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- 2022/04/20 掲載
MBAエンジニアが教える「時代遅れな人」と「最先端を行く人」の決定的な違いとは
「時代遅れな人」と「時代の最先端を行く人」の違いとは?
「時代の変化が激しく、先が読めない」「ブロックチェーンやAI(人工知能)など新しいテクノロジーの進化が早くてついていけない」「仕事が忙しくて時間はないし、何から手をつけていいかもわからない」こういった悩みを抱える社会人は多い。いや、社会人だけでなく、これから社会に出る大学生/大学院生や、子供を持つ親も、同じ種類の悩みや不安を抱える時代になっている。
しかし、同じ時代を生きているにも関わらず、未来を見据えて時代の最先端についていく人たちは時折「こんなに未来がわかりやすい時代はない」という言葉を口にする。
この違いを生み出す差は何なのだろうか。そのヒントになるのが、拙著『AI時代のキャリア生存戦略』でも解説している、「4つの未来に分解する方法」だ。ともすれば、抽象度の高い「時代の変化」といった不安を和らげるためのステップである。
この手法は、米メリーランド大学のヒュー・コートニー教授が、ハーバード・ビジネスレビューに発表した論文『不確実性時代の戦略思考』で解説している考え方だ。この思考法をかみ砕いて解説する。
4種類の未来がどういうものかを解説をしながら、キャリア上の不安を解消するためのコツをそれぞれ見ていこう。
レベル1:確実に見通せるシンプルな未来
確実に先を見通せる未来の場合が、レベル1にあたる。レベル1の未来では、確実に到来する未来に備え、いますべきことが明確になる。ただ、確実に未来が見えているため、大勢の個人や企業が同じ道で競争することになる。たとえば、「飛ぶように売れる」という言葉の通り、新しいプロダクトが市場に認知され普及するフェーズでは作れば売れるのが明解で、どれだけ早く多く売るかが重要になる。このようなシンプルな状況はレベル1の未来と言える。
未来がはっきり見えているレベル1の状況下でキャリア上の不安を抱えている場合、見えている未来に向かって、いかにモチベーションを上げて、多くのリソースを早く割くことができるかが勝負になる。
このように確実に先を見通せるシンプルな未来が、レベル1だ。しかし、もう少し不確定要素の強い未来もある。それがレベル2の未来になる。
レベル2:いくつかの選択肢が見えている未来
レベル1のように確実に未来が見えているわけではないが、いくつかのパターンに絞り込める場合が、レベル2にあたる。たとえば、規格競争の「VHS vs Beta」や「DVD vs Blu-ray」という状況に似ている。いくつかの選択肢にまで未来が絞り込めているレベル2の状況下で、キャリア上の不安を解消するには2つの方法がある。
1つ目は、いくつかの未来のうち、成功確率の高いどれか1つを選択する方法だ。もう1つは複数の選択肢に資金的・時間的なリソースを分散して割き、失敗するリスクを下げることで、キャリア上の生存率を上げる方法だ。
レベル2の場合、もっとも避けるべきことは、どちらの未来を選択するか決めきれずに、迷って動けない状況だ。このように可能性の選択肢が見えている未来が、レベル2だ。
ここまでの未来は比較的、先が見通しやすいが、多くの人にとって、いまの社会は先行きが見通しづらいはずだ。次のレベル3からは、多くの人にあてはまる状況なので見てみよう。
【次ページ】ほとんどの人が当てはまる「レベル3」と「レベル4」
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