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  • 2016/01/06

日本政府がMRJに期待を寄せる2つの理由 小型機生産は民間製造業を変えるのか

昨年11月、国産旅客機「三菱リージョナルジェット(以下、MRJ)」は初飛行を行った。テレビ、インターネットなどメディアで取りざたされたことが記憶に残っている読者も多いだろう。しかし、計画は再度延期されることとなった。そもそもなぜ日本政府は「MRJ」に期待を寄せるのか。その理由は「航空産業の将来性」と「小型機の需要」にあった。

ハイテクアナリスト 杉山勝彦

ハイテクアナリスト 杉山勝彦

東京都生まれ。企業信用調査、市場調査を経験した後、証券アナリストに転身。以降ハイテクアナリストとして外資系、国内系証券会社を経験し、ほぼ製造業全般をカバー。この間、96年に株式会社武蔵情報開発を設立して中小企業支援の道に入り、長野県テクノ財団主宰の金属加工技術研究会の座長を務める。現在は証券アナリストとして取材、講演活動に従事する傍ら、80年代前半のNY駐在時代に嫌というほど飛行機に乗った経験から研究を始めた航空機産業に対する知識を生かし、中小企業支援NPO法人「大田ビジネス創造協議会(OBK)」をベースに、航空機部品を製造する中小企業の育成に取り組んでいる。

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日本の技術の粋がつまった国産旅客機、MRJ(三菱リージョナルジェット)

日本の航空機産業において永遠に記憶される日

 2015年11月11日。

 この年月は、日本の航空機産業において永遠に記憶されることになろう。

 三菱航空機の国産ジェット機、「MRJ」(Mitsubishi Regional Jet)がいよいよ初飛行の時を迎えた。

 2002年の基本構想から数えれば、実に13年。2008年3月のローンチ(事業の正式な開始宣言)から数えても、7年の時を経ての初飛行である。2009年の段階で初飛行は2012年とされていたので、計画はずいぶん遅れたことになるが、ビジネスとして見るとMRJは順調な滑り出しをみせている。

 2015年11月時点で、MRJの受注機数は、オプション(覚書)を含めるとすでに400機を超えている。MRJは、ローカル路線を飛ぶ「リージョナルジェット」に分類されるジェット機だが、ローンチからの受注は好調で、すでに実績のあるライバル機と遜色がない。

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MRJとライバル機のローンチ後の累計受注機数の推移

 MRJを皮切りに、日本の航空機産業は大きく成長すると期待されている。小型ビジネスジェット機の分野では、本田技研工業の6人乗りビジネスジェット「ホンダジェット」が2003年に初飛行を行っており、2015年中には運用が開始される予定だ。ホンダジェットは機体だけでなくエンジンも自社製という世界でも珍しい航空機である。

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 自衛隊機を民間機に転用しようという思い切った構想も進行している。かつて名戦闘機「紫電改」を生み出した新明和工業が開発した救難飛行艇「US‐2」は、その性能の高さからインドなどアジア諸国から注目され、輸出商談が進んでいる。

 また、川崎重工業は、自衛隊の固定翼哨戒機「P‐1」と中型戦術輸送機「C‐2」を それぞれ民間機として売り出す計画だ。

【次ページ】MRJは日本の製造業復活の起爆剤になりうるのか

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