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- 2016/07/07 掲載
「IT部門が関与しない」IT予算、6割超 大企業の2割では予算規模も半分に
1210社調査で判明
IDC Japanは7日、IT投資動向に関する国内CIO調査結果を発表した。これによると、IT投資に大きな変化はみられなかったものの、大企業や金融・通信/メディアを中心にIT予算の増加傾向がみられた。中でも投資領域については「セキュリティ」が第1位となり、標的型攻撃をはじめとするサイバー攻撃への対策が迫られている現状が浮き彫りになった。
大企業、金融、情報通信がIT投資を活発化
年間のIT予算については、従業員数100人未満の企業(中小企業)は99万円以下が70.9%を占める一方で、従業員数1000人以上の企業(大企業)では、1億円以上とする企業が68.9%となり、正の相関がみられた。従業員数100~999人の企業(中堅企業)については、100万円~999万円で過半数を占めた。業種別でみると、1億円超とした企業の業種で多かったのが金融(54.5%)、政府/公共(35.9%)、通信/メディア(32.4%)、情報サービス(26.0%)となった。「金融では過半数が1億円以上の予算を持っていることがわかった」(IDC Japan リサーチマネージャー 木村 聡宏 氏)。
製造は1億円超が21.8%ながら、1000~9999万円、100~999万円などのレンジも広く、99万円以下は24.8%となった。一方で、流通や建設などは99万円以下の企業が過半となった。
「金融など、ITが事業の競争力に直結している企業ほど予算を割いている」(木村氏)
年間IT予算の計画では、従業員規模が大きいほど、「増加」が「現象」を上回り、大企業のIT投資好調が裏付けられた。産業別では金融、通信/メディアの増加傾向が強かった。
年間IT予算を増やす理由については、会社の業務拡大、売り上げの増加、IT投信の優先度向上などがあげられ、攻めの姿勢が明らかになった。ほかにも組織(IT部門)の拡大、従業員数の増加など、人にかかわる部分も高い結果がみられた。
投資領域は「セキュリティ対策」がダントツ
IT投資領域については、トップ1位がセキュリティ対策、2位が営業系システム、3位がクラウドサービスとなった。ボトム1位は、レガシーマイグレーション、2位はSFA・コールセンター、3位はBIなどの意思決定支援システムだった。「セキュリティが2位以下を大きく引き離した。全業種でセキュリティは1位だった。経年でもセキュリティは上位に位置づけられるが、今回はさらにその割合が数ポイント高くなった」(木村氏)
なお、IT部門の「課題」でもセキュリティ対策が高かったという。
【次ページ】IT部門が関与しないIT予算がある企業は6割超
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