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  • 2022/08/02

CodeSignalとは何か? コーディングスキルで見えてきた「本当の」大学ランキング

HackerRankなど、世の中にはプログラミングスキルを測るテストが複数存在する。その中でCodeSignalは、メタやウーバーなどのテック大手企業の多くが導入するスタンダード的な存在となり、特に新卒エンジニアの採用で利用されている。そのCodeSignalが発表したプログラミングスキル大学ランキングに注目が集まっている。スタンフォード大学など、コンピューター・サイエンスで有名な大学がトップ10に入っていなかったためだ。どのような大学が上位にランクインしたのかを伝えつつ、その理由も探ってみたい。

執筆:細谷 元

執筆:細谷 元

バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

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スタンフォードなどコンピューター・サイエンスで有名な大学がトップ10圏外に
(Photo/Getty Images)

テック大手が採用するプログラミング標準テスト

 さまざまな分野で人材のスキル・知識を評価する標準テストが存在するが、テクノロジーの世界にも複数のテストがある。

 CodeSignalはその1つ。多くのテック企業が採用試験に導入、主に新卒プログラマー/エンジニアのスキル評価に活用されている。

 CodeSignalは、アルメニア出身の敏腕エンジニアらが米国で立ち上げた、テックスキル評価サービス企業だ。2016年のシリーズAラウンドで、1,000万ドル、2020年12月のシリーズBで2,500万ドル、そして直近2021年9月のシリーズCで5,000万ドルを調達、テック人材不足が追い風となり導入企業を増やしている。

 共同創業者の1人、ティグラン・スローヤン氏は、マサチューセッツ工科大学(MIT)に入学し、コンピューター・サイエンスだけでなく、数学と経済学を含め計3つの学位を取得。その後、グーグルやオラクルでエンジニアリングやプロダクトマネジメントに従事した経歴を持っている。

 これまでの報道・情報をまとめると、メタ、ロビンフッド、ウーバー、インスタカート、ズーム、アサナ、ロブロックスなどの名だたるテック大手企業がCodeSignalのスキル評価サービスを利用した/しているという。また、CodeSignalのWebサイトによると、採用企業は150社以上に上る。

 多くの有名企業がCodeSignalのスキル評価テストを新卒採用で利用していることもあり、就職活動を行う米国の学生の間ではCodeSignalに関する情報が飛び交うようになっている。「米国版2ちゃんねる」と呼ばれる掲示板サイトRedditでは「どの企業がCodeSignalテストを採用しているのか」や「面接に呼ばれるには、どれくらいのスコアが必要なのか」などの関連スレッドが多数立ち上がっている状況だ。

 CodeSignalのスキルテストは受験者の「基礎コーディングスキル」「データ操作スキル」「インプリメンテーション能力」「問題解決能力」を測る4つのセクションで構成されている。各セクションでは、回答のクオリティとスピードが計測され、最低300、最高850のスコアが算出される仕組みとなっている。

 大手企業ではおおむね800点以上のスコアで、面接に進めるといった情報もあるが、700点代でも問題なかったとする声も少なくない。

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コーディングスキルを自社だけで判断するのは難しい
(Photo/Getty Images)

CodeSignalテストのフレームワーク

 CodeSignalによると、米国大学のコンピューター・サイエンス学部出身者のうち、同スキルテストを受けるのは50%以上に上り、就職活動が活発化する時期には、1週間あたり9000人以上の学生が試験を受けることもあるという。

 CodeSignalが同テストを標準化することに注力していることを鑑みれば、今後このスキルテストを受ける人の割合はさらに増えてくることが見込まれる。同スキルテストが、General Coding Frameworkという枠組みで構築・実施されており、一般的なスキルテストに見受けられる諸問題を回避しつつ、受験者のスキルを客観的に測ることが可能となっているためだ。

 スローヤン氏ともう1人の共同創業者アルバート・サハキアン氏による共同論文が、実験データに基づくGeneral Coding Frameworkの優位性を説明している。

 同論文の冒頭では、企業が独自に実施するテックスキル試験には2つの大きな落とし穴があると指摘されている。

 1つは、企業独自に行うスキルテストを制作するのが、テスト制作の専門家ではないという点だ。これによりテスト自体が雇用機会均等委員会(EEOC)の規定に沿わない可能性や、当該役職に重要ではないスキルを測るものになってしまう可能性が高まるという。

 そして2つ目の問題として、スキルテストを社内チームが労力をかけて制作しても、その設問は最終的にGlassdoorやStack OverflowなどのWebサイトで公開されてしまい、テスト結果の信憑性が下がってしまう点が挙げられている。

 General Coding Frameworkではこうした問題を考慮し、プログラミング/コンピューター・サイエンスにおける中核となる知識を測ることに重点が置かれ、特定のスキル・知識に偏らないような工夫がほどこされている。

 またこのガイドラインに沿った形で、多くの設問をつくることが可能となり、それらをプールし、ランダムに提示することで、Webサイトなどに掲載されても、暗記だけでは解けないという利点も備える。

 さらに、米著作権局に設問を登録することで、GlassdoorやStack OverflowなどのWebサイトに設問が投稿されても、公式な削除依頼を送ることも可能という。

【次ページ】CodeSignalで見えた「本当の」大学ランキング

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