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  • 2019/01/16

【AI・RPA調査報告】AI・RPAの成否は何で決まる? 業務改革手法としてのBPMの真価 (2/2)

RPAは業務改革に対してインパクトのあるツールとして活用されている

 続いて業務改革への取り組み状況について、具体的な施策としては、業務プロセスの見直しや業務の改革・改善(72.2%)、労務時間の削減を意図したITツールの導入(46.2%)、業務の標準化・マニュアル作成(26.7%)と並んでいる。

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業務改革の取り組み状況:業務改革・改善の取り組み

 業務改革の範囲については、営業やサービスなどの事業部門・機能別組織の単位で進めている企業が半数以上を占め(51.9%)、全社およびグループ会社にまたがって進めている企業も44.6%に上る。

「過去からの推移を見てみると、事業別・機能別に取り組んでいる企業がぐっと増えている(2015年:27.8%、2017年:41.0%)。これは恐らくRPAの効果だろう。先にも紹介したように、RPAは部門単位で個々に導入することが中心だからだ」

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業務改革の取り組み状況:業務改革の範囲

 また業務改革の手法について、特定の手法を採用していると答えた企業が昨年の18.6%から43.2%へと大きく伸びており、実際の手法としてはRPAがトップだったという。

「先の話と関連してRPAが業務改革の手法かという議論もあると思うが、少なくともRPAを業務改革に対してインパクトのあるツールとして認識し、活用している実態があるということ。また業務プロセスを可視化して、BPMで改善していくという企業もかなり出てきている。とはいえ、まだまだ企業に定着した業務改革手法が十分にできていないことも感じるところ」

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業務改革の取り組み状況:手法の活用

 次に業務改革の成果だが、第一に挙げられているのが、従業員間の業務知識・情報の共有化が進んだこと(33.2%)で、利益率の維持・向上(19.9%)、現場での問題解決・改善能力の向上(19.2%)と続いている。

「そしてこの2~3年で様変わりしていると感じているのが、業務知識・情報の共有化の方法だ。Webが仕事の道具となり、企業では業務改革や改善のために、たとえば顧客からの問い合わせ件数をいかに減らすことができるか、そのためにいかにFAQを充実させるかが非常に重要な要件となってきた。これを実現するためには、回答を社内で一元的にデータベース化し、共有するためのワークフローが必要だ。こうしたナレッジ中心の業務プロセスが企業内にできてきたのは、大きな進歩かと思う」

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業務改革の取り組み状況:業務改革の成果

 一方ITの活用状況については昨年とあまり変わっておらず、受注、出荷、請求、回収、会計といった基幹業務系に使っていると答えた企業が82.7%とトップで、顧客やパートナーなど外部との連携に活用していると答えた企業が37.3%で続いている。

「この結果は、業務改革のためにまだまだルールエンジンといったものが活用できていない、端的に言えば、業務プロセスの中でデータを活用できていない企業が9割近くもあることを示している」

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業務改革の取り組み状況:ITの活用状況

 また需要変化に応じて、販促や顧客サービスの内容とプロセスを調整する業務に活用していると答えた企業が11.8%、存在する。

「これは需要変化に対して、たとえば社内で稟議を上げたり、承認をもらったりするプロセス無しに、ダイナミックにプライシングを変えるという意思決定が自動化したワークフローの中で実現されているということだ。ITの活用方法としては、これが一番レベルの高い使い方だと言える」

BPM導入の成功は、BPMを推進するチームの存在と経営トップの支援が鍵を握る

 そしてBPMへの取り組み状況と課題についてだが、まずBPMの認知度について、よく知っていると答えた企業は、2015年の26.1%から34.6%へと増えており、その中で実際に取り組んでいると答えた企業も、44.2%から63.9%へと増えている。

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BPMの取り組み状況:BPMの認知と取り組み

 BPM適用の対象プロセスとしては、会計・財務が最も多く33.0%で以下、調達・購買・外注(29.9%)、情報システム(28.9%)、製造・生産管理(26.8%)、顧客サービス(24.7%)と続いている。

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BPMの取り組み状況:対象プロセス

 次にBPMに臨む組織体制としては、大きく3タイプに分類され、情報システム部門が先導して取り組んだと答えた企業が22.7%、専門人材・専門組織と答えた企業が18.6%、業務改革・企画部門と答えた企業が17.5%だった(推進する部門を新設したという企業も3位同率)。

「やはりBPMでは各種システム間のデータの連携やインフラの形成が必須になる。企業にとっては情報システム部門が先導して進めるというのが一番分かりやすいのではないか。また専門人材・専門組織を設置している企業の取り組みとしては、日本生命保険相互会社の企業保険契約部における“RPA女子”のチームが挙げられる。営業経験者やSE経験者、Excelの先生、事務改革のプロなどで構成されており、BPMも利用してRPAの活用を事務現場に定着させた。専門組織が成果を生み出した好例だ」

 またBPM導入の成功要因としては、BPMを推進するチームの存在(33.9%)と並んで、経営トップの理解と支援(32.3%)が非常に重要となる。

「BPMは業務改革の手法だが、何かを変えるとなった時に、意思決定できる体制がない限り、単純な効率化に留まってしまう。経営トップの参画は必須だ。日立のグループBPOを主導した日立ICTビジネスサービスの事例は、経営トップのリーダシップとして何をするべきかを教えてくれるお手本のような話だろう」

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BPMの取り組み状況:組織体制、成功要因

 BPMへの取り組みの課題としては、現場の協力を得ることが58.1%でトップ、次いで取り組みの成果が分かりにくいことが37.1%、推進要員のスキルを向上させることが35.5%となっている。

「業務のオペレーションを改善するのがBPMだ。だから現場の協力を得るというよりもむしろ、現場の人たちが自分たちで主体的に取り組む必要があるという世界だ。またBPMで成果を挙げていくためには、取組む業務課題の設定と、課題を解決した業務プロセスを描き、実現していくスキルが無ければ、なかなかうまくはいかないということ」

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BPMの取り組み状況:取り組みの課題・取り組まない理由

 そしてBPMの業務改革・改善への貢献という点については、業務負荷の平準化が43.5%でトップに挙がっており、チーム間での業務連携の深化(30.6%)が続いているが、実績データによるモニタリングや改善への活用は20%以下で、BPMの本格的な使い方にはなっていないようだ。

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BPMの取り組み状況:業務改革・改善への貢献

「さまざまな企業とお会いするが、残念ながらまだまだ現状の業務プロセスの可視化に留まっており、そこから改善サイクルを回すというところまでは及んでいない。BPMの導入を成功させるためには、まず顧客視点でビジネスプロセスを可視化、再設計すること、次にトップ主導で実行環境とモニタリングの仕組みを構築すること、そしてプロセスエンジニアリングができる専門人財の育成と組織作りが必要だ。変化をするためには、基礎とする考え方・手法を明確にし、それを実現できるような人づくり・組織づくりが必要だろう」

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