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  • 2016/05/20 掲載

女性向け動画メディアC CHANNELの海外戦略「可愛くなりたい思いはどの国にも共通」

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オンライン動画が盛り上がりを見せている。高速なネットワークや高機能スマホなどの環境面は整備され、動画メディアはその真価が問われる時期にきている。4月28日にはTBSテレビによる出資と業務提携が発表され、ますます注目を増す女性向けの動画ファッションメディア「C CHANNEL」を手がけるC Channel 取締役の三枝 孝臣氏と、C CHANNEL 編集長の山崎 ひとみ氏が、良質なコンテンツの制作、広告展開、海外展開など、動画メディアの今後について語った。
(構成:編集部 中島 正頼、執筆:阿部 欽一)



開始から1年でTBSテレビによる出資と業務提携が決定

 C Channel 取締役の三枝 孝臣氏とC CHANNEL 編集長の山崎 ひとみ氏は、2016年2月に開催された「THE BRIDGE Fes」に登壇した。三枝氏は、主に「C CHANNEL」のメディア戦略について、山崎氏は、C CHANNELのコンテンツ戦略について語った。

 昨年4月にスタートしたC CHANNELは、今年4月28日にTBSテレビによる出資と業務提携が発表され、今急速に存在感を増している動画メディアだ。ファッションやヘアメイク、フード、トラベルなどのライフスタイル関連情報を扱っており、前LINE代表取締役の森川 亮氏の新プロジェクトという点でも注目を集め、スマートフォン対応の縦型動画スタイルや、ユーザー主導型のコンテンツ制作手法を特徴としている。

メディア価値を高めるためには、既存メディアとどのように組むかが課題

 C CHANNELでは、良質な動画コンテンツを安価にかつ、大量に制作するための仕組みとして、「クリッパー」と呼ばれるモデル兼投稿ユーザーがスマホのカメラを使って撮影した動画を編集、コンテンツとして配信している。

 トークセッションは、スマートニュース メディアコミュニケーションディレクターの松浦 茂樹氏がモデレーターを務めた。松浦氏は、まず、紙メディアと動画メディアの連携について質問した。

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C Channel 取締役
三枝 孝臣氏
 これに対し、三枝氏は、「課題解決」をキーにして連携しているとの持論を展開した。

「Webメディアは、つながりやすさ、横のつながりは容易ですが、それだけでは規模の拡大には不十分です。メディア価値を高めるためには、既存メディアとどのように組むかが課題で、C CHANNELは、紙メディアやリアルイベントと連携し、より多くのユーザーを獲得していく戦略をとりました」(三枝氏)

 紙メディア側にも、「読者が少なくなっている」という危機感があり、「両者の課題をうまく補完し合うことで、メディア価値を上げていく」点がポイントといえる。

 メディア連携の特徴的な事例として、三枝氏は、「紙メディアの発行間隔の“すき間”をC CHANNELで補完することや、リアルイベントには来場できない読者に、動画を使って会場での体験を共有した」という取り組みを紹介した。

米国、台湾、韓国、シンガポールなど世界8か国と提携

 また、2015年8月には、クリッパーだけでなく、一般利用者が投稿に参加できる取り組みを開始した。三枝氏は、「今後は、文字投稿、写真投稿だけでなく、一般利用者からの動画投稿もできるようにし、動画をみんなが撮って、共有できるようにしたい」と抱負を語った。

 一方で一般利用者が参加できるようになると、今まで以上にコンテンツの量と質を担保することが課題となっている。松浦氏から、コンテンツの量と質の問題について問われた三枝氏は、以下のように答えた。

「ネットメディアの場合、まず量を増やすことが大事で、その次に質を高めるという段階を踏んでいきます。一般参加者のモチベーション向上策として、たとえば、自分が作った動画を評価してもらうコンテストのような施策を通じ、再生回数が投稿のモチベーションになっていく仕組みを考えています」(三枝氏)

 話題は海外展開に移る。C CHANNELは、2015年10月、米国、台湾、韓国、シンガポールなど世界8か国と提携し、動画再生数が2000万回を超えた。

 三枝氏は、「国ごとに好まれる動画の差はある。こうしたコンテンツのローカライズも、動画制作のノウハウとして蓄積していきたい」と語り、さらに、国内においても、札幌、福岡、関西、東海で展開を開始し、「地方からクリッパーを出していきたい」と国内外のメディア展開について話した。

面白い動画に出会う仕組みづくりに注力している

photo
C Channel 編集長
山崎 ひとみ氏
 2015年12月にはC CHANNEL編集長に山崎氏を迎え、さらなるメディア強化に取り組んでいる。山崎氏は、「外部のソーシャルメディアへのコンテンツ配信」と「全体でのコンテンツのクオリティの底上げ」というポイントを挙げた。

「ヘアメイクと料理のオリジナル動画を自社制作し、こうした動画コンテンツをC CHANNELだけでなく、Facebookをはじめ外部のソーシャルメディアにも配信する取り組みを開始しました。また、人気のクリッパーが出てくるなど、認知が進んできたので、次の段階として、メディア全体でクオリティの底上げに取り組んでいます」(山崎氏)

 編集のプロが参画することによるメディアの変化について、山崎氏は、「全体のコンテンツのマネジメントというより、たくさんアップロードされた面白い動画に出会う仕組みづくりに注力している」と語った。C CHANNELの中では、自然、料理、メイクといった分野の人気が高く、ユーザーの評価が高かった動画については、クリッパーや制作側に随時フィードバックし、モチベーションアップに配慮しているということだ。

【次ページ】 中国の動画配信サイトやタイの「Ookbee(ウクビー)」と提携し、さらなる海外展開を進める

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