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  • 2011/11/02

“真水”でも中国に勝つ生産革新、NECのPCサーバ生産工場にみる人と設備の融合

中堅・中小企業市場の解体新書

国内PCサーバ市場で1996年度から2010年度までの15年間、シェア1位を維持し続けているNEC(ノークリサーチ調べ)。その優位性を支えるのがNECコンピュータテクノの甲府工場だ。「徹底的に『モノづくり』にこだわってきた」と語るNECコンピュータテクノの代表取締役 横山康氏は「ものづくりはひとづくり」であると強調する。2012年には総コスト(加工費+通関・輸送コスト)だけでなく、真水(加工費ベース)でも中国に勝るコスト競争力を得るべく邁進中だ。前回取り上げたHPの昭島事業所とはまた一味違う「人間臭さ」が特徴の同工場で、人と設備の融合の現場を見てきた。

ノークリサーチ 伊嶋謙二

ノークリサーチ 伊嶋謙二

ノークリサーチ 代表取締役社長
ノークリサーチ代表。大手市場調査会社を経て,98年にノークリサーチを設立。IT市場に特化した調査,コンサルティングを展開。特に中堅・中小企業市場の分析を得意としている。

「かんばん」と「みずすまし」による徹底した創意工夫

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NECの甲府工場
 甲府駅から車で20分。甲府盆地のど真ん中に日本でも有数のPCサーバの生産工場が居を構えている。NEC(NECコンピュータテクノ)の甲府工場だ。

 同工場は、事務棟と工場棟そしてEMC棟(検査・試験を行う棟)が、広大な敷地に整然と存在している。7F建ての事務棟と4F建ての工場棟は隣接しており、双方の高さはほぼ同じ。つまり工場は1フロアごとの天井が高いわけだ。それは生産に必要な空調や配線などのインフラを敷設するために必要なスペースとなっている。

 甲府工場で生産しているのはスーパーコンピュータや汎用機、PCサーバ、金融・流通業向けの専用端末など、いわゆるビジネス向けのコンピュータである。年間14万台の出荷を誇る同社のPCサーバの主力製品、Express5800シリーズが同工場での主力の製造品である。

 工場の各フロアは、1Fが金融・流通端末の製造と内製化ライン、2Fがエンタープライズ製品(スパコンなど)のCTO(詳細は前回を参照)、3FがPCサーバなどのBTO、4Fが基板のボード製造となっている。

 1Fから4Fまでの各フロアはすべて統一のレイアウトになっており、フロア入口からラインの流れはすべて「左から右へ」の動線になっている。そのため、左奥にはフロアで必要になる部品のストックヤードが設けられている。

 甲府工場ならではの特徴の一つが工場に極力部品を置かないための在庫管理/発注システムが確立されていることだ。以前は1Fに大きな自動倉庫を置いていたが、生産革新のなかで部品をそれぞれのフロアに移管し、極力必要な部品だけに絞って置くようにしたという。

 こうした取り組みについて、NECコンピュータテクノの代表取締役 横山康氏は次のように語る。

「甲府工場は、独創的な技術力や経営革新活動を礎に、徹底的に『モノづくり』にこだわってきた。その開発力や品質、高い生産性は、お客さまから高い評価を得ており、近年ではグローバル展開におけるマザー工場の役割を果たすべく、生産プロセスの標準化にも注力している」

 実際の取り組みとして、同工場では1998年から「トヨタ生産方式」を導入している。部材調達から顧客への製品の納品までのすべての工程を一連の流れとしてつなげ、必要なものを通知する伝票(注文、納品)、有名な「かんばん方式」を活用。さらにかんばんの荷札・伝票や部材を運ぶ、通称「みずすまし」と呼ばれる人々によって、資材調達の効率化も行っている。

 営業からの受注情報をタイムリーに生産ラインに伝えるデリバリの仕組みや受注変動に対応する平準化生産の仕組みの構築に取り組み、PCサーバの受注から納品までわずか4営業日(生産2.5日、物流1.5日)での短納期を実現できるという。

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短納期に向けた取り組み
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NECの物流改革

【次ページ】“真水”でも中国に勝つ生産革新

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