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ITエンジニアから介護業界のヘルプマンに転身した竹下氏
「前半は経営者・管理者の視点で、70歳まで幸せに働き続けられる会社や企業経営について語ってもらった。後半は働く側の視点で、70歳まで幸せに働く方法について考えて行きたい」
ITACHIBA実行委員であり、サイボウズフェローの野水克也氏はこう宣言し、後半のセッションが始まった。まずライトニングトークに登壇したのは、介護とITを同時に考える会社、ビーブリッド代表取締役の竹下康平氏。介護離職防止対策促進機構の理事も務めている人物だ。
竹下氏自身は元々エンジニアで、ある会社に転職した際にたまたま介護事業を手がける企業に出向することとなり、そこで介護業界に触れたのが関心を抱くきっかけとなったという。
2025年には65歳以上の高齢者の人口に占める割合は30%を越え、40年後には40%になり、「日本は諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進行している」と竹下氏は説明する。それを見越して、厚生労働省は25人に1人は介護職員にすることを推進しているが、「国が力を尽くしても増えない」と竹下氏は言い切る。
ではどうすれば増えるのか。たとえばビーブリッドではコンピュータサポートやITコンサルティングを主業としているが、「エアコン掃除やリフォームなど、最近では油圧ショベルの修理も行った。介護事業者が楽になるようなお手伝いをしている」という。
直接的に介護の支援をしているわけではないが、このようなことであれば「どんな経歴の人でも、間接的に介護業界に関わることができるので、こういう関わり方をすればよいのでは」と竹下氏は語る。最後に竹下氏は「ヘルプマンのヘルプマンも、やはりヘルプマンである。そうなっていくことで、介護人材の不足も補えるのではないか」と提言した。
ソニーと自分の会社のダブルワークを実践する津田氏
続いての登壇者はソニーに務めながら、長野県に移住し、Route Design合同会社を立ち上げ、その代表を務めている津田賀央氏だ。津田氏は長野県藤井町にいるため、FaceTimeでの参加となった。プロジェクターにFaceTimeの画面を映し出したところで、津田氏のライトニングトークが始まった。
津田氏が長野県富士見町に移住したのは2015年4月末。津田氏は節目ごとに自身の働く環境を変えてきたという。社会人として最初に務めたのは広告代理店。そこでフリーランスの人をはじめ、会社員とは異なる働き方があることを知る。
10年間務め、業界を変えようとソニーに転職。ソニーではUXデザイナーとして、新しいサービスやプロダクトの体験をデザインする仕事に従事しているという。
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