記事 地方自治体・地方創生・地域経済 京都駅周辺の再開発、「忘れられた街」はどう生まれ変わるのか 京都駅周辺の再開発、「忘れられた街」はどう生まれ変わるのか 2018/11/22 JR京都駅近くの一等地にもかかわらず、開発と無縁だった京都市下京区の崇仁地区が大きく変わろうとしている。京都市立芸術大が2023年度、西京区から移転してくるほか、長く塩漬けされてきた土地でビジネスホテルの建設が始まったからだ。崇仁地区は部落差別に苦しめられてきた土地だが、住民と学生らが食や芸術を生かした地域おこしにも取り組んでいる。京都文教大臨床心理学部の竹口等教授(人権・同和教育)は「新しい芸術教育の基地が誕生し、市民や観光客らが京都駅から東へ流れて新旧文化の結節点が生まれる。地区の将来ビジョンで示された創造・交流・にぎわいのまち創生につながりそうだ」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 「人手不足倒産」が4割増で過去最高に、企業努力ではもう止められない 「人手不足倒産」が4割増で過去最高に、企業努力ではもう止められない 2018/10/02 有効求人倍率が44年ぶりの高水準を記録するなど労働需給がひっ迫する中、従業員の離職や採用難など人手不足による収益悪化で倒産する企業が全国で急増している。2018年上半期は前年同期比4割増のハイペースで、慢性的な人手不足が続く道路貨物運送や介護、木造建築工事などの業種を中心に倒産ラッシュの様相を示した。地方の急激な人口減少や雇用のミスマッチもあり、人手不足に回復の気配は見えない。関西大社会安全学部の亀井克之教授(リスクマネジメント論)は「現状の打開は中小企業だけでは難しい。社会を挙げて対策を講じるしか解決策はない」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 免許証返納はわずか5%、アブナイ高齢ドライバーは今後も増え続けるのか 免許証返納はわずか5%、アブナイ高齢ドライバーは今後も増え続けるのか 2018/09/18 昨日9月17日は「敬老の日」。日本はこれから、75歳以上が現状の約3割増える「超高齢社会」になる。75歳以上の運転免許保有者も、事故件数も伸び続けると予測される。それを防ごうと警察庁は高齢者の免許更新時の検査を強化し「免許証の自主返納」を呼びかけているが、応じない高齢者からは「ここではクルマがないと生きていけない。しかたない」という声があがる。しかし今、全国各地の自治体では、免許証を返納しても、クルマがなくても、生活に不便をきたさない施策を次々と打ち出している。財政支援も受けて年々拡大しているこの「免許証返納経済圏」には、ビジネスチャンスがある。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 なぜ岡山県の辺境の村に「移住者」が殺到しているのか なぜ岡山県の辺境の村に「移住者」が殺到しているのか 2018/08/31 中山間地や離島など全国の過疎地域で急激な人口減少が続く中、人口減少に歯止めがかかりつつある地方自治体が出てきた。岡山県北部の西粟倉村がその例で、ローカルベンチャーを起業する移住者の増加で人口の約1割を移住者とその家族が占めている。その結果、人口の減少ペースが緩やかになり、子どもの数が増えてきたわけだ。岡山大大学院社会文化科学研究科の中村良平特任教授(地域公共政策)は「地域の個性を売り込むことで移住者を呼び寄せている好例。ものとお金の流れをつなげた地域経済循環も実践できている」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 半数近くがなんと三大都市圏に、「買い物難民」が爆発的に増え続けるワケ 半数近くがなんと三大都市圏に、「買い物難民」が爆発的に増え続けるワケ 2018/08/22 食料品の購入に不便を強いられる買い物難民が2015年で全国825万人に上ることが、農林水産省の推計で分かった。このうち、半数近くが三大都市圏で、10年前に比べて40%以上の爆発的な増加を示している。だが、この推計は店舗までの直線距離500メートルで一律に算定しており、500メートル未満でも途中に急坂があるなどして買い物が困難な人を含んでいない。茨城キリスト教大文学部の岩間信之教授(都市地理学)は「大都市圏の買い物難民は国の推計より多いとみられ、今後も増え続けるだろう。地域の互助サービスが消え、助け合い関係が希薄なだけに、将来が心配だ」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 首都圏でも世帯減、空き家「800万超」はひたすら増え続けている 首都圏でも世帯減、空き家「800万超」はひたすら増え続けている 2018/08/10 倒壊の恐れがあるなど危険な空き家を行政が強制撤去できるようにした空き家対策特別措置法の全面施行から3年が過ぎ、全国で空き家撤去に乗り出す地方自治体が増えている。7月は石川県輪島市、新潟県柏崎市などで行政の代執行があった。岩手県立大総合政策学部の倉原宗孝教授(地域環境計画論)は「周囲に大きな悪影響を及ぼすのなら、代執行もやむを得ない」とみている。その一方で、人口減少時代を迎え、空き家の数は大都市圏でも増えるばかり。