- 2015/01/19 掲載
MPS(マネージドプリントサービス)、5,000人以上の大規模企業では15.0%が導入
<概要>
・国内ユーザー企業のプリント/ドキュメント管理の成熟度はレベル2(限定的導入)が約半数
・プリント関連技術の導入は進んでいるが、プロセス管理や全社ガバナンスに遅れ
・MPS導入済み企業は、プリント/ドキュメント管理の成熟度も高い
同調査によると、国内ユーザー企業の約半数が、5段階中下から2番目のレベル2(限定的導入)の成熟度あることがわかった。多くの国内ユーザー企業において、プリント/ドキュメント管理に関する技術導入は進めたものの、その技術を活用するための社内プロセスや全社的なガバナンスへの対応が遅れているようである。
同調査(2014年10月実施)では、オフィスプリント環境の導入判断に関係する800人に対してWebアンケートを実施し、プリント管理およびドキュメント管理の実態、マネージドプリントサービス(MPS:Managed Print Services)の導入状況、モバイル/クラウドプリントの導入状況などについて調査。そして、これらを総合して国内のプリント/ドキュメント管理の成熟度を分析している。成熟度の評価は、IDC MaturiyScapeに基づいて行われている。IDC MaturiyScapeとは、IT環境の導入状況を客観的に評価するためにIDCが開発した手法で、特定のIT環境についてまったく導入していない場合をレベル0(未導入)とし、導入後のユーザー企業の成熟度を、レベル1(個別取組)、レベル2(限定的導入)、レベル3(標準基盤化)、レベル4(定量的管理)、レベル5(継続的革新)までの5段階で評価するもの。
同調査では、ユーザー企業のプリント/ドキュメント管理の成熟度を、意思統一、技術、人員、プロセスの4つの視点から総合的に評価している。その結果、国内ユーザー企業においては、レベル1の成熟度を持つ企業が21.0%、レベル2が48.2%、レベル3が23.8%、レベル4が6.2%、レベル5が0.7%であることがわかった。国内ユーザー企業の約半数が、レベル2(限定的導入)の成熟度にとどまっている。そして、評価尺度別に詳細に分析すると、技術の点ではレベル3の企業が最も多く、意思統一/人員/プロセスの視点ではレベル2が最も多いという結果になった。国内ユーザー企業では、プリント関連技術の導入は積極的に推進しているが、その技術を活用するために必要な各種管理プロセスの整備や、全社的なガバナンス活動といった対応が遅れている傾向を見ることができる。
さらに、MPSの導入状況と成熟度との関係についても調査している。MPSは、企業のオフィス出力環境の現状を分析した上で、最適な出力環境を構築、その環境を継続的に維持/運用していくアウトソーシングサービス。国内MPS市場規模は急速に拡大しており、今回の調査結果にもそれが現れている。7.9%もの回答者がすでにMPSを導入していると回答。とくに、従業員規模5,000人以上の大規模企業では、この数字は15.0%にもなる。また、MPS導入とプリント/ドキュメント管理成熟度との相関は高く、MPS導入済み企業は、レベル3が30.2%、レベル4が19.0%、レベル5が4.8%と全体よりも高いレベルを持つ企業が多いことがわかる。MPS導入によって、プリント/ドキュメント管理の成熟度を高めることができると考えられる。
IDC Japanイメージング,プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャーの石田 英次氏は「国内ユーザー企業のプリント/ドキュメント管理の成熟度は低く、多くの企業がレベル2(限定的導入)の段階にある。プリント関連技術の導入を推進しているものの、その技術を活用するために必要な各種管理プロセスの整備や、全社的ガバナンスへの対応が遅れていることがその原因である。ユーザー企業には、今後MPSの導入を検討するなど、プリント/ドキュメント管理の成熟度を高めるための戦略的活動が求められる」と述べている。
今回の発表はIDCが発行したレポート「2014年 国内オフィスプリント環境 導入判断者調査:プリント/ドキュメント管理の成熟度を探る」(J15080101)にその詳細が報告されている。
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