台数は減少傾向にありました。それが2010年度にはWindows XP搭載のPCが販売終了となるなど、新規やリプレイスの需要が急増したため、単年では出荷台数は大きく増えるだろうと予測しています。

松浦氏 2010年度はシンクライアントソリューションを提供する弊社にとって売上が飛躍的に伸びた年でした。具体的にはシンクライアント専用端末の出荷台数が大きく伸張しました。この背景には、仮想デスクトップという新しい切り口が多くの企業で受け入れられてきたことがあります。

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ワイズテクノロジー
日本法人代表
松浦淳氏
──シンクライアントの売上が大きく伸びた背景として、ユーザー企業がクライアントPCに求めるものが変わってきているということはあるのでしょうか。

松浦氏 少なくとも10年前とはセキュリティに対する考え方がまったく違います。というよりも、より厳しく、細かくなってきているという状況です。たとえば、勝手にアプリケーションをインストールしてはいけないとか、USBの使用は禁止するといったことです。それに伴い、管理の工数と手間も増えてきます。

 シンクライアントソリューションは、クライアントPCからデータやアプリケーションを切り離し、サーバ側に個別に集約して管理するものです。「セキュリティの確保」と「管理性の向上」という2つのメリットから、我々のソリューションが受け入れられていっているということを強く感じています。

渋谷氏 まずはクライアントPCの「セキュリティ」と「管理性」をどのように担保するか、さらにそこに仮想化技術をどのように取り込んで、コスト削減や業務効率改善につなげていくか。これが、デスクトップ環境について、現在企業が一番関心のある課題だと思います。

“ゼロクライアント”で、デスクトップ環境はさらに進化する

──「デスクトップ仮想化」の市場は急速に広がってきているという印象を受けます。

渋谷氏 IDCではデスクトップ仮想化ソフトウェア市場として、2009年が5万9840ライセンス、それが2014年までに86万4481ライセンスになると予測しています。年間平均成長率は70.6%で、相対的に見ても大きく伸びていく分野だと言えるでしょう。さらにIDCではクライアント仮想化導入率を予測しております。これは法人向けのクライアントデバイス(PC、シンクライアント専用端末など)に仮想化技術が使用されている割合を示すものです。この予測によれば2014年時点で、法人向けクライアントデバイスのうち、3台に1台は何かしらの仮想デスクトップソリューションが実装されるだろうと見ています。

  それには3つの理由があります。第1に、新しいワークスタイルに合致した製品であること。第2に、生産性の高い戦略的IT投資であること、つまりROI(投資対効果)が高いこと。第3に、スマートフォンやiPadなど新しいデバイスあるいはクラウドといった新しいサービスと親和性が高いということです。

松浦氏 日本にシンクライアントソリューションが登場したのは約10年前ですが、ここに来て一気にお客様からの注目を浴びるようになったのは、やはり仮想化技術の飛躍的な進歩が一番の理由だと思っています。これまでは投資対効果が見えない、使い勝手もデスクトップPCほどよくない、ネットワークインフラも整備されていない、というユーザー側の認識がありました。

 それらが解決されたのはもちろん、そこに仮想デスクトップというソリューションが登場したことで、使い勝手も、投資対効果も、さらにはセキュリティも、管理性の問題もクリアになりました。10年前には考えられなかったことです。それがここ2、3年で仮想デスクトップの世界に起こり、私たちの提供するシンクライアントソリューションにとっても非常に大きな後押しになったと思います。

──その流れの中でいえば、ワイズテクノロジーが提供している“ゼロクライアント”も大きな注目を集める動きでした。

松浦氏 ゼロクライアントと通常のシンクライアントとの違いは、“より特化したデスクトップ環境を提供できる”という点です。特定の仮想デスクトップ環境に特化して、専用OSを提供します。たとえば、あるユーザーが、シトリックスの提供する仮想デスクトップソリューションを導入していれば、本来エンドユーザーの利用端末にはWebブラウザもアプリケーションのインストール機能も必要ありません。端末側に色々なソフトウェアや機能が搭載されていれば、それらを管理しなければなりませんが、そうしたものを一切排除したものが、ゼロクライアントなのです。

 一見すれば、ゼロクライアントは自由度がなく、使い方も制限されています。しかし、セキュリティを重視する企業にとっては、このほうが管理のうえでも有効な場合も少なくありません。必要な作業は仮想デスクトップ上で行えばよいのですから。

 先にユーザー企業の感じている課題として挙げた「セキュリティ」と「管理性」の面から、ゼロクライアントは非常に有効なソリューションだと言えます。

──こうしたゼロクライアント、あるいはワイズテクノロジーの動きを、IDCとしてはどのようにご覧になっていますか。

渋谷氏 今やシンクライアントの技術は、キオスク端末などPCの形状をしていないコンピュータにも数多く実装されています。まさにそれらは業務に特化したもので、今後はこうした使われ方がどんどん増えてくると思います。

 ゼロクライアントは、シンクライアントという標準化された技術をベースに、特定の組み合わせしかできない仕組みを作り上げているという点で、シンクライアントがさらに進化した姿だと捉えています。

 またワイズテクノロジーについては、2007年のシンクライアント専用端末の出荷台数が約1万台で、これが2010年には3倍以上になると予測しています。

 この背景には3つの要因があります。第1にワイズテクノロジーはシンクライアントの分野で世界のリーディングカンパニーだということ。提供する専用端末は、非常に小型で軽量、高機能です。さらにWyse TCXというソフトウェア技術でPCと同等の機能を実現しています。これが差別化ポイントとなり、納入台数は世界トップです。

 第2に、提供する専用端末に、非Windows系の“Wyse Thin OS”というシンクライアント専用OSを実装している点です。これによって専用端末の管理はとても楽になり、セキュリティレベルも上がり、管理コストも下げることができる。エンドユーザーが使う時にも起動が非常に速いという特徴もあります。

 第3に、独立系のベンダであるため、中立的な立場で色々な製品ベンダやSIerと協業することができます。ワイズテクノロジー自身のソリューションと、各分野に強みを持つITベンダとが組むことで、ユーザー企業の多様な課題に対応することが可能となります。

【次ページ】今後デスクトップ環境は、クラウド活用へと移行していく

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