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  • 2020/09/26 掲載

「好きな人とだけつながる」で本当に大丈夫?急増のオンラインイベントに新たな課題

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オンラインで開催されるイベントやコミュニティが急増している。地理的ハードルがなくなり時間的ハードルも低くなったが、今新たな課題もオンラインイベント/コミュニティで発生しているという。「コミュニティの可能性」をテーマに、SMALL STANDARD SHIBUYA Co-Founderの金川暢宏氏、ブレインパッド リードデータサイエンティストの吉田勇太氏、Peatix Japan コミュニティマネージャーの滝沢光氏が登壇。コロナ禍による変化とその後について意見を交わした。メインファシリテーターは外務副大臣の鈴木 馨祐(けいすけ)氏が務めた。
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ゲストはSMALL STANDARD SHIBUYA 金川暢宏氏(中央左)、ブレインパッド 吉田勇太氏(中央)、Peatix Japan 滝沢光氏(右下)。
メインファシリテーターは外務副大臣 鈴木馨祐氏(左下)、サブファシリテーターはタレント 黒田有彩氏(中央右)、イグニション・ポイント 太田千晶氏(右上)

※本記事は2020年6月4日開催「コロナ禍での空間の変化(主催:イグニション・ポイント)」の講演をもとに再構成したものです。

オンラインでは「アジェンダのある会話」に終止する

外務副大臣 鈴木馨祐氏(以下、鈴木氏):新型コロナが国内で特に大きくはやりだしたのは3月以降ですが、イベントの集客や開催自体にはどのような影響があったのでしょうか。

ブレインパッド 吉田勇太氏(以下、ブレインパッド吉田氏):僕たちが開催している「白金鉱業Meetup」という月に一度平日の仕事終わりに行っていた技術者向けの勉強会は、新型コロナ流行の直前までは多いときで150名くらいの方々に集まっていただいていました。しかしオフラインイベントだったため、新型コロナの感染拡大に伴い開催自体ができなくなってしまいました。

Peatix Japan 滝沢光氏(以下、Peatix滝沢氏):オフラインのイベントを開催するのは難しくなってしまいましたね。 Peatixにも大きな変動があって、もともとはリアルイベントの開催告知が98%を占めていたサービスでしたが、2月の東京マラソンの一般参加が中止になったあたりから、リアルイベントの開催がほとんどなくなってしまった。

 ただ、その後3月の後半あたりからオンラインイベントへのシフトが始まり、実はリアルイベントが中心だったころよりも今のほうがイベント数も集客数も多い、というのが現状です。実際の数でいうと、常時4000件以上のオンラインイベントがPeatixに掲載され、週に8万5000人近くの方々がイベントに参加しています。新型コロナ以前は週に5万人ほどの利用者だったので、大きな増加です。

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セッション内容のグラフィックレコード(1)

SMALL STANDARD SHIBUYA 金川暢宏氏(以下、SHIBUYA金川氏):僕たちが開催している「SMALL STANDARD SHIBUYA」も、今はオンラインで開催しています。ただ、そこでやっぱり課題もあります。

 たとえば昨年末まで「渋谷区100人カイギ」というオフラインイベントを開催していたのですが、そこでは、たまたま出会った人と話したりするような“不確実な出会い”がありました。その場にいる初対面の人と話して、思ってもみなかったようなことに興味を持ったりする機会です。ですが、オンラインだとどうしてもアジェンダのある会話になってしまい、 この不確実性が生まれにくい。オンラインでどうやって人と人とのつながりを生み出していけばいいのだろう、と最近よく考えています。

オンラインで生まれる信頼関係とは

ブレインパッド吉田氏:不確実な出会いを生み出すという点では、たとえばZoomなど雑談を生み出すような環境をデジタルで作り出すものはいくつかあります。ただ、それがうまく機能しているとは言えない。雑談はオフラインだからこそ偶然的に起こるのだな、というのを改めて実感しています。

 一方で、デジタルツールを通して信頼関係を築くことも考えています。僕は今Podcastで「白金鉱業FM」というタイトルで定期的に配信をしているのですが、そこに1つの手応えを感じています 。これはオフラインのイベントでやっていたようなことをデジタルでできないか、と思って運用をしているものです。

 具体的には、最近のコミュニティ参加者や同業の人たちと最近の技術トピックについて語ったり、オフラインでは呼べないような著名な技術者の方を招いてインタビューしたり、後は雑談を流したりしています。そうすると、聴いているほうはなんだかイベントに参加しているような気分になるかもしれない。僕たちの雑談を聴いてパーソナリティーを知ることで、「あのPodcastを配信している人ですよね?」と初対面の方に言われたりして、知らないうちに信頼関係が築けていたりする。この不思議な感覚を体験したことで、僕は個人的にPodcastに注目しているんです。

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セッション内容のグラフィックレコード(2)

鈴木氏:なるほど、オンラインイベントの課題をPodcastという新たな形のコミュニケーションで乗り越えようとしているんですね。

ブレインパッド吉田氏:そうですね。コミュニティメンバーとの信頼関係はもちろん、もしかしたらコロナが収束してイベントが開催できるとなったときに、Podcastを聴いていたリスナーの方々が「じゃあ、リアルのイベントも行ってみようかな」となるかもしれない。コロナでオフラインイベントが開催できない今、そういう状況下でもコミュニティを醸成していく手段として試しています。

【次ページ】改めて見直される地域コミュニティ

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