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- 2025/11/27 掲載
アマゾンにJPモルガン、LINEヤフーも…出社回帰で再燃「リモート論争」の“正解”とは
英大学院修了後、RPA企業に勤務。大手通信社シンガポール支局で経済・テクノロジーの取材・執筆を担当。その後、Livit Singaporeでクライアント企業のメディア戦略とコンテンツ制作を支援(主にドローン/AI領域)。2026年2月、シンガポールで「SimplyPNG」を設立し、AI画像編集のモデル運用とGPUコスト最適化を手がける。主にEC向け画像処理ワークフローの設計・運用自動化に注力。
労働者のホンネ「給料次第で出社OK」が6割超
パンデミックを経て定着したリモートワークだが、今労働者の意識は再び揺れ動いている。米国では「給与が上がるなら出社する」と答える人が過半数を超え、企業側もオフィス回帰を進めている。出社かリモートか──その境界線はますます曖昧になりつつある。人材会社ロバート・ハーフの最新調査によると、米国の労働者の約66%が、給与が上がるならフル出社に応じると回答した。しかも、その6割は最低でも10%の昇給を条件としている。つまり、リモートワークを手放す代償として、相応の経済的見返りを求める姿勢が鮮明になってきたのだ。
一方で、リモートワークへの執着も根強い。ハーバード大学、ブラウン大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の共同研究では、労働者が平均で給与の25%カットを受け入れてでもリモートワークを選ぶ意向を示していることが判明。この数字は従来の研究結果の3~5倍に達するもので、在宅勤務の価値が従来の想定を大きく上回っていることを物語る。
では、実際の労働市場ではどちらの傾向が優勢なのか。世界経済フォーラムの報告によれば、2024年後半時点で、定期的なオフィス出社を求められる労働者の割合は75%に達し、2023年初めの63%から大幅に増加。企業側が出社を求める圧力は確実に強まっていることが示された。
だが労働者側の反発も無視できない。同調査では、在宅勤務が認められなくなった場合、46%が転職を検討すると回答。英国では週5日のフル出社命令に応じると答えたのはわずか42%で、2022年初めの54%から低下した。
この矛盾する数字が示すのは、労働者の心境が単純な二択ではないということだ。給与という明確な見返りがあれば出社に応じる柔軟性を持ちつつ、それがなければリモートワークを強く希望する。労働市場の引き締まり具合や個人の経済状況によって、その判断は揺れ動く。 【次ページ】アマゾンやJPモルガンが「週5出社」回帰のワケ
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