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- 2011/06/23 掲載
スマートフォン/タブレットとクラウドの関係はクラサバモデルと違いなし、企業活用の勘所とは--丸山 不二夫氏
コンシューマライゼーションの流れをどう捉えるか
スマートフォンとタブレットはインターネットに直接つながるクラウドデバイス
スマートフォンやタブレットの普及とクラウドの進展は密接に結びついています。そのため、私はスマートフォンやタブレットを「クラウドデバイス」と呼んでいます。サーバ側が巨大化して集積したものがクラウドだとすれば、それに対応する無数のクライアントがスマートフォンやタブレットです。基本的にはサーバ/クライアントの関係と同じです。重要なことは、スマートフォンやタブレットが、何の障壁もなく直接インターネットにつながるデバイスだということです。
──従来のサーバ/クライアントモデルと何か違いはあるのでしょうか。
基本的には変わりありません。サーバ/クライアントモデルはいまだ健在で、クラウドがサーバ、スマートフォン/タブレットがクライアントになっただけでモデルとしては不滅です。骨組みは一緒で担い手が変わってきたということですね。
──クラウドではデータをクラウドに置いて、クライアント側に置かないことが謳われていますが。
必ずしもそうではありませんね。たとえば、先ごろ発表されたアップルのiCloudにおける基本的な考え方は「同期」です。当たり前のことですが、クライアントにデータを抱えた方がいろいろな意味で使い勝手がいいのです。たとえば、ローカルにデータを持っていないと、地下鉄に入ると音楽が聞けなくなるでしょう。私は、クラウドにしかデータがないシステムはむしろ脆弱だと思います。データのコピーはたくさんあった方が使い勝手がいいのです。
かつて、ネットワークやCPUなどの速度が上がることによって、ディスクやメモリがネットワークでつながり、今のPCという形がなくなると予言した人がいましたが、そうはならないと思います。最大の“誤算”は、ディスクの容量やコストがCPUやネットワーク以上に進化したことです。特にコストは劇的に下がっており、わざわざクラウドに置かなくても、ローカルに置いた方が経済的になりました。考えてみれば、クラウドも安いディスクに支えられています。地味ですがディスクの力は非常に大きいのです。
【次ページ】コンシューマライゼーションの中で企業が活用方法を模索
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