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  • 2023/09/07 掲載

Hugging Faceとは?ChatGPT競合の生成AIサービスがNVIDIAやグーグルから大型調達の理由

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生成AI分野のスタートアップとして最も知られているのはOpenAIだが、Anthropic、Inflection AI、Cohere、Adeptなど同社に対抗する競合スタートアップの動きも無視できない。直近で注目されているのは、セールスフォース、グーグル、アマゾン、NVIDIAなどから2億3,500万ドルを調達したHugging Faceだ。この調達により評価額は年間収益の100倍以上となる45億ドルに拡大した。Hugging Faceとはいかなる企業か? なぜテック大手から注目されているのか。
執筆:細谷 元、構成:ビジネス+IT編集部

執筆:細谷 元、構成:ビジネス+IT編集部

バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

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Hungging Faceの評価額が45億ドルに拡大中
(Photo:Robert Way / Shutterstock.com)

セールスフォース主導、グーグル、アマゾン、NVIDIAらから調達

 生成AI領域ではさまざまなスタートアップが存在するが、現時点の認知度や収益規模を見ると、OpenAIが他を圧倒する状況だ。

 The Informationが2023年8月29日に報じたところでは、OpenAIの収益は昨年2,800万ドルにとどまるものだったが、ChatGPTをリリースして以来、収益は急拡大しており、現在月間8,000万ドル以上に達したという。このペースを維持できると、今後12カ月の収益規模は10億ドルに達する見込みだ。OpenAIの評価額は270億ドルと報じられている。

 このOpenAIを追うのが、Anthropic、Inflection AI、Cohere、Adeptなどの競合スタートアップだ。資金調達額では、OpenAIが113億ドルを調達したのに対し、Anthropicが16億ドル、Inflection AIが15億ドル、Cohereが4億3,500万ドル、Adeptが4億1,500万ドルを調達している。

 そんな中、Hugging Faceが新たに大型資金調達を実施、累計調達額がAdeptに次ぐ額となり、注目度が高まっている。

 このニュースの第一報を報じたのはThe Information。同資金調達ラウンドは、セールスフォースが主導するもので、グーグル、アマゾン、NVIDIA、インテル、AMD、クアルコム、IBMなどが参加したという。

 シリーズDとなる今回ラウンドにおける調達額は2億3,500万ドルに上り、Hugging Faceの累計調達額は3億9,520万ドルに達した。この時点における評価額は45億ドルで、2022年5月から2倍以上増加した格好となる。現時点におけるHugging Faceの収益規模は小さなもので、今回ついた評価額は年間収益の100倍ともいわれている。

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生成AIスタートアップ資金調達額ランキング

Hugging Faceとはいかなる企業か?

 Hugging Faceは、独自のチャットボット「HuggingChat」を展開しており、ChatGPTを開発するOpenAIと直接的に競合するスタートアップだ。メイン事業は、コードリポジトリ、モデル、データセットへのアクセスを提供するAI開発ハブの運営となる。また、AI開発を支援するさまざまなツール提供も主力事業の1つとなっている。

 Hugging Faceは2016年に、フランスの起業家クレマン・ドラング氏(CEO)、ジュリアン・ショーモン氏(CTO)、トーマス・ウォルフ氏(CSO)らによってニューヨーク・ブルックリンで設立された。

 当初は、若年層向けのチャットボットアプリを開発していたが、同アプリの自然言語処理(NLP)モデルのオープンソース化を実施したところ、AI開発者コミュニティの人気が高まったことを受け、チャットボット開発事業を止め、個人から企業までさまざまな開発者が利用できるAI開発プラットフォームの構築を開始した。

 ドラング氏は、Hugging Face設立以前には、画像認識・機械学習スタートアップであるMoodstocksの製品チームに所属。Moodstocksは、2016年7月にグーグルに買収された。同氏はこのほか、メディアモニタリングとソーシャルリスニングのスタートアップであるMentionでCMOを務めていたが、同社も後にMynewsdeskに買収されている。

 Hugging Faceの主力事業は、AI開発オープンソースプラットフォームである「Hugging Face Hub」だ。ユーザーは、同プラットフォームを介し、プレトレーニングされたAIモデル、データセット、デモAIアプリにアクセスし、AI開発を行うことができる。

 AIモデルは、自然言語処理分野だけでなく、音声、画像分類、翻訳、セグメンテーション、音声認識、オブジェクト検出などさまざまな分野のモデルがホストされており、2023年8月30日時点の同社ウェブサイト情報によると、モデル数は31万、データセット数は6万に上る。

 2022年8月の情報では、モデル数は6万8000、データセット数は9100だった。この1年でモデル数とデータセット数は5~6倍増えており、コミュニティの活動が活発化していることが示されている。

 通常、研究者や個人がデータセットを構築する場合、多大な労力を要するが、Hugging Face Hubでは、基本無料でさまざまなデータセットを利用することが可能で、AI開発時間を大幅に短縮することができる。たとえば、RedCapsは、Redditからスクレイピングされた1200万件の画像テキストデータセット。Pythonを使えば、数行のコードで簡単にこれらのデータセットを活用できる。 【次ページ】Hugging Faceのビジネスモデル

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