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  • 2018/03/07

市場シェア変動? CRMの比較・選定方法、ガートナーが力説する5つの心得とは

今や企業活動にとって必須の存在となったCRM(顧客関係管理)ツール。ただし、新製品が相次ぐことで、その選定も一筋縄ではいかなくなっている。CRMツールは「何を基準に」「どう選択すべき」なのか。米ガートナー リサーチ部門のバイス プレジデント兼最上級アナリストを務めるマイケル・マオズ氏が、CRMツールの市場動向と製品選定のポイント、将来の進化の道筋を示す。

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CRM市場は今後も混戦が続きそうだ
(©adiruch na chiangmai - Fotolia)

CRM市場は17%増、シェアトップはセールスフォース

 従来からの電話に加えWebや電子メール、さらにスマホを使ったSNSでのやりとりなど、コミュニケーション手段は多様化する一方だ。それに伴い、「顧客との接点をいかに適切に管理すべきか」が、B2C事業を手掛ける企業に強く問われるようになっている。

 「(顧客接点を適切に管理しなければ)良かれと思った施策が逆に顧客との関係を悪化させたり、多額のコストをかけて獲得した見込み顧客を逃したりといった事態を招きかねない。それらで被る打撃の深刻さは、改めて説明するまでもないはずだ」と強調するのは、米ガートナー リサーチ部門のバイス プレジデント兼最上級アナリストを務めるマイケル・マオズ氏である。

 経営の必須ツールと位置付けられることで、古くて新しいCRMツールの利用は今なお拡大中である。ガートナーの調査によると、2016年の市場規模はグローバルで対前年比17%増の360億円。手掛けるベンダーも約5000社にまで達したという。なお、製品シェアではセールスフォース(18%)がトップを走り、SAP(9%)、オラクル(7%)、アドビ(5%)、マイクロソフト(4%)と続く。

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2016年における世界のCRMベンダー売上高トップ10
(出典:ガートナー)

 日本国内に限れば、売上高でのセールスフォースの強さは変わらないものの、売上伸び率ではSAP(32.2%)、オラクル(26.5%)、マイクロソフト(23.7%)、セールスフォース(23.2%)までが混戦模様で、アドビ(14.5%)がやや遅れを取っている状況だ。

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2016年に日本で売上高が1,000万米ドルを超えたCRMソフトウェア・ベンダーランキングとその成長率
(出典:ガートナー)

 もっとも、これほど製品が乱立することで、CRMツール選定も一筋縄ではいかなくなっている。では、企業は何を基準にCRMツールを選択すべきなのか。この難題を解く糸口としてマオズ氏がまず挙げたのが、「メガベンダーのツールが支持される理由」である。

「各ツールに目立った違いはない」は本当か?

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 興味深い事実がある。一般的にツールの良し悪しは、「機能の豊富さや高度さ」や「既存業務システムとの連携の容易さ」、「各業界での使いやすさ」などに左右されると見られがちだ。だが、実はそれらの尺度を用いても、「各ツールに目立った違いはない」(マオズ氏)という。

 逆に製品イノベーションだけを見ると、マジェント(Magento)やアプタス(Apttus)など、小規模ベンダーが手掛ける特定領域向けツールのほうが、圧倒的に分があるとの結論に至ってしまうのだ。

「いずれのメガベンダーも他のCRMベンダーの買収を繰り返し、機能の幅と深さの改善に力を入れてきた。だが、CRMに必要な機能は分解すると100以上。また、業界ごとに求められる機能も異なるために、機能面では特にすぐれた優れたツールは存在しないのが実情だ。製品ごとに業界ごとの導入率で確かに差はあるものの、これもインテグレータのノウハウに左右される面が大きく、機能の良し悪しを判断する基準にはなりにくい。SAPやオラクル、マイクロソフトが苦戦する理由には、コンサルから実装まで一貫して請け負う優れたパートナーが少ないことが挙げられる。そうした中での決定的に差異が、『プラットフォーム特性』なのだ」(マオズ氏)

 多様な機能が必要とされるCRMだけに、必要な機能を単一ベンダーの製品でまかなうのは不可能だ。それだけに、各ツールの“良いとこ取り”をした「ベスト・オブ・ブリード」での環境整備が企業にとって現実的な策となる。メガベンダーのCRMツールはそれらの中核になり得るだけの他ツールとの高い相互接続性でほかを圧倒する。

 こうした観点から見ると、セールスフォースで際立つのが「進化の独自性」である。ほかのメガベンダーは、サーバやデータベース、各種ソフトウェアなどの独自の強みを磨き上げ、いわば「垂直統合方式」でプラットフォームを構築してきた。対してセールスフォースは、中核機能こそ自社で用意したものの、パートナー、さらに顧客なども広くも巻き込み、各自で必要に応じて開発してきた機能を連携させる「水平統合方式」を採用し、エコシステムを確立させてきた。

 「セールスフォースの方向性はアプリ開発でもクラウドを積極的に採用するなど、ほかのメガベンダーと一線を画す。どちらが優れているかは現時点で断言はできないが、この差は将来的に大きな違いとなって表れるはずだ」(マオズ氏)

【次ページ】セールスフォースやSAP、MSらが抱える「それぞれのアキレス腱」

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