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  • 2022/03/22 掲載

【19のグラフ】自動車幹部1000名調査に見るEVシフトや自動運転、日本の課題とは?

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100年に1度という大変革期にある自動車業界。2035年に控えた欧州のガソリン車販売規制までもう待ったなしだ。しかし、ガソリン車に代わって電気自動車(EV)はいつまでに、どれくらい普及するのだろうか? また普及を阻んでいる課題とは何なのか。31カ国1118人の自動車業界のエグゼクティブ、日本の消費者5260名に調査を実施したKPMGジャパン モビリティ研究所所長 小見門恵氏が解説した。

執筆:フリーライター 吉見 朋子

執筆:フリーライター 吉見 朋子

テックビジネス系ウェブメディア、日本&海外スタートアップ取材、CEOインタビューなどを多く担当。元・富士経済リサーチャー。DX、SaaS、Fintechなどテクノロジーとビジネス領域での取材・執筆を得意とする。

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自動運転への新規参入、世界と日本の違い(後ほど詳しく解説します)
(出典:GAES2021,KPMGインターナショナル)

コロナ危機を経て自信をとり戻す自動車業界

 KPMGジャパンは、31カ国1118人の自動車業界のエグゼクティブ、日本の消費者5260名も対象にした「KPMGグローバル自動車業界調査2021」の結果を発表した。

 同調査で、自動車業界のエグゼクティブたちに今後5年間の収益見通しについて尋ねたところ、53%は成長を「確信している」と答えた。これは「懸念している」と答えた割合(38%)を上回る結果となった。

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自動車業界の収益性に対する見通し
(出典:GAES2021,KPMGインターナショナル)

 また成長を「確信している」の合計から、「懸念している」の合計を差し引いた数値を比較した場合、特に米国と中国はその差分がプラスに高く(米国37%、中国29%)、将来をポジティブに見ていることが分かった。逆に、フランスでは差分がマイナスとなった(-46%)。

 小見門氏は「フランスがネガティブな背景は、脱炭素社会に適応できるのだろうかというヨーロッパの不安感の表れだろう」と指摘する。

 さらに「次の危機や変革に対して備えができているか」という質問には、約半数が「かなり、または十分に備えができている」と答えた(48%)。

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次の危機・破壊的変革に対する備え
(出典:GAES2021,KPMGインターナショナル)

EVシフトは「2030年までに約50%に達する」

 気になるEVシフトは、いつ頃になるのか。市場別にエグゼクティブたちに予想してもらった。「2030年までに新車販売のうちEV(HEVを除く)が占める割合は何パーセントになるか」を聞いたところ、日本(52%)、中国(52%)、米国(52%)、西欧(49%)はおよそ50%と高い数値となった。一方、ブラジル(41%)とインド(39%)はおよそ40%という結果となった。

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EV(HEV除く)の市場シェア
(出典:GAES2021,KPMGインターナショナル)

 これらの結果から、主要国の自動車業界エグゼクティブは「EVシフトは2030年までに約50%に達する」と見ていることが分かる。

 しかし、この数値には回答者によって30%ほどの開きがあり、見解に大きな差が見られた。期待値が含まれている可能性もあり、予想通りにいくかどうかははっきりしない。

 そこでもう少し、日本市場に絞って詳しくみていったという。すると、米国や欧州のエグゼクティブの見立てでは、2030年までに日本のEVシェアは「60%以上になる」と見る人が6割を超えたものの、日本や中国のエグゼクティブのうち「60%以上」と答えた人は4割程度にとどまった。

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日本におけるEVの市場シェア(HEV除く)
(出典:GAES2021,KPMGインターナショナル)

「日本市場のEVシェア予測値は、米欧メーカーが押し上げていると見ています。これは高級車を中心とした商品を展開する米欧からすると、自分たちのEVは日本の消費者に受け入れられやすいという読みが含まれているためでしょう。一方、日本と中国のエグゼクティブたちは日本市場のEV化はもっと緩やかで、保守的なものになると見ています」(小見門氏)

 同じことは日本消費者に行った調査からも裏付けられていて、「5年以内に新車を購入するとしたら、どのクルマを選ぶか」と聞いたところ、バッテリー式EV(BEV)を選んだ回答者の割合はわずか11%だった。

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日本におけるBEV浸透見通し、エグゼクティブと消費者との比較
(出典:GAES2021,KPMGインターナショナル)

 消費者がBEVを選ばなかった理由は、「充電インフラの問題」が最も多く(54%)、「価格の問題」がそれに続いた。77%の人が購入に「補助金が必要」と答えていて、EVエンジンのコストがICE(内燃機関)と同じになると見られていることを、大多数の日本の消費者はまだ知らないのだという。

 小見門氏は「日本でEVが普及するには、充電インフラがいっそう充実することと、補助金によるサポート、そして『EV車は高い』というイメージを払拭していくことが必要です」と述べた。

【次ページ】クルマのデジタル化ニーズは期待はずれ?

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