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  • 2021/09/03

アイリスオーヤマやコカ・コーラ、ボッシュが語る「調達DX」、製造業3社は何に注力したのか

デジタルトランスフォーメーション(DX)の先進企業は、コロナ禍をはじめとするビジネス環境の変化にいかに対応し、どのように変革に取り組んでいるのか。ボッシュ グローバルビジネスサービス事業部 副資材購買部 エキスパート兼マネージャーの馬目 悠司氏、アイリスオーヤマ 代表取締役社長の大山 晃弘氏、コカ・コーラボトラーズジャパン 調達本部 インダイレクト調達統括部 調達統括部長の角田 隆明氏ら日本を代表する製造業3社のキーパーソンの自社の取り組みから探る。モデレーターはアマゾンジャパン Amazonビジネス事業本部 製造営業部 マネージャーの亀和田 優太氏。

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アイリスオーヤマやコカ・コーラ、ボッシュは、どのように変革を実現したのか
(出典:Amazon Business Exchange 2021)
※本記事は、アマゾンジャパンが2021年7月に開催したオンラインイベント「Amazon Business Exchange 2021」での講演内容をもとに再構成したものです。一部の内容は現在と異なる場合があります。肩書は当時のものです。

日本企業の9割以上がDXに着手できていない?

 ビジネスのデジタル化が進展する中で、DXに取り組み、新たなビジネスを生み出すことを課題とする企業が増えているといわれる。では、実際に、日本におけるDXはどこまで進んでいるのだろうか。アマゾンジャパン Amazonビジネス事業本部 製造営業部 マネージャーの亀和田 優太氏は、経済産業省が2020年12月に発表した中間報告書「DXレポート2 中間取りまとめ」の内容を引用して説明した。

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アマゾンジャパン
Amazonビジネス事業本部
製造・自動車営業部 部長
亀和田 優太氏

 同報告書によると、経産省の指標を基に各企業が自社のDXの状況を自己診断した結果、約95%の企業が「全く取り組んでいない」「取り組みはじめたばかり」だということが分かったという。

 亀和田氏は「DXの重要性が認識されているにもかかわらず、自主的に診断結果を提出した企業でさえ、実際の取り組みは進んでいないのが現状。そもそも、多くの企業がこの診断さえ知らないという状況ではないか」と指摘した。

 また、同報告書では、DXに取り組み始めている企業が自社の状況をどう評価しているかについては「他社と比べてあまり進んでいない」と回答した企業が半数以上に上った。この結果を受け、亀和田氏は「多くの日本企業におけるデジタルの活用は、現在のビジネスモデルの延長として、部分的な活用に留まっているようだ。DXが本来意味する『変化・変質』を実現するまで、企業の認識や取り組みが進んでいないように見える」との見解を示した。

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日本企業の95%がDXへの取り組みを本格化できていない
(出典:イベント資料より)

 その上で、亀和田氏は「今回登壇した3社は、Amazonビジネスとともに変革を進めている先進企業」として、アイリスオーヤマやコカ・コーラ、ボッシュを紹介した。この製造業3社は実際、どのように変革に取り組んでいるのか。

アイリスオーヤマの変革を成功に導いた2つの要因

 プラスチックの生活用品を手がけていたアイリスオーヤマは、家電業界への参入を皮切りに業容を拡大し。最近ではサービスロボットやAIサーマルカメラなどの事業にも参入している。アイリスオーヤマ 代表取締役社長の大山 晃弘 氏は「今、日本は、コロナウィルスの感染拡大を含め、激動の時期を迎えている。変化が進むと同時に多様化も進んでいる状況だ」と述べた。

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アイリスオーヤマ
代表取締役社長
大山 晃弘氏
(出典:Amazon Business Exchange 2021)

 同社は「常に変化があるところビジネスチャンスあり」を社是に、変化を前向きに捉えようと取り組んでいるという。特に「購買・販売の変革については、EC販売のさらなる強化に注力しており、ECに向けたサービス、商品開発を加速させようとしている状況」と説明した。

 また、亀和田氏から「東日本大震災時のLEDライトの開発や、コロナ禍での不織布マスクの開発にいち早く着手した経緯」を問われた大山氏は「2つのポイントがある」とした。

 1つ目は「余裕を持つ」ことだ。「生産性を追い求めるよりも、ある程度の無駄を残しながら、人的リソースや設備の余剰リソースを抱えることで、何か大きな変化があるときに素早く対応できるようにしている」(大山氏)という。

 2つ目は「情報の共有化」だ。従業員の日報をデジタル化し、すべての日報データをオンラインで閲覧可能にしている。また、メール中心のコミュニケーションをビジネスチャットなどにシフトし、関係者全員がやり取りの経緯を可視化できるようにした。大山氏は「スピーディに情報共有することで、何か変化があったときに全社でその方向に注力する体制を構築している」と語った。

 体制整備と併せて「開発者や事業企画者が1ユーザーとして商品を考える」という組織文化がある。大山氏は、それがユニークな商品開発につながっていると自負する。特に最近は「ECを通じて顧客データを取得・分析することで、顧客ニーズに合致した商品づくりを進める土台が整いつつある」という。

コカ・コーラグループが組織変革同時に進めたシステム統合とは

 コカ・コーラボトラーズジャパンは、コカ・コーラなどの清涼飲料の製造・販売を手がける企業。グループ内で段階的に統廃合を進め、全国に十数社あった企業体を現在の組織体制に変更している。

 コカ・コーラボトラーズジャパン 調達本部 インダイレクト調達統括部 調達統括部長の角田 隆明氏は「さまざまなバックグラウンドを持った従業員がいるという多様性が、自社の特徴でもある」と説明する。そうした特徴は、各業務プロセスにも現れている。統合前の各社各様のやり方が背景にあるとの見解を示す。

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コカ・コーラボトラーズジャパン
調達本部 インダイレクト調達統括部 調達統括部長
角田 隆明 氏
(出典:Amazon Business Exchange 2021)

 同社では業務プロセスの効率化に着手し、購買システムの更新に取り組んできた。その結果、コロナ禍の2020年にクラウド型調達・購買システム「SAP Ariba」を全社導入した。

 角田氏によると、現在の企業体となる以前は「何を、どこで、どの会社から、どの程度購入したか」というデータについて「社内に保管されてはいるものの、保管場所やデータ取得の方法もばらばらな状況だった」という。業務システムの統合によって「データを可視化したことで、購買のあり方や取引先との調達交渉の戦略をデータを軸として考えることが可能になった」という変化を語る。

【次ページ】ボッシュが購買・調達プロセスの一元化に成功した理由

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