• 2017/05/29 掲載

Intel persistent memoryは何がスゴいのか? HPEを追従へ

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インテルが高速大容量の不揮発性メモリ「3D XPointメモリ」を発表したのが2015年7月。そこからおよそ2年経った5月16日、不揮発性のメインメモリ「Intel persistent memory」を発表した。Persistent Memory(永続性メモリ)については、Hewlett Packard Enterprise(HPE)が「HPE Persistent Memory」を展開して先行しており、インテルとマイクロン連合はこれを追従する形となる。そもそもPersistent Memoryは何が優れていて、コンピューティングやプログラミングをどう変化させるのか。Publickey 新野淳氏の解説を紹介する。

Publickey 新野淳一

Publickey 新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。

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 現代のコンピュータは基本的にメインメモリとしてDRAMを利用しています。DRAMはアクセスが高速な一方、容量あたりの単価は高く、それゆえ大量にコンピュータに搭載することが難しく、またデータを保持し続けるのに電力を必要とします。

 このDRAMの能力と性質を補完するため、一般に現代のコンピュータには二次記憶装置として大容量で安価かつ電力がなくてもデータを保持し続けられるハードディスクドライブなどのストレージを備えています。

 こうした現代のコンピュータの構造を一変させようとインテルが5月16日に発表したのが、大容量かつ低価格、しかもデータの保持に電力を必要としない、同社とマイクロンが共同開発した3D XPointの技術を用いた新しいメインメモリ、「Intel persistent memory」です。

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Intel Persistent Memory

データ保存の必要がなくなり、高速処理やノーマリーオフを実現

 Intel persistent memoryはデータの保持に電力を必要としない、いわゆる不揮発性メモリの一種です。電源を切ってもメインメモリからデータが失われないので、いちいちデータをメインメモリからストレージに保存する必要がなくなります。

 また3D XPointのメモリは容量あたりの単価がDRAMよりも安いため、大容量の搭載が可能です。つまり、いままでストレージに保存していたようなあらゆる大容量データをメインメモリに保持し、しかも電力を必要とせずにデータを保持できるため二次記憶装置としてのストレージが不要になる、新しい形のコンピュータが実現可能になります。

 そしてこの新しい形のコンピュータは、これまで多くのソフトウェアにおいて処理速度のボトルネックとなっていた、データをストレージに保存する処理が不要になるため高速な処理が可能になります。

 しかも、電源を切ってもデータを失わず、電源が入ればすぐに処理の続きを走らせることができるため、処理が必要なときだけ電源をオンにすればよい「ノーマリーオフ」と呼ばれる方式も可能になるなど、従来のコンピュータとは大きく異なる特長を備えられるようになるのです。

Intel persistent memoryの実稼働デモを披露

 このIntel persistent memoryの実稼働デモを、インテルは5月15日から18日のあいだフロリダ州オーランドで開催されたSAP主催のイベント「Sapphire Now 2017」で初めて披露しました

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Intel persistent memoryのデモをSAP HANAを用いて披露するSAP SVPのDaniel Schneiss氏(左)と、インテルのデータセンターグループVP Lisa Davis氏(右)

 ハードウェアとしてプレリリース版のXeonプロセッサを搭載したサーバに、192GBのDRAMと1.5TBのIntel persistent memoryのどちらもメインメモリとして装着。そのうえで、SAPのインメモリデータベースであるHANAの開発版を実行しています。

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192GBのDRAMと1.5TBのIntel persistent memoryを装着したサーバ

 SAP HANAはインメモリデータベースなので、すべてのデータをメインメモリに展開し処理します。今回のデモでは、SAP HANAはメインメモリとして搭載している2種類のメモリ、つまりDRAMとIntel persistent memoryを処理によって使い分けていると説明されています。

 使い分けとは、データベースのリード/ライトのような、できるだけ小さなレイテンシが要求される処理はDRAMを用いて処理し、(詳細な説明はなかったものの、おそらくログのような)ある程度の大きさのデータの読み書きに最適化された処理にはIntel persistent memoryを用いているとのことです。

 これによってメインメモリすべてを高速なDRAMにした場合と比べて、Intel persistent memoryで大容量メモリを実現しつつ高速な処理を維持していると説明されています。

 インテルのLisa Davis氏はIntel persistent memoryの登場によって「これからのメモリは大容量、低価格、不揮発性になる」と主張しました。

 Intel persistent memoryは2018年に登場予定の新型Xeonプロセッサ、コード名「Cascade Lake」にあわせて登場する予定。そして不揮発性メインメモリの登場は、いま私たちが知っているサーバやOSやミドルウェアやアプリケーションの構造を変えていく大きなきっかけになると考えられます。
※本記事は、ブログ「Publickey」から転載、一部を再構成したものです。

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