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- 2021/06/16 掲載
Windows Serverの「ホットパッチ」機能とは? 長期連続稼働の課題を解決できるか
山市良のマイクロソフトEYE
ホットパッチ対応の特別なAzure VM向けOS
マイクロソフトは2021年3月より、Azure仮想マシン向けのWindows Server 2019の特別なエディションとして「Windows Server 2019 Datacenter: Azure Edition」のパブリックプレビューを開始しています。2021年6月からは、次期バージョンの「Windows Server 2022」のプレビュー版をベースとした「Windows Server 2022 Datacenter: Azure Edition」および「Windows Server 2022 Datacenter: Azure Edition Core」の提供も開始されました。
Azure仮想マシンとして実行されるAzure Editionは、Azure仮想マシン向けに最適化された、Windows Server 2019 Server CoreベースのサーバOSであり(画面1)、インストールのために再起動を必要としない新しいタイプのセキュリティ更新プログラム「ホットパッチ」が利用可能であることが特徴であり、利点です。
ホットパッチの流儀
セキュリティ修正を含むWindowsと.NET Frameworkの品質更新プログラムは、それぞれ累積更新プログラムとして毎月第2火曜日(米国時間)に提供されます(.NET Frameworkの累積更新プログラムは毎月とは限りません)。これらの累積更新プログラムは、それまでにリリースされたすべてのセキュリティ修正およびバグ修正に新しい修正が累積されたものです。累積更新プログラムのインストールを完了するには、通常、数日以内にWindowsを再起動することが求められます。しかも、更新を開始して放置しておくと、アクティブ時間外になると自動的に再起動される機能が働いてしまいます。これに対して、Azure Editionが受信することができるホットパッチ対応の累積更新プログラムはインストールのために再起動が必要ありません。ただし、すべての修正がホットパッチとして提供されるわけではありません。
ホットパッチについては以下のドキュメントに詳しく説明されています。
ホットパッチの対象は“再起動を必要としないWindowsのセキュリティ修正”です。また、ホットパッチは3か月ごとの第2火曜日(米国時間)ベースラインの累積更新プログラムによって更新された環境に対して、次のベースラインの累積更新プログラムが提供されるまでの間、毎月第2火曜日(米国時間)に提供されます。当面は2021年4月、7月、10月、2022年1月にベースラインの累積更新プログラムのインストールが必要で、その間の月にホットパッチが提供されます。
この計画的なリリースサイクルに従ってホットパッチで対応できない場合、ホットパッチの月に計画外でベースラインの累積更新プログラムを提供される場合があります。現在は3か月のサイクルでベースラインの更新が計画されていますが、将来的には最大6か月のサイクルになる予定です。
.NET Frameworkやその他の製品のセキュリティ修正、およびバグ修正の更新プログラムはホットパッチとしては提供されないことにも注意が必要です。これらの更新プログラムはベースラインの更新月と同時にインストールすることが推奨されます。
【次ページ】3か月試用してみた感想
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