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  • 【常見陽平氏×沢田健太氏 対談:後編】激変する就職活動――内定率59%に現れない学生の現実

  • 2011/11/30

【常見陽平氏×沢田健太氏 対談:後編】激変する就職活動――内定率59%に現れない学生の現実

『就活の神さま』常見陽平氏×『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話』沢田健太氏

初めての小説『就活の神さま 自信のなかったボクを「納得内定」に導いた22の教え』(WAVE出版)も話題の人材コンサルタント・常見陽平氏と、キャリアセンターの実情に精通しており、その知見を生かして『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動』(ソフトバンク新書)を世に問うた沢田健太氏。この二人の対談の後編では、SNSを使った就活についてや、震災後の採用動向、そしてこれからの就活/採用の課題にまで及んだ。2011年11月18日には、文部科学、厚生労働両省が来春卒業予定の大学生の就職内定率(10月1日時点)が59.9%だと発表したばかり。この数字の背景を考えるとっかかりとなる議論がここでは展開された。

繊細な若者と、それを助長してしまう就活対策

――ここ数年iPhoneを始めとするスマートフォン(以下、スマホ)やソーシャルネットワーキングサービスが急速に普及しています。「ソー活」なんて略称でも呼ばれていますよね。我々の日常生活にも少なくない影響を与えたこれらのツールが、就職活動をどのように変化させているのか教えて下さい。

 常見陽平氏(以下、常見氏)■会社説明会の予約を外出先からでも取ったりするのには便利です。だけど、スマホがなかったから、それで落ちたなんてほどの影響はないです。情報量の差はつきますが。スマホに頼り過ぎの弊害も出ていますね。最近、就職活動生を対象にした模擬面接をやると遅刻する人が多いんです。スマホの地図って見づらいしGPS機能も意外といい加減だから、それに頼りっきりな子たちが道に迷って遅刻してしまうらしいんですが。

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『就活の神さま』

 沢田健太氏(以下、沢田氏)■スマホでなんでもできるから下調べをしないんでしょうね。便利だからこそ、準備不足を加速させているのかもしれません。

 常見氏■それとFacebookは簡単に希望企業の社員を見つけることができるので、そこから社員を探してOB訪問をお願いする、なんて例もあります。そこまでいかなくても社員の生活を覗いてみたり、同じ企業を志望する仲間を作ったりする学生はいますね。

 沢田氏■最近キャリアセンターに「スマホに変えたほうがいいですか?」って相談に来る学生が凄く増えています。それはまず自分で就活をやってから考えてって答えるんですけど(笑)。そもそもスマートフォンだって安いものではないですし、それがなきゃ就活ができないなんて考える風潮がおかしいですよね。実際には、スマホがないと就活が困難になるなんて状況にはなっていません。

 常見氏■世の中がある種、攻略本化していますよね。キャリアガイダンスの仕事で、「ビジネス誌は就活の情報源として使える」と紹介したら、来ていた学生に「『日経ビジネス』と『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』のどれを読めばいいんですか?」って聞かれたんです。主張はすべて違うのだから自分が好きなのを選べばいいのに、自分で決められない。

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『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話』

 沢田氏■面接指導をしていていると、学生から「もしこう聞かれたら、どう答えればいいんですか?」と聞かれて、それに答えると「ではこう聞かれたらどう答えればいいですかね?」と、質問が延々と続くんです。ピンポイントな正解を求め続けたらキリがないのに。彼らはバブル経済崩壊後に生まれて多感な時期も光が当たらない時代だったから、リスクに対してものすごく敏感なんだと思うんです。彼らの失敗を許してあげるだけの体力のない社会しか知らないので、いい意味ではなく繊細になってしまう。

 常見氏■すごくナイーブですよね。失敗だけはしたくないという考え方の子が多い。

――『絶対内定』シリーズをはじめとする就活対策本が、過剰に自己分析をするよう勧めたことも就職活動生のナイーブさを助長しているようにも感じます。

 常見氏■今の就活が自己分析から始めなきゃいけないように思われているのはどうかと。企業研究と自己分析はセットのもので、企業を知ることで初めてこういう自分じゃなきゃいけないと気づくことができる。学生がちょっと自己分析をしただけでこの会社に自分が向いているかどうかなんてわかるわけがない。

 沢田氏■自己分析をすれば、自分が行きたい企業ややりたいことがわかるっていうのは、極論ですよね。就活の入り口で、なんとなく自分はこんな人間だったのか、そしてこれからどうするべきかを考えるくらいのものとしてはいいと思いますが。

 常見氏■経済団体の偉い人が就活によって学業が阻害されるのはけしからんみたいなことを言っているのに、『日経新聞』に載ってる「私の履歴書」なんか読むと、大企業のトップなんかが学生時代に登山にハマったとか、ラグビーやりすぎて留年しただとか書いてある。そういう人たちでさえ学生生活は意外といい加減だったりすることがわかるわけですよ。自己分析よりもそういうことを教えてあげた方がいい。

 それって本来であれば文学部の教授が教えるべきことなんじゃなないかと思っているんです。文学は本来人間の生き方が投影されたもののはず。僕がキャリア教育科目を担当するときには他人の自分史を読ませるんです。偉い人になれ、って言ってんじゃない。無駄な経験はない、すべての人が紆余曲折を経て現在に至っているのだというのを感じてもらう。

 沢田氏■その通りなんですが、そこは大学教育としてやるからには、研究としてやるのが望ましいと思っています。徹底して調査・研究させる。その人がどんな人生を歩んで今日に至るか。論文を書かせることで第三者からの目線も得られる。それによって大学教育と社会という考え方、社会で生きていく力を学ばせるんです。大学教育と社会、それを結ぶためのキャリア教育として、それが今後大切になっていくんじゃないでしょうか。

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