• 2016/12/06 掲載

ハイパーコンバージド市場、前年比228%の大幅増へ

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2015年の国内コンバージドシステム市場規模(支出額ベース)は、422億3,000万円だった。また、2016年の同市場は479億9,000万円になると予測した。さらに、このうち2016年の国内ハイパーコンバージドシステム市場は、前年比228.1%の大幅増になる見通しであることがわかった。IDC Japanが調査予測を発表した。
 IDC Japanによると、2015年の国内コンバージドシステム市場(支出額ベース)は422億3,000万円だった。また、2016年の同市場は479億9,000万円になると予測した。2016年の国内コンバージドシステム市場の前年比成長率は13.6%になると予測した。

 2020年の国内コンバージドシステム市場は804億6,200万円になると予測。2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR)は13.8%を見込んだ。このうち、ハイパーコンバージドシステムが2020年の国内コンバージドシステム市場に占める割合は、2015年の9.4%から26.5ポイント上昇して35.9%になるという。

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国内コンバージドシステム市場予測、2015年~2020年

 IDCではコンバージドシステム市場を、インテグレーテッドシステム市場(インテグレーテッドプラットフォーム+インテグレーテッドインフラストラクチャ)とハイパーコンバージドシステム市場を合算した市場として定義している(詳細は後述)。

 この定義に基づいてサブマーケット別に見ると、2016年の国内インテグレーテッドプラットフォーム市場は26.8%増、同インテグレーテッドインフラストラクチャが18.1%減、同ハイパーコンバージドシステムが128.1%増になるという。

 インテグレーテッドプラットフォームは、市場をけん引してきた製品の出荷が2015年は鈍化し前年比29.2%減だった。ただし、2016年上半期の出荷動向を見るとIDCが想定していたよりも大きな改善傾向を示したという。IDCは、今後も2016年上半期の改善傾向が継続するとした。

 逆に、インテグレーテッドインフラストラクチャについては、採用機会が減少しているという。トラディショナルIT(Non Cloud)やエンタープライズプライベートクラウドの潜在需要を、パブリッククラウドサービスが代替するといった動きが、従来IDCで想定していたスピードよりも加速しているという。同社は、パブリッククラウドで採用されるシステムが、インテグレーテッドインフラストラクチャではなく、汎用的なx86サーバをスケールアウトして構築されるケースが多い状況にあるためではないかと分析している。

 ハイパーコンバージドシステムは、インテグレーテッドプラットフォームやインテグレーテッドインフラストラクチャが持つ導入メリットである「導入容易性」「導入工程の短縮」「システムの安定稼働」「ワンストップサービス」に加えて、「スモールスタート」「柔軟性/拡張性」といったメリットを併せ持つ。これらの特徴によって、相対的に導入規模の小さい企業や事業拠点、競争環境の変化が大きい業種/業態において採用が進むという。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの宝出 幸久氏は「今後は、デジタルトランスフォーメーションによるアプリケーションの多様化や、ITリソースの拡張予測が立てにくくなることを背景に、ハイパーコンバージドシステムのメリットである迅速な導入、スモールスタート、拡張性といった点が評価され、国内での普及がさらに進むであろう」と分析している。

 今回の発表はIDCが発行したレポート「国内コンバージドシステム市場予測アップデート、2016年~2020年」(JPJ41771816)にその詳細が報告されている。

各用語の定義

インテグレーテッドシステムとは
サーバ、ディスクストレージシステム、ネットワーク機器およびソフトウェアの組み合せをベンダーが認定した上で統合したシステムパッケージをインテグレーテッドシステムと定義。また、インテグレーテッドシステムは、インテグレーテッドプラットフォームとインテグレーテッドインフラストラクチャに細分化される。

インテグレーテッドプラットフォームとは
サーバ、ディスクストレージシステム、ネットワーク機器およびシステム管理ソフトウェアに加えて、他のソフトウェアを追加したり、追加したソフトウェアにシステムを最適化したりしている製品のことを指す。追加されるソフトウェアにはアプリケーション開発用ソフトウェア、データベース、テストツールや統合ツール、業務アプリケーションなどがある。

インテグレーテッドインフラストラクチャとは
用途を限定せずに分散型のワークロードを広くサポートできるように構成されている製品のこと。インテグレーテッドプラットフォームとの相違点は、特定のワークロード向けに最適化していないことである。インテグレーテッドインフラストラクチャは、ベンダー1社によって提供されることもあれば、複数ベンダーのパートナーシップによって提供されることもある。複数ベンダーのパートナーシップによって提供されるインテグレーテッドインフラストラクチャは、構成の事前検証や統合したシステムパッケージとしての提供からサポートまで、ベンダー間の高度、かつシームレスな協調関係によって提供されるものである。

ハイパーコンバージドシステムとは
サーバベースのハードウェアを高度に仮想化して、単一のサーバベースハードウェアによって、コンピュートおよびストレージ機能を提供する製品をハイパーコンバージドシステムと定義している。

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