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  • 2016/06/28

コニカミノルタの執行役、市村 雄二氏は「まずやってみて失敗しろ」と要求する

連載:「デジタル革新」実践企業のノウハウ

約2,700億の売上を誇っていたフォト・カメラ事業の終了から大胆に変革し、既存のレガシーとITサービスを掛け合わせた「ハイブリッドアプローチ」で事業領域を拡大してきたコニカミノルタ。そのデジタルトランスフォーメーションを推進する人材や制度は、いかにして育て作り上げたのか。さらに、トップマネジメントが果たすべき役割は何か。デジタルトランスフォーメーションを目指す企業に役立つ指針を、経営コンサルタント 野間氏が、前編に続いて、市村氏からさらに深く聞き出した。

(聞き手:アクト・コンサルティング 取締役 経営コンサルタント 野間 彰)

前編はこちら


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コニカミノルタ 執行役 事業開発本部長
情報機器事業 事業企画本部 副本部長
市村 雄二氏

「自分のこと」として考える、「Fail Fast」を実践する

野間氏:まさに御社は、いま、デジタルトランスフォーメーションを実践されているわけですが、これだけの変革を推進するには人が必要になります。人材は社内で育成したのですか。それとも外から採ったのでしょうか。

市村氏:両方です。おそらく弊社は、日本の製造業の平均よりは、キャリア採用が多いと思います。さまざまな部署にキャリアを採用しています。私は「重力」と呼んでいるのですが、「自分たちで何もかもやらなければならない」とか「自分たちはプロダクト会社だ」といった、意識してもしていなくとも染みついたものが会社にはあります。それがカルチャーであり風土なのですが、それを変えるには、ある程度は外部の力が必要です。ただし、コアになるのは、やはり既存の人員ですから、そこも変わってもらわなければなりません。

野間氏:個々の社員に対しては、具体的にどのようなことを求めているのでしょうか。

市村氏:新規事業については、全員に「自分のこととして考えてくれ」と言っています。これは、社長の山名も常々言っていますが、特別チームを作って取り組むとか、IT部門が取り組むというのではなく、全役員、全部署、全社員が考えなければならないということです。

 もう1つは、「Fail Fast(フェイルファスト)」です。まずはやってみる。そして、失敗するなら早く失敗する。失敗によってノウハウを蓄積できますから、失敗するなら早い方がいい。いちばん怖いのは、失敗を怖がって何もしないことです。

野間氏:それは、まさにスタートアップのマインドセットそのものですね。

市村氏:ええ。その意味では、スタートアップがコミュニティを作ることも見習いたいですね。新しい事業は我々だけではできません。技術の融合が必要です。それにはコミュニティがいります。ところが、大企業は作らない。経団連はありますが…。ですので、大企業もコミュニティを作りましょうと、呼びかけています。それができたら、スタートアップも喜んで飛び込んでくるでしょう。

新規事業で社員に要求するのはたった3つ

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アクト・コンサルティング
取締役 経営コンサルタント
野間 彰氏

野間氏:新しい事業を考えるとき社員に求めていること、要求していることはありますか。

市村氏:3つのことについて、1行でいいから書いてくれとお願いしています。1つは社会的意義です。「何の価値があるのか」です。たとえば、「ガンをなくす」といったことですね。2つ目は我々が勝ち続けられる差別化要因です。そして3つめが、ビジネスの規模です。100億なのか10億なのか、だいたいでいいから書いてくれと。この3つを、インパクトのある言葉を選んで書くだけで、頭に汗をかきます。これを、毎日続けたら間違いなく成長します。

野間氏:加えて、市村さんの厳しいレビューが待っているわけですね。2014年から新設されたビジネスイノベーションセンターにも、こうした新規事業を作り出す刺激材料としての役割があったのですか。

市村氏:我々はメーカーですから、テクノロジーアウト、プロダクトアウトのテクノロジーマーケティングのプロセス、開発のプロセスを持っています。これをイノベーティブに変えていくのはよくありますが、我々のアプローチは、エンジンをもう1つ作ることでした。それが、ビジネスイノベーションセンターです。

 ビジネスイノベーションセンターは、お客様のビジネスをイノベーションするセンターです。世界5極(北米/欧州/アジア・パシフィック/中国/日本)体制ですが、最初はセンター長も含めて、すべて外部の人間で構成しました。すでに約90のプロジェクトが動いていますが、すべて顧客軸ですので、ウチが技術を持っている、持っていないはまったく無関係です。いまは、ビジネスイノベーションセンターと他部門の人間の交流をはじめ、徐々に成果も出つつあります。

【次ページ】 変革の責任者は「社長」以外にはありえないが…?

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