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- 2019/03/13 掲載
集中力を高める「赤」、アイデアを引き出す「青」、仕事で「色」を使う方法とは
集中力を高める「赤」の使い方
多くの調査で、赤は脈を速くし、呼吸頻度を上げ、脳波のアルファ波を減少させ、脳幹が覚醒することが確認されています。信号機の「止まれ」が赤になったのは、危険に備えて緊張を高めるからではないかと言われています。
このように赤は集中力を高めるとともに、短期記憶を促進します。商談や会議で重要なメッセージを伝えたいとき、赤を上手に取り入れることができれば、きちんと正確に理解してもらえる確率が上がります。
たとえば、具体的なデータや詳細なスペックを示して相手を説得したいときは、プレゼンの画面や配布資料に赤を使うとよいでしょう。
相手に覚えてもらいたい数字を赤にしたり、データやスペックを示す直前の画面で背景を赤にしたり、赤の使い方によって、相手の注意を引きつけ、細部にまで視線を配るようにうながすことができるからです。
赤は、高い集中力を要する細かい作業にも適しています。仕事場のインテリアに赤を取り入れたり、作業に使うパソコンの画面の背景を赤にしたり、視界に赤が入るようにするだけで、高い集中力を保ったまま作業を続けることができます。
とはいえ、集中力が持続する時間には限界があるので、適宜休憩を取ることが大切です。
一般的に集中力が持続するのは、45分程度と言われています。休憩室にリラックス作用に優れた青や緑を取り入れるなどして、くつろげる環境を整えておくとよいでしょう。
このように、赤、青、緑などと視界に入る色を変化させると、そのあとに赤いものを見たとき、その集中力を高める効果がよりいっそう強く感じられるはずです。
このように、赤は緊張をうながし、集中力を高める効果に優れていますが、赤を見ると原始的な知能が優勢になり、論理的な思考能力は低下します。そのため、熟考を要する場面で、赤を使用するのは控えた方がよいと言われます。
その一方で、思ったことを気後れせずに発言するようになるので、率直な態度で意見を出し合うことができれば、お互いの人間性を知る格好の機会となるかもしれません。
アイデアを出し合うブレーンストーミングにも適していますが、実用的で堅実なアイデアに偏りがちで、創造性に富んだアイデアは出にくいとも言われます。このように色の力は万能ではなく、一長一短があります。
アイデアを引き出す「青」の使い方
赤とは対照的に、青は脈拍や呼吸数を減らし、動脈圧を下げ、リラックスした状態へと導きます。これに適しているのは、単純作業です。パソコン画面の背景色を変える実験でも、仕事の進み方に影響を与えることが明らかになっています。入力作業を行うとき背景を青にすると、いつもより早く終わるかもしれません。
ただし、青は元気なときはよいのですが、気分が落ち込んでいるときは、その鎮静作用が強く働き、活動レベルが下がりすぎてしまうことがあります。
そんなときにおすすめしたいのは、パステルカラーのような淡くて明るい色です。パステルカラーの中でも、黄緑、青緑、ピンクの3色は、リラックス作用に優れており、認知機能を高め、作業の効率を引き上げます。
人はリラックスした状態になると、想像力が高まります。
たとえば、企画会議に出席するときは、パソコンの画面の背景を青にしたり、メモを取るペンの色を青にしたり、視界に青が入るように工夫してみましょう。直感がさえて、創造性に富んだアイデアが湧いてきます。
前述したように、パステルカラーの黄緑、青緑、ピンクにも同様の効果があります。その日の調子によっては、青の代わりにこれらの色を取り入れると、もっと素敵なアイデアがひらめくかもしれません。
グループディスカッションでは、パステルカラーの付箋にアイデアを書き出し、ペタペタと貼る手法がよく使われます。パソコンやスマホで使えるメモアプリにも、付箋のような体裁のものがあり、好みの色に変えることができます。これらのツールの色は、実は理にかなっているのです。
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