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  • 2019/02/27

ヒットの秘密は「色」にあった?人を動かす色の科学とは

私たちのまわりにはさまざまな「色」があります。「人が五感で受け取る情報のうち、視覚によるものは一番多く、その中でも、形よりも色に影響されやすい」と語るのは『人を動かす「色」の科学』の著者である松本英恵氏です。松本氏にセブン-イレブンやGoogleなどの人気の商品や店舗、ブランドが色を用いて人を引き付ける仕掛け、そして身近なアイテムに固有の色が使われるようになった経緯などを解説してもらいます。

カラーコンサルタント 松本 英恵

カラーコンサルタント 松本 英恵

2003年より、フリーランスのカラーコンサルタントとして活動。2005年、総合情報サイト「All About」にてカラーコーディネートガイドに就任。同サイトの900名を超えるガイドの中で読了率1位を誇る(2016年)。他にも雑誌など多数のメディアで活躍。また、売る側、買う側の気持ちがわかるカラーとイメージのエキスパートとして、「似合う色」「売れる色」「心をつかむ色」をテーマに、研修講師としても活動している。九州大学大学院芸術工学府デザインストラテジー専攻修士課程修了(2008年)

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セブン-イレブンの外観の「色」にはさまざまな工夫がある

なぜか入りたくなる店には理由がある

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 コンビニ、スーパー、百貨店、ドラッグストアなど、買い物をする場所はたくさんありますが、買い物をするためには、お店の中に入らなければなりません。店内に入りたいと思わせるのは、どんな外装なのでしょうか?

 1960年代頃から、小売店の外装や内装について、さまざまな調査研究が行われています。店内に入りたいという気持ちを起こさせるのは、外装が暖色系の店です。

 たとえば、セブン-イレブンの店舗の多くは、外壁がレンガブロックになっています。工事に費用や時間がかかるため、最近は、レンガブロックそっくりのシールを貼る店舗も増えています。

 レンガブロックは、暖色系の中でも落ち着いた色で、ナチュラルでクラシックな雰囲気を醸し出します。目立ちすぎず、かといって、周囲の景観に埋没せず、適度に浮き上がって見えます。

 店舗の入り口の上には、数字の7とアルファベットのELEVENを組み合わせたロゴがあります。

 セブン-イレブンの歴史は、1927年、アメリカ・テキサス州のオーククリフという町の小さな氷小売販売店までさかのぼります。ロゴの原型が作られたのは1946年で、オレンジは「夜明けの空」、緑は「砂漠のオアシス」、赤は「夕焼けの空」をイメージしたものとされます。

 テキサス州には、西部劇の舞台となった、サボテンが生える砂漠があります。オアシスの緑は生命のシンボルで、赤やオレンジは灼熱(しゃくねつ)の太陽の色ではなく、日の出や日の入りのごく短い時間にしか見ることができない空の色です。

 鮮やかなオレンジや赤は誘目性が高く、看板などに取り入れるのに適しています。セブン-イレブンの店舗の外装には、無意識のうちに店内に入りたくなる色が取り入れられているのです。

 また、セブン-イレブンのロゴなどに使われる「白、オレンジ、白、緑、白、赤、白の7本のストライプ」は、2017年3月1日、日本で初となる「色彩のみからなる商標」として認められました。

 色彩のみからなる商標は、文字や形状によらず、特定の色を特定の企業が独占できる強い権利を与えるものなので、消費者にしっかり受け入れられていることを立証する必要があります。

 セブン-イレブンが第1号店をオープンしたのは、1974年5月。フランチャイズ方式によって全国展開を推し進め、2018年9月末の時点で、国内の総店舗数は2万店を超えます。誰もが知っていることは、色彩のみからなる商標に必要とされる条件の1つでしょう。

1年で2億ドルを稼ぎ出したGoogleの青とは?

 Googleで検索すると、検索結果のページには、テキストリンクが青、URLが緑、本文が黒で表示されます。

 Googleは、ユーザーの閲覧データをもとに、ユーザーの関心や趣味嗜好(しゅみしこう)をつかみ、質の高い広告枠を広告主に販売しており、これらの広告収入が、Googleの売上の約9割を占めています。

 Googleでは、テキストリンクをどのような青にすると利益につながるのかを明らかにするために、自社のビッグデータを分析し、「利用者のクリック数を最大化できる最高の青色」を突き止めました。この青を採用したことによって、Googleの広告収入は1年で2億ドル(およそ240億円)増加したと言われます。

 Googleは検索結果のページに表示されるテキストリンクの青を41パターン用意し、ユーザーを振り分けて、ユーザーの行動データを分析しました。

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ユーザーは色によって行動を変える
(© Dmitry Nikolaev - Fotolia)

 これは、「A/Bテスト」と呼ばれるウェブマーケティングの手法で、A案とB案から得られたデータを比較し、好ましい成果を得られた方を採用します。2008年のアメリカ合衆国大統領選挙では、オバマ陣営がこの方法を活用し、200億円の資金を集めました。

 2016年には、複数のユーザーがGoogle検索のテキストリンクが黒になった様子をとらえたスクリーンショットの画像をSNSに掲載しており、Googleは適宜、「A/Bテスト」を行っているのではないかと考えられています。

 テキストリンクの色は青が一般的ですが、ほかの検索エンジンで表示されるテキストリンクの青とは、微妙に色が違っています。テキストリンクが青でないウェブサイトもたくさんあります。

 Googleの青は、Google検索に最適な青であって、あらゆるサイトに最適な青というわけではありません。また、パソコンで最適とされた青が、スマホでも最適なのかなど、検討すべき事柄はたくさんあります。

 たとえば、パソコンは、マウスオーバーでテキストリンクに下線が表示されるようになっており、ユーザーは下線の有無によって、直感的にクリック可能なエリアだと認識することができます。しかし、スマホでは、ユーザーが画面をタップするようになっており、マウスオーバーという事前情報がなくても、どのように操作すればよいのかがわかるインターフェースのデザインが求められます。

 Googleは、テキストリンクの色によって、クリックやタップする確率が異なることを示しました。色には人の行動に影響を与える力があることが明らかになったのです。

【次ページ】「もう1枚」「もう1杯」は色と光のせい

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