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  • 2014/12/15

5年前より掲げてきた「社会イノベーション」、日立製作所 中西宏明 CEOが手応え

ここ数年、日立グループは「社会イノベーション」という言葉を前面にアピールしてきた。5年前には「社会イノベーションとは何か」とよく問われたというが、今や多くの企業が社会イノベーション事業や社会インフラ事業に取り組むようになってきた。いち早く始めた同社は今も社会の革新をグローバルな規模で進めているという。日立製作所 執行役会長 兼 CEOである中西 宏明氏は、「日本がイノベーションのハブになるためには人、モノ、カネ、情報がセキュアに流通できるようにしなければならない」と指摘。そのためには「各国のパートナーともっと多く対話や議論を重ねる」必要があるとの認識を示した。


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日立製作所 執行役会長 兼 CEO
中西 宏明 氏
「地球の資源は限られている。限りある資源を無駄なく使うためには、効率よく電気を作り、上手に電気を使う工夫を地球規模で進めなければならない。水も、豊富にあると思われているが実は貴重な資源のひとつ。これらの資源問題をはじめ、世界規模で社会課題の解決に取り組む必要がある」

 日立イノベーションフォーラム2014の基調講演に登壇した中西氏は、現代社会が抱える課題について、このように語り始めた。エネルギー、水、食料、安全保障など、世界規模で取り組まなければならない課題が山積している。これらを解決するための取り組みが、日立グループが手がける社会イノベーションなのだという。

 日立グループが社会イノベーション事業をコア事業と宣言したのは、5年も前のことだ。当時は社会イノベーションという考え方自体が新しいものであり、社内外から「社会イノベーションとは何か」とよく問われたと振り返る。

「社会イノベーションとはひとことで言えば、ITを応用して、より合理的で使いやすい社会インフラを実現していくこと。世界中で評価されるような革新を、社会に起こしていく」

ITの役割を大きく変えた21世紀のパラダイムシフト

 20世紀は科学万能と言われた時代だったが、環境や生命科学が重視され、人間性への回帰が求められるようになった。21世紀は大量生産、大量消費、そして大量廃棄ではなく、循環型社会を目指すべきと考えられるようになった。エネルギーは化石燃料から自然エネルギーへとシフトし、モノや経済を重視する社会からサービスや社会的な価値を重視する社会へと変化しつつある。

「こうしたさまざまな価値観の変化において一環していることは、ITを使って課題を解決していくということ。そしてその使い方自体にも変化が起きている。20世紀には効率化や省力化のためにITが使われてきたが、これからは多くのデータを集め、社会の知識や知見に変換し、新たな価値を創造する知的創造のためにITの力が生きてくる」

 発展による課題を解決するための取り組みが、反文明的な取り組みであっては意味がないとも中西氏は言う。経済より人間性が重視される世界になったが、経済成長を無視してはいけない。実際、ここ10年ほど経済成長は軽視されたことが、様々な課題解決を困難にしている要因のひとつと考えているようだ。社会課題の解決と経済成長を、グローバルで両立させる必要がある。

「テレビCMなどでご存じかの方もいらっしゃると思うが、『SOCIAL INNOVATION - IT'S OUR FUTURE』というメッセージには、社会イノベーションで世界に応えるという日立グループの決意が込められている。その取り組みはエネルギー、都市、交通、ヘルスケアなど8つの分野に広がっている」

 エネルギー問題の解決策として現在、注目が集まっているのは大型の太陽光発電施設、いわゆるメガソーラーだ。最大規模のものでは34万枚のソーラーパネルを使い、820万キロワットを発電するという。これは小型の火力発電所にも匹敵する発電量だ。こうしたメガソーラーをはじめ発電、電力流通など、電力供給全体の最適化にも取り組んでいる。

「家庭での電力消費についても見直す必要がある。その取り組みは国や地域の特性に合わせて進めなければならない。たとえば英国のグレーターマンチェスターでは、各家庭にお湯をためるタンクが備えられているので、それを使ってエネルギーを一時的に貯蔵する実証実験を実施している」

 英国は日本と同じ島国であり資源も乏しいため、日本と同じく自然エネルギーへの注目が高まっている。しかし風力発電も太陽光発電も天候に左右される不安定なエネルギー源だ。そのままでは貯蔵できない電気をヒートポンプでお湯として貯蔵し、発電能力が不足したときにはヒートポンプで電力を取り出すのだという。貯湯タンクが各家庭に備わっているというその土地の特徴を生かした実証実験だ。発電量、電力消費量の正確なモニタリングと、それにもとづいて電力グリッド全体を精細にコントロールする必要があり、実現には先進のIT技術が投じられている。

 水資源に恵まれた日本ならではの、水活用や管理技術も世界に展開されている。海水の淡水化プロジェクトや、水資源を有効活用するインテリジェントウォーターシステムなど、中東やアジア各国で数々のプロジェクトが進行中だという。中西氏はこれらの取り組みについて「単純に水道設備を提供するのではなく、よりインテリジェントに水資源を使うための挑戦」と表現した。

【次ページ】共創で社会イノベーションを支えていくために

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