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  • 2018/02/26

ERPをリプレースして成長戦略につなげる方法、IoT連携や働き方改革を実現へ

連載:次世代ERPによるビジネス変革

急激に変化するビジネス環境に対応し、収益の最大化を支援する――。今、企業システムの根幹を担う次世代ERP(Enterprise Resources Planning)に求められているのは、単なる経営の効率化だけではなく、IoTやAIなどの最新テクノロジーを組み合わせて、長期的な成長戦略を立案できる環境です。ここでは変化しつつあるERPの役割とその将来像を考察していきましょう。

フロンティアワン 代表取締役 鍋野 敬一郎

フロンティアワン 代表取締役 鍋野 敬一郎

フロンティアワン 代表取締役。 同志社大学工学部化学工学科卒業(生化学研究室)、1989年米国総合化学デュポン社(現ダウデュポン社)入社、1998年独ソフトウェアSAP社を経て、2005年にフロンティアワン設立。業務系(組立工場、化学プラントなどの業務知識・経験)、基幹系(ERP/SCMなど)、クラウド(エンタープライズ系:PaaS、SaaSなど)、製造現場システム(MES/MOM/IoTなど)の調査・企画・開発・導入の支援に携わる。一般社団法人インダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブ(IVI)のサポート会員であり、IVIのエバンジェリストをつとめる。

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これからの企業に必要なのは「稼げるERP」だ
(©Egor - Fotolia)

次世代ERPは成長戦略の「重要ツール」

 過去においてERPシステム導入の目的は、コスト削減や業務の効率化でした。しかし、近年はIoT(Internet of Things)やAI(人工知能)といった新技術も、ERPシステムに連携/統合されるようになっています。

 そのような状況において、ERPシステムはその役割が大きく変化し、「顧客向けサービスを提供するプラットフォーム」の役割を担うようになりました。つまり、増収増益を目的とした成長戦略「重要ツール」として、事業部門が直接利用するようになったのです

目的施策(例)
売上向上「モノ売り」からデータ分析による知見獲得で「モノ+コト売り」
利益確保粗利認識の徹底、利益と信頼の両方を重視した経営の実現
コスト削減データの可視化で無駄を削減。トップス湯堂でコスト削減対策を実施

 これに伴い、ERPシステムの商談も大きく変わりつつあります。具体的には以下の2ケースに分かれます。

・ IT部門が主導するケース
・ 事業部門(または経営企画部門)が主導するケース


 IT部門が主導する商談は、従来システムを踏襲した機能や操作性を実現するとともに、導入費用は徹底的に抑えたいという安定志向です。これまでの延長線上にある「現実的システム」といってよいでしょう。

一方、事業部門が主導する商談は、具体的な目標や理想を掲げ、過去に囚われないシステムを構築したいというポテンシャル志向です。こちらは、成長戦略や新しいビジネスモデルに対応できる「未来的システム」と言えるでしょう。

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これまではバックオフィス業務のシステムが対象領域だったが、今後は「業績に貢献するERPであること」が求められる
(出典:フロンティアワン)

「IoTデータとの連携で“先回りサービス”が可能に

 では、「未来的システム」とは具体的にどのようなものでしょうか。ここでは製造業を参考例として、IoTプラットフォームとERPシステムの連携で何が実現できるのかを見てみましょう。

 製造業のIoTプラットフォーム導入は、以下の2つがあります。

・ 工場や製造ラインなど、製造現場への導入
・ IoT製品/サービスを顧客に提供するためのプラットフォームとして導入


 いずれも設備や製品に組込まれたセンサーがデータを収集し、IoTプラットフォーム(アプリケーション)で分析したうえでERPシステムと連携します。

 たとえば、工場の製造装置に組み込まれたセンサーから収集したデータは、製造装置の故障予知に役立てられます。故障に伴う製造ラインの停止を回避することで、生産性向上とコスト削減を実現します。これは、ERPの生産管理や保全管理とつながります。

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次世代ERPにはエンタープライズ領域とデジタルビジネス領域の双方を支える仕組みが要求される
(出典:フロンティアワン)

 また、顧客サービスでは、建設現場で利用される特殊車両などが考えられます。車両に組み込まれたセンサーが稼働状況データを収集し、リアルタイム分析を行うことで、「どういった状況で」「何をすれば」「燃費を抑制し、効率的に作業ができるのか」までを分析できます。こうした情報を販売管理システムやSLM(Service Level Management)システム連携することで、アフターサービスの充実や、製品/サービスの機能向上にも役立てられます。

【次ページ】“攻めのERP”で働き方改革も

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