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  • 2018/09/03

売れる商品を生み出す極意、「オヤジに売れないならJKに売れ」

いい商品なのになぜか売れない。そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは大勢いるだろう。もちろん「商品」自体が重要なことは言うまでもない。ただ現実的には「商品開発」からかかわることができる人は限られている。できてしまっている商品を、「さてどう売るか」と悩んでいる人が多いのが実際ではないか。そんな人のために、コピーライターの川上徹也氏が、「商品は変えずに売り方だけを変えて、売れる商品にするコツ」を紹介する。

コピーライター 川上徹也

コピーライター 川上徹也

コピーライター。湘南ストーリーブランディング研究所代表。大阪大学人間科学部卒業後、大手広告会社勤務を経て独立。東京コピーライターズクラブ新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞など受賞歴多数。特に「経営理念」「企業スローガン」などの会社の旗印になる「川上コピー」を得意とする。「物語で売る」という手法を体系化し「ストーリーブランディング」と名づけた第一人者としても知られている。著書は『物を売るバカ』『1行バカ売れ』『「コト消費」の嘘』(いずれも角川新書)など。海外にも多数翻訳されている。

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なぜシーブリーズは数年で低迷期の8倍の売上になった?
(写真:つのだよしお/アフロ)

売り方を変えて、売れるチャンスをつかむ

 「物を売る」ためには、色々な小難しいマーケティング理論やフレームワークもありますが、私なりに極力シンプルに言い表すと、「商品力」×「売り方」がすべてです。売り方には以下の7つがあります。

・「売る人」を変える
・「売る値段」を変える
・「ウリ」を変える
・「売る時間」を変える
・「売る場所」を変える
・「売る方法」を変える
・「売る目的」を変える

 今回はこの7つの要素のうち、「売る人」を変える方法に絞って、新しい視点を提供します。しかも難しいマーケティング用語やフレームワークは使いません。ここから“売れないモノを売る”ヒントをつかんでほしいと思っています。(他の方法については拙著『売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!』をご覧ください)

シーブリーズはなぜまた売れた?

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『売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!』
画像をクリックするとアマゾンに移動します
 今まで売れなかったモノも、売るべき人を変えることで、急に売れ出すことがある。そんな事例を紹介していきましょう。 

 私は20代の会社員の頃、夏になると必ず週末は海に行って、浜辺でカラダを焼いていました。そんなときの必需品が「シーブリーズ」でした。ほてった肌をクールダウンするためのスキンローションで、その頃は、かなりのヘビーユーザーだったと思います。

 さすがにもう10年以上、シーブリーズを使うことはなく、商品のこともまったく忘れていました。しかし最近、CMでまたよく見かけるようになりました。

 あれ? でも何かイメージが違う。

 そう。海のシーンも出てこないし、主人公は広瀬すずさんが演じる女子高生という設定。先輩との胸キュンなシーンが演じられています。なぜだろうと調べると、意外な事実を知りました。

 10年前、シーブリーズの売上はどん底で、ブランド存続の危機を迎えていたのです。販売メーカーが調査すると、それまでターゲットにしてきた20~30代の男性が海に行かなくなったことが原因でした。これに伴いシーブリーズ自体が、時代遅れなブランドイメージになっていたのです。

 そこで販売メーカーは、ターゲット(売りたい相手)をガラッと変えることを決断しました。それが「部活後の女子高生」です。「運動部の部活後、高校生、とりわけ女子高生が制汗剤として使いたがっている」という潜在ニーズを発見したのです。

 そこでパッケージを刷新し、CMなどのプロモーションも、大きく変化させることにしました。パッケージはそれまで白地にブルーのロゴという、まさに海を連想させるパッケージだけでしたが、女子受けするようなカラーや香りのバリエーションを増やしました。

 CMも「部活後に好きな男の子に会うのに汗を気にする女子高生」という設定で、現在のようなストーリーになりました。その結果、狙った通りに、若い女性を中心に大ヒット。売上はV字回復し、数年で低迷期の8倍の売上になったのです。

ニベアを中高年男性に売って大ヒット

 前述したシーブリーズとは逆に、本来女性向けだった商品を、男性向けに売り出し、しかも中高年男性にターゲットを絞ったことで大ヒットした商品があります。

 それが「ニベアメン」です。「ニベア」と言えば、ロングセラーの「青缶」が有名ですが、本国のドイツでは男性向けの商品も古くから発売、支持されていました。日本にこのメンズ商品が導入されたのは2002年。しかし当初はなかなか売れませんでした。 

【次ページ】「ニベアメン」が売れた理由とは

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