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  • 2019/03/13 掲載

集中力を高める「赤」、アイデアを引き出す「青」、仕事で「色」を使う方法とは

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人は色からさまざまな影響を受けます。『人を動かす「色」の科学』の著者である松本英恵氏に、前回はブランドが色を用いて人を引き付ける仕掛け、そして身近なアイテムに固有の色が使われるようになった経緯などを解説してもらいました。今回は色づかいを工夫して仕事を効率化させる方法や、プレゼンで有効な色の使い方などを解説してもらいます。

カラーコンサルタント 松本 英恵

カラーコンサルタント 松本 英恵

2003年より、フリーランスのカラーコンサルタントとして活動。2005年、総合情報サイト「All About」にてカラーコーディネートガイドに就任。同サイトの900名を超えるガイドの中で読了率1位を誇る(2016年)。他にも雑誌など多数のメディアで活躍。また、売る側、買う側の気持ちがわかるカラーとイメージのエキスパートとして、「似合う色」「売れる色」「心をつかむ色」をテーマに、研修講師としても活動している。九州大学大学院芸術工学府デザインストラテジー専攻修士課程修了(2008年)

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仕事を効率化させるための色づかいとは
(© REDPIXEL - Fotolia)

集中力を高める「赤」の使い方

 多くの調査で、赤は脈を速くし、呼吸頻度を上げ、脳波のアルファ波を減少させ、脳幹が覚醒することが確認されています。

 信号機の「止まれ」が赤になったのは、危険に備えて緊張を高めるからではないかと言われています。

 このように赤は集中力を高めるとともに、短期記憶を促進します。商談や会議で重要なメッセージを伝えたいとき、赤を上手に取り入れることができれば、きちんと正確に理解してもらえる確率が上がります。

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 たとえば、具体的なデータや詳細なスペックを示して相手を説得したいときは、プレゼンの画面や配布資料に赤を使うとよいでしょう。

 相手に覚えてもらいたい数字を赤にしたり、データやスペックを示す直前の画面で背景を赤にしたり、赤の使い方によって、相手の注意を引きつけ、細部にまで視線を配るようにうながすことができるからです。

 赤は、高い集中力を要する細かい作業にも適しています。仕事場のインテリアに赤を取り入れたり、作業に使うパソコンの画面の背景を赤にしたり、視界に赤が入るようにするだけで、高い集中力を保ったまま作業を続けることができます。

 とはいえ、集中力が持続する時間には限界があるので、適宜休憩を取ることが大切です。

 一般的に集中力が持続するのは、45分程度と言われています。休憩室にリラックス作用に優れた青や緑を取り入れるなどして、くつろげる環境を整えておくとよいでしょう。

 このように、赤、青、緑などと視界に入る色を変化させると、そのあとに赤いものを見たとき、その集中力を高める効果がよりいっそう強く感じられるはずです。

 このように、赤は緊張をうながし、集中力を高める効果に優れていますが、赤を見ると原始的な知能が優勢になり、論理的な思考能力は低下します。そのため、熟考を要する場面で、赤を使用するのは控えた方がよいと言われます。

 その一方で、思ったことを気後れせずに発言するようになるので、率直な態度で意見を出し合うことができれば、お互いの人間性を知る格好の機会となるかもしれません。

 アイデアを出し合うブレーンストーミングにも適していますが、実用的で堅実なアイデアに偏りがちで、創造性に富んだアイデアは出にくいとも言われます。このように色の力は万能ではなく、一長一短があります。

アイデアを引き出す「青」の使い方

 赤とは対照的に、青は脈拍や呼吸数を減らし、動脈圧を下げ、リラックスした状態へと導きます。これに適しているのは、単純作業です。

 パソコン画面の背景色を変える実験でも、仕事の進み方に影響を与えることが明らかになっています。入力作業を行うとき背景を青にすると、いつもより早く終わるかもしれません。

 ただし、青は元気なときはよいのですが、気分が落ち込んでいるときは、その鎮静作用が強く働き、活動レベルが下がりすぎてしまうことがあります。

 そんなときにおすすめしたいのは、パステルカラーのような淡くて明るい色です。パステルカラーの中でも、黄緑、青緑、ピンクの3色は、リラックス作用に優れており、認知機能を高め、作業の効率を引き上げます。

 人はリラックスした状態になると、想像力が高まります。

 たとえば、企画会議に出席するときは、パソコンの画面の背景を青にしたり、メモを取るペンの色を青にしたり、視界に青が入るように工夫してみましょう。直感がさえて、創造性に富んだアイデアが湧いてきます。

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視界に青が入ることによって、創造性に富んだアイデアが湧いてくる
(© Monet - Fotolia)

 前述したように、パステルカラーの黄緑、青緑、ピンクにも同様の効果があります。その日の調子によっては、青の代わりにこれらの色を取り入れると、もっと素敵なアイデアがひらめくかもしれません。

 グループディスカッションでは、パステルカラーの付箋にアイデアを書き出し、ペタペタと貼る手法がよく使われます。パソコンやスマホで使えるメモアプリにも、付箋のような体裁のものがあり、好みの色に変えることができます。これらのツールの色は、実は理にかなっているのです。

【次ページ】お手本はカジノ!駆け引き上手な「緑」

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