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  • 2020/12/07

2021年の戦略的テクノロジーのトップ・トレンド10、ガートナー ブライアン氏が解説

新型コロナの発生により世の中は大きく変わった。この変化の大波を乗り越え、次なる成長軌道を描くために、CIOにはシステムの的確な変革のための指揮能力が求められている。ガートナーでは、そこでの利用加速が予想される技術を「People Centricity(人中心)」「ロケーションの独立性」「レジリエンスの高いデリバリ」の3つの角度から分類し、「2021年の戦略的なテクノロジートレンド」として発表。Gartner Research Vice Presidentのブライアン・バーク(Brian Burke)氏が、そこで挙げられた10の技術について詳しく解説した。

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2021年の戦略的テクノロジーのトップ・トレンド10
(出典:ガートナー)

動的改革に向け3つの側面から新技術の利用が加速

「新型コロナにより2020年は有史以来の激変の年として今後、語り継がれていくことだろう。この変化の大波の中にあって、CIOには企業組織の存続に向けたコロナ後の世界への動的改革を、ITで牽引することが急務となっている」

 こう強調するのは、「Gartner IT Symposium/Xpo 2020」に登壇したGartner Research Vice PresidentのBrian Burke氏だ。ガートナーでは、そこで利用が加速すると予想される技術を、「2021年の戦略的なテクノロジートレンド」として3つの側面から取りまとめている。

 最初の切り口は「People Centricity(人中心)」だ。Burke氏がまず提示した技術が、人の行動変容を促すための「振る舞いのインターネット」である。これはセンサーやデバイスからの個人に関する行動データの収集、各種分析処理、結果の本人への通知、の3つの機能から成る。

「データ収集に主眼に置かれていたIoTに、収集対象へのフィードバックが加わったことがポイントだ。これにより、人の行動変容に加え、自動運転車での燃費向上に向けたドライバーへのアドバイスなど、新たな付加価値提供も可能になる。2025年末までに世界人口の過半数が、少なくとも1つの振る舞いのインターネット・プログラムの対象となるはずだ」(Burke氏)

 次が、顧客と従業員の双方の体験を結び付け、最適化する「トータル・エクスペリエンス(TX)」だ。従来からのマルチエキスペリエンス――多様なデジタルデバイスによる顧客体験の最適化――の対象を従業員まで拡張し、多様なデジタル・タッチポイントで収集されたデータを基に、シームレスな顧客対応と業務効率化、安全につなげる。

 人中心の技術の最後が、複数組織間でプライバシーデータを共用し活用するための「プライバシー強化コンピュテーション」だ。鍵を握る技術が、特定の個人データがDBに含まれるか否かの、加工データからの判別を困難にさせる「差分プライバシー」や、秘密鍵を持たずとも、公開鍵を使って暗号文のままの計算処理を可能とする「準同型暗号」などである。

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図1:センシティブなデータの安全な共用に向け、「セキュア・マルチ・パーテョン」「ゼロ知識証明」などの利用も広がりも確実視されている
(出典:ガートナー)

分散クラウドで帯域やレイテンシなどの課題も解消

 2つ目の切り口が「ロケーションの独立性」だ。挙げられたのは、リモートチャネルが加速する中でのビジネスモデルの変化対応に向けた2つの技術である。

 まずは「分散クラウド」だ。クラウドはIT利用で場所の制約を解消する策だが、分散クラウドによるDCの拡散により、帯域やレイテンシなどの大幅な緩和が見込まれる。

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図2:オンプレミスやエッジ、都市、5G、ネットワークなど、クラウドは今後、多様な形での分散が急速に進む
(出典:ガートナー)

「オンプレミス・パブリッククラウドと、IoTエッジ・クラウドはすでに大手ベンダーが提供を開始している。対して、都市エリアのクラウドや、5Gサービスに含まれるクラウド、ネットワークと統合したクラウドはいまだ未成熟だが、ニーズの盛り上がりを受け近い将来の立ち上がりは間違いない」(Burke氏)

 Burkeによると、分散クラウドには2つの未来が考えられるという。ベンダーによる豊富なクラウド・エコシステムの一気通貫の提供と、オンプレミス向けの多様なクラウドベンダーによるサービスの提供だ。前者ではベンダーによる囲い込み、後者では自社による運用管理がそれぞれ課題となる。


 次が、いわゆるゼロトラストネットワークを拡張させた「サイバーセキュリティ・メッシュ」だ。サイバーセキュリティ・メッシュでは、ゼロトラストネットワークのIDによるセキュリティ確保だけでなく、IDに付随する各種のデータも利用しつつ多様なデバイスの分散クラウド環境でのシームレスで安全なアクセスを実現する。ガートナーは2025年までに、サイバーセキュリティ・メッシュがアクセス制御の半分以上を処理するようになると見る。

「すでにクラウド間接続のために、このコンセプトに基づく機能が利用され始めている。長期的にはIoTデバイスのリアルタイムでのアクセス制御でも用いられることになるだろう」(Burke氏)

 分散配置されたデジタル資産の活用ニーズの高まりが、サイバーセキュリティ・メッシュの普及の原動力となっているという。

【次ページ】IT基盤のレジリエンス向上に向けた最新のアプローチ

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