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  • 2021/10/26

「合わないチームはいっそ物理的に離そう」著名人事らが回答する組織の悩み相談

ティール組織やジョブ型採用が注目される中で、多種多様な組織の形が生まれていが、その一方で、組織の悩みもさまざまなものが生まれてきている。そこで、サイバーエージェント常務執行役員CHO曽山 哲人氏、スープストックトーキョー取締役副社長兼人材開発部長江澤 身和氏、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス 人事総務本部長 島田 由香氏の3名がセッションに寄せられた現場の悩みに答えた。ファシリテーターはHARES/CEO 副業研究家 HRマーケター西村 創一朗氏が務めた。

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HARES 西村 創一朗氏、サイバーエージェント 曽山 哲人氏、スープストックトーキョー 江澤 身和氏、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス 島田 由香氏

叱るときは「ワンメッセージ」で「ポポネポ」を心がける

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HARES/CEO 
副業研究家 HRマーケター
西村 創一朗氏
西村 創一朗氏(以下、西村氏):お悩みを読んでいきます。「上司、リーダー側がメンバーとの関係性の悪化やパワハラ対策、多面評価を気にし過ぎていて、本来言うべき、叱るべきタイミングで引いてしまい、責任放棄とも取れるコミュニケーションロスが生じている場面によく遭遇します」という相談ですね。曽山さんはそういった状況を目の当たりにしたことはありますか?

曽山 哲人氏(以下、曽山氏):ありますね。創業間もないころのサイバーエージェントには、上司が部下を激しく詰めるような文化がありました。そこから「褒めることが大事だ」という方向性へと転換した時期があります。そうすると今度は叱れないマネージャーというのが増えたのです。ただ、ここで大事なのは、あくまで目的は叱ることではなくて成果を出すことである、という点です。つまり、叱れないことが悪いということではありません。成果を挙げる上で障害になっている管理職を見つけ、「なぜ彼らのチームは成果が出せていないのか?」と要因を分析してアプローチすることが人事として大切です。

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サイバーエージェント
常務執行役員CHO
曽山 哲人氏
 他にも叱ることと褒めることをセットにしたワークショップなども行いました。ここで具体的なメソッドを1つ紹介すると、「ワンメッセージ」という方法があります。人は怒っていると、相手に対して言いたいことが色々と頭に浮かんできますが、その中から業績や部下の成長に最もつながること1つを選んで30分から60分の面談はそれだけについて話をする。そうすると論点の絞り込みができて、対話が進みます。

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ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス
人事総務本部長
島田 由香氏
島田 由香氏(以下、島田氏):ワンメッセージは大切ですね。ただ、伝え方にもポイントがあって、私はいつも褒めたり叱ったりするときのポイントを「ポポネポ」という形でお伝えしています。ポジティブ心理学でいうと3:1の法則というのがあります。良いこと3つ、良くないこと1つ、その伝え方にも順番があって、ポジティブ、ポジティブ、ネガティブ、ポジティブの順に言うのが大切なので、ポポネポです。ワンメッセージは大事なんだけど、いきなりそのことについてわーっと言うんじゃなくて、いつもこういうこと頑張っているよね、すごく良かったと思う、でもこういうことに気づいたんだよ、でもこれを直せばもっといい状態になれると思うから、という風に、伝えると、本人への効果も高いとわかっています。

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スープストックトーキョー
取締役副社長兼人材開発部長
江澤 身和氏
江澤 身和氏(以下、江澤氏):まさに私もポジティブに伝えるというのは実践していて、社内でもポジティブフィードバックというのをやっています。いいことを先に伝えて、もっと良くなるためにこうしてみよう、と。最初に指摘から入っちゃうと相手もバリアを張ったり敵対心を持ってしまったりするので、最初にポジティブなことをフィードバックしていますね。まさに「ポポネポ」を私たちも大事にしている。

革新的なメンバーと保守的なメンバーとの隔たりをどうする?

西村氏:次の質問です。「老舗と言われる企業ですが、既存事業を軸としながらビジネスモデルを転換してきました。しかし、過去の功労者でもある保守的な社員と、ここ数年で入社してきた革新的な社員とで隔たりができています。会社への貢献度と待遇に差があるように思いますが、50代の社員に今さら“変われ”とも言えませんし、どうしたら良いでしょうか」ということです。

曽山氏:サイバーエージェントは広告営業から始まり、アメーバブログ(以下アメブロ)、そしてABEMAとビジネスモデルを変化させながら成長を続けてきました。アメブロを始めた当初は、広告のセールスを行っているネクタイ・スーツ姿の営業部隊と、ブログの開発を行っている半袖・短パンのITエンジニア部隊が同じオフィスに混在していました。当時アメブロなどのメディア事業は赤字だったので、広告事業で働く社員からすると自分たちが稼いだお金を使われ、しかもラフな服装をしているメディア事業の社員の姿につい腹が立ってしまうわけです。

 そこでの藤田(晋社長)からの指示は、「オフィスを分けよう」というものでした。メディア事業は別のオフィスビルに移り、物理的にお互いの姿が見えなくなりました。混ぜようと思っても混ざるものではないから、独立して良いチームを作ったほうが良い、という判断です。

 そうすると「一体感が作れなくなるじゃないか」という意見もあるかもしれませんが、やはり組織の規模が大きくなったら一体感なんてそう簡単に作れません。小集団を作って、その中でチームを作るほうが熱量の高さは作りやすい。ただし、共通言語のビジョンと価値観は守ってもらう。このような解決方法もあると思います。

江澤氏:スープストックトーキョーがスマイルズから分社した理由の1つにもそのような側面があります。スマイルズが既存のブランド事業(実業)とは別にクライアントワークを中心とした新規事業に取り組み始める中で、事業ごとのフェーズによってスタッフに求めることにも違いが出てきます。どうしても事業部間でのスタッフの温度差なども出てくるので、分社することで分母を小さくし、それぞれのチームで改めてビジョン・ミッションを共有することを大事にしました。

島田氏:別の角度から、この問いを見たときに私が思ったこととして、50代の社員が変われないと思っていることを否定したいですね。人はいつからだって変われる。それを、特に人事なら信じてほしい。質問者さんを否定したいわけではなく、もし無意識に「ベテラン社員は変われない」と考えてそれが言葉に出ているとしたら、気づいてほしいと思いました。

【次ページ】メンバーが会社の目標を「自分ごと」と捉えるには

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