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  • 2014/03/25 掲載

ガートナーが唱えるペース・レイヤ戦略とは? 増加続ける企業内アプリを整理する方法

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今や企業が抱えるアプリケーションは多岐にわたり、またその保守・運用だけでも情報システム部門の大いなる負荷となっている。こうした問題に対して、ガートナーはアプリケーションのペース・レイヤ戦略を提唱する。これは、“アプリケーションを使用目的と変更の頻度で分類し、分類ごとに、異なる管理とガバナンスのプロセスを定義する新しい手法”と説明されるものだ。このペース・レイヤ戦略を実行することで得られる成果とは、一体どのようなものなのか。ガートナー エンタプライズ・アプリケーション&アーキテクチャ サミット 2014にて、米ガートナー リサーチ部門 バイスプレジデントのデニス・ゴーハン氏が語った。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

アプリケーションを3つのレイヤで考えるペース・レイヤ戦略

photo
米ガートナー
リサーチ部門
バイスプレジデント
デニス・ゴーハン氏
 現在のITリーダーが直面している課題として、“ビジネスのスピードにITが追い付けない”ことが挙げられる。

 ビジネスリーダーが通期の戦略だけでなく、現四半期の戦略に沿ってさまざまな施策を進めなければならない一方、ITリーダーはプロジェクトのバックログが18か月分も残っているという状況に置かれている。さらにCFOからは、継続的なITコストの削減要求が突き付けられている。

「これによって非常に大きな不均衡が生まれている。ビジネス側の需要に対して、IT側のキャパシティと予算が足りない。だから必要不可欠なビジネス・ケイパビリティ(=組織の能力、強み)の提供も大幅に遅れてしまう。そこで我々は、ペース・レイヤの観点からアプリケーション戦略を打ち出した」

 ガートナーの提唱するペース・レイヤ戦略は、アプリケーションを使用目的と変更の頻度で分類し、分類ごとに、異なる管理とガバナンスのプロセスを定義する新しい手法で、アプリケーションを3つのレイヤに分類して考えるものだ。

画像
システムをペース・レイヤの観点から考える
(出典:ガートナー)


 まず1つめが記録システムで、トランザクションの処理やマスタデータの管理を支援するアプリケーションだ。ほとんどの組織で一般的なもので、明確に定義されたプロセスを持ち、多くの場合、法規制への対応が変更の主な理由となる。そのため、変更の頻度も低い。

 2つめが差別化システムで、企業特有のプロセスや機能を支援するアプリケーションだ。その企業の差別化要因を生み出すもので、ビジネスの変革に従って頻繁に変えていかなければならない。通常1~3年で更新され、製品開発やカスタマーサービスのためのアプリケーションが相当する。

 そして3つめが革新システムで、企業がイノベーションを起こすために必要となる新しいアプリケーションだ。次の組織のための差別化要因を生み出すもので、1年以内のライフサイクルで実験的に試行することが許される。できるだけ速くエラーを経験し、ビジネスへのリスクやコストを減らしていくことが要求される。

「アプリケーションは、変更頻度で分類することができるということ。それによって上のレイヤに対して、必要なリソースの割り当てが優先的にできるようになり、また上層レイヤを変更するためのコストと時間を減らすことも可能となる」

【次ページ】不動産債権を扱うグローバル企業の思い切ったERP戦略とは

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