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  • 2020/06/30 掲載

オンラインセミナー(ウェビナー)配信・撮影のヒントや事例まとめ

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新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、「オンラインセミナー」「ウェビナー」といったセミナー・展示会などのイベントをオンラインで動画配信する手法が一層の注目を集めています。動画配信にもさまざまな方法やツールがあり、どのように実施すべきかで悩んでいる企業も多いのではないでしょうか? 本記事では、オンラインセミナーを成功させる7つのポイントを紹介します。

ブライトコーブ マーケティングマネジャー 大野耕平

ブライトコーブ マーケティングマネジャー 大野耕平

大手独立系slerにてソリューション営業を10年経験後、2016年にブライトコーブ入社。3年間の営業を経験した後、2019年より現職。さまざまな角度で、企業における動画活用の啓蒙に注力し、さまざまなイベントやメディア取材で講演。また、日本における大企業内での社内広報や従業員エンゲージメントにおける動画活用の提案も多数実施している。

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コロナ禍で注目度上昇、セミナー・展示会の動画配信を成功させるポイントとは?
(Photo/Getty Images)

1. オンラインセミナーの参加者を離脱させないためには

 来場者を集めるオフラインセミナーに比べて、オンラインセミナーは参加者が離脱することが容易であるため、視聴を継続してもらうための工夫が必要となります。

 動画制作や動画メディアコンサルティングを手掛けるVIDWEB(ビッドウェブ) プロデューサーの大沼太郎氏は、オンラインセミナーにおける事前準備と撮影中の注意事項、そして撮影手法が重要になると説明しました。

 たとえば、事前準備としては、内容の要件整理や読み原稿の作成、リハーサルの必要性を指摘しています。講演と同じ時間を測って声を出してリハーサルすることで、ポイントを絞った内容を訴求でき、また、撮影中は姿勢を正して可能な限りカメラ目線で表情に変化をつけることが大切だと強調しました。

 オンラインセミナーではモニター越しとはいえ、むしろ会場でのリアルなセミナー以上に視聴者が講演者を間近に捉えられます。それだけに自信のない声や態度は禁物です。

2. 機材と講演テクニックの相関関係

 また、オンラインセミナーを検討する上で重要なポイントには「撮影手法」があります。大沼氏は撮影の手法を 1カメ型、 複数カメラ型、編集型に分類。それぞれの手法に必要な機材や特徴、講演者の負荷を以下のように説明します。

<1カメ型>
機材:カメラ1台、音声収録機器
特徴:低予算で撮影可能だが、動画が単調なため長時間の視聴には不向き
講演者の負荷:講演者のプレゼン能力により映像の出来が左右される

<複数カメラ型>
機材:カメラ2台以上、音声収録機器、スイッチャー
特徴:複数のカメラで画面を切り替えるので、動画に変化があり、 長時間の視聴にも対応可能
講演者の負荷:画面の切り替えがあるため、 1カメ型よりは講演者の負担が軽減される

<編集型>
機材:カメラ複数台、音声収録機器、スタジオ、編集
特徴:撮影後に編集を行うので、視聴しやすい動画になる。 動画コンテンツとして二次利用しやすい
講演者の負荷:編集を行うため、講演者のプレゼン能力にほとんど左右されない

 動画を作り込むほど多くの機材が必要になり、コストも手間もかかります。逆に1カメ型のシンプルな形式であれば手間とコストを抑制できますが、動画のクオリティは講演者のテクニックに大きく左右されます。

 特にライブ配信においては、視聴者の注意を惹きつけるトーク力が重要となります。その上で、大沼氏はそれぞれの撮影方法と必要な要素の相関関係を以下のように図解しています。

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撮影手法が複雑になるほど、長時間の視聴に耐え得るクオリティとなる。講演者の負担は軽減するが、反比例して制作費用は高くなる

 「慣れないうちはオンラインセミナーのハードルを高く感じがちですが、セミナーの動画化にはさまざまなメリットがある」と大沼氏は語ります。オンラインセミナーを記録として残すことで、後日、申込者に別途配信することや、社内研修に再活用することもできます。

 また、マーケティングコンテンツとして自社のWebサイトに掲載することや、ダイジェスト動画をSNSで案内し集客につなげることも可能です。視聴者にとって内容の価値が高いものであれば、有料コンテンツとしてマネタイズするという手法も考えられます。

「動画化することで多様な活用方法があるにもかかわらず、セミナーを一度きりのコンテンツとして捉えるのはもったいない」(大沼氏)

3. ビジネスユースならではの動画配信手段とは

 続いてブライトコーブでマーケティングを担当する本記事の著者、私大野耕平から「効果的なセミナー系動画の制作手法」を解説します。

 YouTuberやInstagramerなどのインフルエンサーがライブ配信を積極的に利用していることから、ライブ配信は手軽に実施できると思われがちです。しかし、ライブ配信を気軽に考えてしまい、思わぬ落とし穴により配信トラブルにつながるケースが多々見受けられます。

 ライブ配信が何かしらの理由で予定通りに配信できないことは、視聴者を落胆させるだけではなく、場合によっては謝罪や返金につながる場合もあります。ライブ配信にはネットワークのみならず、カメラやマイクなどのハードウェア、配信システムやエンコーダーなどのソフトウェアが1つでも正常に動作しなければ配信できないというリスクがあります。

 このようなトラブルを回避するために、ビジネスユースにふさわしいオンラインセミナーの配信方法を選択する必要があります。

4. 動画配信の方法は、何を伝えたいかで変わってくる

 動画配信の種類は大きく分けて「オンデマンド配信」「ライブ配信」「リニア配信」の3種類があります。

 オンデマンド配信は、NetflixやAmazon Primeのようなサービスに代表される配信方式です。視聴者は自身の都合に合わせて動画を視聴できます。

 ライブ配信は、生中継を意味します。撮影と配信を同時に行う手法で、視聴者は配信者が指定した時間のみ動画を視聴することができます。国内ではDAZNがサッカーJリーグの試合をインターネット上でライブ配信していることで有名です。

 リニア配信はライブ配信に似た配信方式で、Abema TVで採用されています。あらかじめ録画した動画を編成しリアルタイムで配信する方式で、ライブ配信と同様に視聴者は配信者が指定した時間のみ動画を視聴可能です。

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動画配信の方法を、それぞれを採用している配信メディア。ひとくちに動画配信といっても、さまざまな手法がある

 セミナーや展示会の動画を配信する場合、最初に検討すべきポイントはライブ配信が本当に必要であるかという点です。

 セミナーや展示会のオンライン化は、ライブ配信のイメージが先行しがちですが、ライブ配信には上述したようにさまざまなリスクがあります。それらをカバーするためにリソース・コストが必要になります。

 対して、事前に撮影した動画をオンデマンド配信やリニア配信にするのであれば、リスクをいくらか軽減することができます。登壇者や構成の都合上、どうしてもライブ配信が必要な場合もあると思いますが、これらの配信方式を組み合わせることを推奨します。

 たとえば、登壇者の講義動画は事前に撮影した映像をリニア配信で行い、質疑応答やパネルディスカッションなどはライブ配信で臨場感を高める"良いとこ取り”も可能です。

【次ページ】伝えたい内容にフィットした配信方法の選択が重要

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