• 会員限定
  • 2023/04/21 掲載

グーグルやセールスフォース、アドビもジェネレーティブAI発表、各社の狙いは?

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
記事をお気に入りリストに登録することができます。
ChatGPTの登場により「ジェネレーティブAI」に関心が集まるようになった。この市場では、スタートアップを中心とする動きが活発だったが、最近では大手企業による動きも顕著になってきている。ここではグーグル、セールスフォース、アドビなどのテック大手の動きをまとめた。

執筆:細谷 元、構成:ビジネス+IT編集部

執筆:細谷 元、構成:ビジネス+IT編集部

バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

photo
アドビは画像生成、セールスフォースはCRMに特化して参入
(Photo:gguy/Shutterstock.com)

ジェネレーティブAI市場の現状

 ChatGPTの注目の高まりとともに、「ジェネレーティブAI(生成AI)」に関心が集まり始めている。

 このジェネレーティブAI市場は、テキスト生成に限定しても、企業やプロダクトの多様化が進んでおり、各分野における競争は免れない状況となっている。

 Venturebeatの調べでは、ジェネレーティブAI市場におけるテキスト生成プロダクトを開発する企業の数は、700社以上あることが明らかになった。画像生成AIは含まれておらず、画像生成分野を含めると、企業数はさらに多くなることが見込まれる。

 この調査では、ジェネレーティブAI市場が「テキスト分析」「センチメント分析」「テキスト翻訳」「バーチャルアシスタント」「チャットボット開発プラットフォーム」「チャットボットフレームワーク」「文章生成」「コード生成」などに分類されているが、各分野ではすでに数多くのスタートアップがひしめき合う状態となっている。

 そんな中、ChatGPTの登場やそれを自社ブラウザに統合したマイクロソフトの取り組みに触発され、セールスフォース、アドビなども続々とジェネレーティブAIプロダクトのリリース計画を明らかにしており、しばらくジェネレーティブAIトレンドが続く公算が高まっている。

グーグル「Bard」は何がダメなのか

 現在、ChatGPTの直接的な競合として目されるのがグーグルの「Bard」だ。

 この数カ月ほど、グーグル社内でテストされていたが、3月21日米国と英国の一部ユーザーを対象に、限定ベータ版がリリースされた。さらには4月18日から、日本でもベータテストに参加できるようになっている。

 注目されるポイントは、Bard、ChatGPT、またマイクロソフトのAI検索エンジンBingが生成するアウトプットの精度だろう。

 Bardの限定ベータ版がリリースされてから、複数のメディアやインフルエンサーらが比較レビューを行っており、現時点におけるそれぞれの特徴があぶり出されている。

 包括的なレビューの1つとしてThe Vergeが3月24日に公開した記事が挙げられる。オンラインゲームの攻略法、ケーキレシピ、パソコンのDIY、詩の作成、基本的な計算、平均給与の調査、マラソンの練習プラン、旅行計画などの様々な質問(プロンプト)を入力し、Bard、ChatGPT、Bing、それぞれのアウトプットを比較している。

 比較した後The Vergeは、創造的な文章作成や帰納的推論などの言語タスクではChatGPT(特にGPT-4)、ウェブ検索でチャットボットを利用する場合はBingが推奨できるという評価を与えている。一方Bardに関しては、複数の質問に対し、ChatGPTやBingと比較しても、満足を得る回答を得られなかったとして、低い評価が下された。

 たとえば、ケーキレシピに関しては、ChatGPTが必要条件を満たすレシピを生成した一方で、Bardはケーキの味を大きく変えてしまう失敗をしたことが報告されている。

 この実験で使用された入力テキスト(プロンプト)は「しっとりしたバニラクリーム・チョコレートケーキをつくる良いレシピを教えて下さい。レシピの情報ソースも提示してください」というもの。

 ChatGPTは、1つのサイトからチョコレートケーキのレシピ、別のサイトからバタークリームのレシピを選び、それぞれの材料を正しく再現。また、パーチメントペーパーの使用やケーキの層を組み立てる方法などを提案するなど、クリエイティブなヒントも提示した。実験者は、ChatGPTがレシピボットとして信頼できるものであると評価している。

 一方、Bardはケーキの焼き時間を少なく表示したほか、バターミルクと牛乳、水とコーヒーを混同するなどケーキの味を大きく変えてしまうミスを頻発したことが報告されている。 【次ページ】セールスフォースは、CRM特化型のジェネレーティブAI開発

関連タグ

関連コンテンツ

オンライン

Slack AI Day

Slack AI の日本語ローンチを祝し、革新の軌跡を振り返り、未来への一歩を踏み出す特別なイベントを開催します。 「コミュニケーションの先の未来を再定義する」というテーマのもと、Slack はメッセージングツールから AI を活用した強力なプラットフォームへと進化しました。 私たちの働き方を根本から変えるこのプラットフォームでは、CRM やアプリケーションの複数同時活用が可能で、 あらゆるデジタル業務が Slack を通じて円滑に進行します。 また、AI の強化により、過去の会話や見落としていた情報を活用して、ワンクリックで最適なコミュニケーションを実現することができます。 この記念すべきイベントでは、「新しい働き方」と業務における生成 AI の活用に焦点を当てます。 Slack AI を通じて、私たちは日常の業務プロセスを根本から変革し、生産性の飛躍的な向上を目指します。 AI とオートメーションの融合が、時間を要する従来のプロセスを一新。 Salesforce の Customer 360 と連携した Slack で働き方が劇的に変わります。 Slack を愛用し続けてくださる皆さま、そしてこれから Slack をご利用してくださる皆さまと共に、AI による業務効率化の新時代を創ります。 進化を遂げた Slackと一緒に、未来の働き方を再定義し、その可能性を探求しませんか? 【このような方におすすめです】 ・業務における生成 AI の活用を模索している方 ・より効率的な働き方・チームコミュニケーションを模索している方 ・Slack でできることを知りたい方、Slack の利用を検討している方 ・Slack を使っているけど、"コミュニケーション" 以外の新しい利用価値を知りたい方 ・部門・プロジェクトごとの部分的な Slack 利用から組織全体へ広げていきたい方 ・Slack 無償版から有償版へ切り替えたい方

あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます