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  • 2022/08/23 掲載

【超入門】Microsoft Azure(アジュール)とは? サービス全体像や関連資格もわかりやすく解説

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Microsoft Azureは、パブリッククラウドとして利用できるマイクロソフト提供のクラウドサービスです。Azureと同様の他社サービスとしては、AmazonのAWS(Amazon Web Service)やGoogleのGCP(Google Cloud Platform)などがあります。ではAzureは、他社サービスに比べて、どのような特徴があるのでしょうか。本稿では、Azureでどのようなことが実現できるか、機能面や料金体系、Azureを利用するメリットなどを解説します。また、Azureの代表的な資格を、初級・中級・上級の3段階分けてまとめました。

執筆:藤森みすず 監修:マイクロソフト

執筆:藤森みすず 監修:マイクロソフト

大手Slerにてシステムエンジニアを経験後、フリーランスのライターに。IT・IoT、FX・保険・不動産・フィンテックなど、多様な記事の執筆を手掛ける。

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Azureとは何か?
(Photo/Getty Images)


Microsoft Azureとは

 Microsoft Azure(マイクロソフト・アジュールと読みます)とは、2010年2月にマイクロソフトが「Windows Azure」としてサービスを開始したクラウドサービスです。2014年に「Microsoft Azure」に名称変更を行い、現状の名前になりました。Azureの提供サービス形態と料金体系について、以降でさらに詳しく解説します。

・Azureの提供サービス形態
 Azureの提供サービスは、IaaSとPaaSで構成されます。IaaSとは「Infrastructure as a Service」の略語で、ハードウェアやネットワーク環境などのインフラ環境全体を、インターネット上のサービスとして提供することを指します。利用者側は、オンプレミス環境を整える必要がなく、契約をすればすぐにインフラ環境を利用できます。

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AzureはIaaSとPaaSで構成
(出典:マイクロソフト)

 PaaSは「Platform as a Service」の略語で、WindowsやLinuxなどOS(オペレーションシステム)レベルの環境を提供するサービスです。PaaSを利用すると、OS上でアプリケーションソフトやデータベースを稼働でき、プログラム実行環境としても利用できます。

 クラウドサービスには、SaaSと呼ばれる種類のサービスもあります。SaaSとは「Software as a Service」の略語で、アプリケーションソフトをインターネット上で利用できるサービスです。マイクロソフトでは、AzureのほかにSaaSとしてMicrosoft 365やOneDriveを提供しています。

・Azureの料金体系は従量課金制
 Azureの料金体系は、AWSやGPCと同じく従量課金制です。Azureには、さまざまな割引特典があり、WindowsマシンやOfficeシリーズを利用している場合、特にコストメリットは高いといえます。

Azureでできることとは? サービス・機能の紹介

 では、Azureを導入するとどのようなことができるのでしょうか。ここでは、Azureのサービスや機能ごとに紹介していきます。

・Azureを統合管理する画面ツール「Azure Portal」
 Azure Portalとは、Azure を統合的に管理できるWebベースの統合コンソールです。コマンドラインやシェルでもAzureを管理できますが、画面で直感的に操作できる利便性がAzure Portalの特長です。利用者は、Azure PortalよりWebアプリケーションの構築やデプロイなどの管理および監視ができます。

 また、コストを可視化して管理しやすくし、どの端末からでもアクセスできる点もAzure Portalを利用するメリットです。

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Azure Portal
(出典:マイクロソフト)

・サーバレスでのコード実行環境「Azure Functions」
 Azure Functionsは、サーバを構築せずにコードを実行できるイベント駆動型のサーバレスコンピューティングプラットフォームです。ローカル環境でコーディングとデバックを実行した後、クラウド環境にデプロイして、さまざまなトリガーでコードを実行できます。サポートしている言語は、以下の7言語です。

  • C#
  • JavaScript
  • F#
  • Java
  • PowerShell
  • Python
  • TypeScript

 使い慣れた言語を利用して開発できます。

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Azure Functions
(出典:マイクロソフト)

・プロジェクト管理ツール群「Azure DevOps」
 Azure DevOpsは、プロジェクトの開発(Dev)と運用(Ops)の両方を支援するプロジェクト管理のツール群です。プロジェクトの進捗管理などを行うAzure Boardsや、コンパイル・デプロイ・継続的なテストを支援するAzure Pipelinesなどは、プロジェクトの開発に役立つツールです。

 運用では、実行アプリケーションの監視を行うAzure Monitorや、セキュリティ監視ツールのMicrosoft Defender for Cloud(旧称Security Center)などのツールが役立ちます。

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Azure DevOps
(出典:マイクロソフト)

・オンラインストレージ「Azure Storage」
 Azure Storage は、BLOBやキューなどさまざまなデータを扱えるマイクロソフト提供のクラウドストレージサービスです。ハードディスクの拡張やセキュリティ対応などは、すべてAzureサービス提供側のマイクロソフト側で行うため、利用者はストレージの利用に集中できます。

 開発者には、対応言語(.NET、Java、Node.js、Python、PHP、Ruby、Goなど)用の開発者向けクライアント ライブラリが提供されます。利用者は、これらの言語を使ってアプリケーションやスクリプトからAzure Storageを利用できます。

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Azure Storage
(出典:マイクロソフト)

・仮想マシンサービス「Azure Virtual Machines」
 Azure Virtual Machinesは、 Linuxや Windowsの仮想マシン(VM:Virtual Machines)を構築できるサービスです。数秒で仮想マシンを構築し、必要なOSやアプリケーションをインストールして利用できます。

 仮想マシンには、スペックの異なるシリーズが用意されているため、利用者は目的に即したシリーズの選択が可能です。たとえば、開発やテストに利用するエントリレベルならAシリーズ、ハイパフォーマンスを求めるならHシリーズを選びます。

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Azure Virtual Machines
(出典:マイクロソフト)

・アクセス管理「Azure Active Directory」
 Azure Active Directoryとは、クラウドで提供されるID・アクセス権管理サービスです。

 本ツールでは、IDの管理・認証・アクセス制御などの機能を提供します。オンプレミス環境で利用されてきたActive Directoryと同期して、クラウドとオンプレミス全体でIDの統合管理を行うことも可能です。

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Azure Active Directory
(出典:マイクロソフト)

・クラウドでのデータ保護「Azure Information Protection」
 Azure Information Protectionは、クラウドベースでデータの保護・管理を行う機能を提供するツールです。

 利用者は、社内のコンテンツ(ドキュメントや電子メール)にラベル付けを行い、ラベルを元にコンテンツの検出や分類、保護などの操作を行います。

 便利な関連ツールとしては、オンプレミスのファイルをスキャンして機密コンテンツを見つけ、ラベル付けを行えるAIP オンプレミス スキャナーなどがあります。

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Azure Information Protection
(出典:マイクロソフト)

・マイクロソフトの人工知能を利用「Azure AI」
 Azure AIとは、マイクロソフトの提供する人工知能を利用できるサービスです。用意されている機能としては、機械学習やナレッジマイニング、会話型AIなどがあります。これらの機能は、ローコードやノーコードのツールを使って、手軽に独自のAIソリューションを構築できます。

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Azure AI
(出典:マイクロソフト)

【次ページ】Azureを利用する4つのメリット

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