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  • 2022/03/31 掲載

マイクロソフトが「Web3」投資を加速。ブロックチェーン企業への投資や人材拡充へ

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メタバースに並んで日本でも話題になる頻度が増えている「Web3」。米国ではGAFAM企業による取り組みが加速しつつある。イーサリアムの共同創業者ジョセフ・ルービン氏が立ち上げたブロックチェーンスタートアップConsenSysはこのほど535億円を調達したが、この投資ラウンドにマイクロソフトが参加したのだ。またマイクロソフトは、Web3を専門とする人材の獲得にも乗り出している。Web3をめぐるマイクロソフトの動向を探ってみたい。

執筆:細谷 元

執筆:細谷 元

バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

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535億円を調達したブロックチェーンスタートアップConsenSysの投資ラウンドにマイクロソフトが参加。その狙いは?
(写真:AFP/アフロ)

ConsenSysとは?

 イーサリアムの共同創業者ジョセフ・ルービン氏が立ち上げたブロックチェーンスタートアップConsenSysはこのほど、マイクロソフト、ソフトバンクグループ、シンガポール・テマセクなどから4億5,000万ドル(約535億円)を調達。これによりConsenSysの評価額は70億ドル(約8,322億円)と2倍以上拡大した。

 米メディアの間では、この動きを受けてマイクロソフトが「Web3」関連の取り組みを加速するのではないかとの臆測が広がっている。

 冒頭でも触れたように、ConsenSysはイーサリアムの共同創業者ジョセフ・ルービン氏が立ち上げたスタートアップだ。Crunchbaseによると、創業されたのは2014年、社員規模は501~1000人、主要拠点はニューヨーク、東海岸、米北東部となっている。

 上記4億5,000万ドルを含む累計調達額は、7億2,500万ドル(861億円)に上る。

 ConsenSysは、イーサリアムネットワーク上で機能する分散型アプリケーションを開発しているが、現在はアプリ上のトークン取引手数料が主な収益源になっている。

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日本ではあまり知られていないConsenSysだが、事業規模はすでに大きく拡大している

 主要アプリの1つがイーサリアムベースの暗号通貨やNFTを管理できるデジタルウォレット「MetaMask」だ。現在、ChromeやFirefoxなどのウェブブラウザー拡張版とモバイルアプリ版が提供されている。CNBCによると、MetaMaskの月間アクティブユーザー数は2022年1月時点で3000万人、過去4カ月間でユーザー数は42%増加したという。

 MetaMaskのユーザー数が多いのは、米国、フィリピン、ブラジル、ドイツ、ナイジェリア。

 ConsenSysのもう1つの主要プロダクトが分散型アプリ(Dapps)開発ツール「Infura」だ。APIやさまざまなツール、ドキュメントが用意されており、イーサリアムネットワーク上における分散型アプリ開発を支援する。現在のユーザー数は43万人で、Infura経由で開発された分散型アプリ上でのトランザクションは、年間換算で1兆ドル(約118兆円)を超えた。

 ConsenSysは、直近ラウンドで得た資金を活用し、新たに600人を雇用、MetaMaskのデザイン刷新を行い2022年中にリリースする計画という。

分散型ウェブを表すトレンディーな名称「Web3」

 今回のConsenSysの資金調達報道は、マイクロソフトがWeb3への関心を高めており、今後投資を加速する可能性が高いのではないかとの臆測を呼んでいる。

 Web3に関しては、さまざまな議論があり、また定義も定まっていない状況のようだが、ConsenSysの文脈で登場するWeb3とは「分散型ウェブ(decentralized web)」を意味する。

 ConsenSysは「Web3は『分散化ウェブ』のトレンディーな別名称」であると指摘する。「Web1」が読み込みのみだったのに対し、「Web2」は読み込みと書き込みができるようになった。そして「Web3」は、読み込み、書き込みに加え、所有という要素が加わったものだと説明する

 Web1は、TCP、IP、SMTP、HTTPなどのプロトコル上に構築された初期のウェブのことを指す。企業ホームページなど、Web1は「読む」ことだけが可能だった時代だ。

 次に到来したのがWeb2の時代。フェイスブックなど、読むだけでなく、ユーザーによる書き込みも可能になった。また、ソーシャルメディア上のユーザーデータが価値を持つようになり、「個人のプロダクト化」もWeb2の特徴であるという。

 一方Web3の「所有」とは、開発者、運用者、利用者のそれぞれが、利用するプラットフォームの一部を所有することを意味する。

 その代表例として挙げられるのは、ビットコインやイーサリアムだ。これらのブロックチェーンネットワークの参加者は、ネットワークのアップデートや運用をした見返りに、リワードとしてBTCやETHを受け取ることになる。

 ConsenSysによると、Web3の中でもこれらは「共同組合(cooperative)モデル」または「株式モデル」と呼べるモデル。一方、イーサリアムなどのスマートコントラクト上に構築されたトークンベースのネットワークでは、別の新しい所有モデルも可能だと指摘している

【次ページ】Web3への批判

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