- 会員限定
- 2024/03/29 掲載
ボドゲの王道「人生ゲーム」に学ぶ、“超ロングセラー”を生む常識破りの「勝利法則」
連載:ロングセラー解体新書
誕生はなんと「半世紀前」
今回取り上げるロングセラー商品は、タカラトミーから発売されているすごろく形式のボードゲーム「人生ゲーム」です。人生におけるライフイベントを疑似体験できるボードゲームとして親しまれてきた同商品は、社会の変化に伴う価値観の変遷や、その時々に合った世相を反映してきました。
人生ゲームが日本で発売されたのは、1968年のことです。公式サイトによると、1960年に米国で生まれた「THE GAME OF LIFE」というボードゲームの日本語版として販売されたのが発端だったと言います。
1983年にはゲーム内容が日本オリジナルのバージョンが発売。その後現在に至るまで、ベースとなるルールや盤上デザインは一貫しながら、時代にあったモデルチェンジを続けてきました。
現在の最新モデルは2023年に発売されました。「ペットの乱入でリモート会議が和んだ」、「サブスクの登録の仕方がわからない」というマスが存在するなど、現代的な内容を多く盛り込んだ内容となっています。
人生ゲームが変えた「すごろく」の概念
そんな人生ゲームは、「すごろく」の概念を変えつつ、広く社会に浸透させたことでも知られています。1960年代当時、ボードゲームと言えば、サイコロを振っていかに早くゴールを目指すかというすごろく式のゲームしか存在しませんでした。
それに対して人生ゲームは、単に早くゴールを目指す形式ではなく、「人生」という壮大なテーマを疑似体験していくという形式を打ち出しています。自動車型のコマやボード上の立体的な建物、小道具のおもちゃの紙幣や、サイコロ代わりのルーレットといった当時目新しかった要素が老若男女を魅了しました。
そして同商品では、勝負の行方はルーレットの目にかかっています。戦略性や経験値の有無で差が出ることがなく、子どもや大人、初心者や経験者に関係なく、ゲームを楽しむことができる点がファミリー層に支持され、普及したのです。 【次ページ】「新しい競争ルール」を作るのが重要なワケ
関連コンテンツ
PR
PR
PR