- 2025/11/27 掲載
アマゾンにJPモルガン、LINEヤフーも…出社回帰で再燃「リモート論争」の“正解”とは
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
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労働者のホンネ「給料次第で出社OK」が6割超
パンデミックを経て定着したリモートワークだが、今労働者の意識は再び揺れ動いている。米国では「給与が上がるなら出社する」と答える人が過半数を超え、企業側もオフィス回帰を進めている。出社かリモートか──その境界線はますます曖昧になりつつある。人材会社ロバート・ハーフの最新調査によると、米国の労働者の約66%が、給与が上がるならフル出社に応じると回答した。しかも、その6割は最低でも10%の昇給を条件としている。つまり、リモートワークを手放す代償として、相応の経済的見返りを求める姿勢が鮮明になってきたのだ。
一方で、リモートワークへの執着も根強い。ハーバード大学、ブラウン大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の共同研究では、労働者が平均で給与の25%カットを受け入れてでもリモートワークを選ぶ意向を示していることが判明。この数字は従来の研究結果の3~5倍に達するもので、在宅勤務の価値が従来の想定を大きく上回っていることを物語る。
では、実際の労働市場ではどちらの傾向が優勢なのか。世界経済フォーラムの報告によれば、2024年後半時点で、定期的なオフィス出社を求められる労働者の割合は75%に達し、2023年初めの63%から大幅に増加。企業側が出社を求める圧力は確実に強まっていることが示された。
だが労働者側の反発も無視できない。同調査では、在宅勤務が認められなくなった場合、46%が転職を検討すると回答。英国では週5日のフル出社命令に応じると答えたのはわずか42%で、2022年初めの54%から低下した。
この矛盾する数字が示すのは、労働者の心境が単純な二択ではないということだ。給与という明確な見返りがあれば出社に応じる柔軟性を持ちつつ、それがなければリモートワークを強く希望する。労働市場の引き締まり具合や個人の経済状況によって、その判断は揺れ動く。 【次ページ】アマゾンやJPモルガンが「週5出社」回帰のワケ
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