大阪市生野区など官民一体で空き家対策を模索する自治体の動きも加速してきた。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 ライドシェアは過疎地を救う? 税金投入できない中で何をすべきか ライドシェアは過疎地を救う? 税金投入できない中で何をすべきか 2018/07/31 全国の過疎地で住民の自家用車を使ったライドシェアの実証実験が広がりを見せてきた。京都府京丹後市、北海道中頓別町などで実験が進んでいたが、今年に入って兵庫県養父市でスタートしたほか、鹿児島県与論町でも8月から始まる。利用者の減少で機能しなくなった公共交通に代わる移動手段として期待が集まっているわけで、中央大研究開発機構の秋山哲男教授(都市交通計画)は「地方自治体が現状打開に税金を投入できないとなれば、住民の力を借りなければならない」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 地方都市は「限られた商圏」か? JR九州とiBankが語るビジネス×テクノロジー戦略 地方都市は「限られた商圏」か? JR九州とiBankが語るビジネス×テクノロジー戦略 2018/07/20 地方創生が注目を集める一方、その実現過程において事業の採算性や持続可能性についてシビアな見方も浮かび上がってきている。そんな中でユニークな商圏として地方都市の底力を示しているのが九州エリアだ。福岡で開催された「アドテック九州2018」では、「限られた商圏でどう戦うか?地域トップ企業が語る」というテーマのもと、九州旅客鉄道(JR九州) 総合企画本部経営企画部 グループマーケティング室長の相良 周平氏と、iBankマーケティング 代表取締役社長 永吉 健一氏が登壇、九州経済のインフラを支える「ビジネス×テクノロジー」の現在地について、具体的な事例を紹介した。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 インドに学ぶ地方創生、日本に足りないのは「ツーリズム」だ 篠崎彰彦教授のインフォメーション・エコノミー(100) インドに学ぶ地方創生、日本に足りないのは「ツーリズム」だ 篠崎彰彦教授のインフォメーション・エコノミー(100) 2018/07/18 活発な人の動きが地域経済活性化の原動力となっている。これに一役買っているのが「ツーリズム」だ。これは、狭い意味の「観光」だけでなく、ビジネス客や留学生など、目的や滞在期間の長短を問わず広く人材移動を捉えた概念だ。地域の街づくりでは、ツーリズムの交流人口を「一見客」や「よそ者」としてではなく、定住者と並ぶシームレスな存在として認識する「インクルージョン」の発想が大切だ。今回は、国際IT都市のバンガロールを擁するインド・カルナータカ州政府の取り組みをヒントに考えてみよう。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 野田総務相が語った「MOVE FAST」戦略とは?慶応大 村井純氏と若手政務官が議論交わす 野田総務相が語った「MOVE FAST」戦略とは?慶応大 村井純氏と若手政務官が議論交わす 2018/07/12 2018年に開催された、ICT活用のオピニオンリーダーが集まった「Interop Tokyo2018」。本稿では、そこで行われた野田聖子総務大臣の講演および、それについての慶應義塾大学 村井純氏、総務大臣政務官・衆議院議員 小林史明氏のセッションをレポートする。 日本が抱える困難と、未来をどのように切り拓くのか?「MOVE FAST」8カ条がそのカギとなる。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 民泊新法が招いた大混乱、個人業者が撤退しても大手企業が参入の理由 民泊新法が招いた大混乱、個人業者が撤退しても大手企業が参入の理由 2018/07/06 一般住宅に有料で旅行者を泊める「民泊」が、6月15日の民泊新法(住宅宿泊事業法)施行で解禁された。新しいルールの下で日本の民泊がリスタートするはずだったが、手続きの煩雑さなどから、これまで違法民泊を続けてきた個人業者が次々に撤退している。その一方で、楽天、パナソニックなど大手企業が相次いで参入、民泊業界の風景を一変させそうな状況だ。京都外国語大国際貢献学部の廣岡裕一教授(観光学)は「新秩序が生まれ、これに適合できないものが弾き出されている。今後、新法に合わせたビジネスが出てくるのではないか」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 「秘境の里」に外国人観光客が殺到、10年で34倍にした「手探りの」取り組み 「秘境の里」に外国人観光客が殺到、10年で34倍にした「手探りの」取り組み 2018/06/25 日本三大秘境に数えられる徳島県三好市の祖谷地方で外国人観光客が急増している。人里から離れ、交通アクセスが劣悪な地域なのに、2017年の宿泊客数は隣の大歩危地区を含めて10年前の34倍。山村の素朴な暮らしや住民の温かいもてなしが外国人の心をつかんでいる。訪日外国人観光客は東京、大阪など大都市圏のゴールデンルートに集中しているが、地方に足を延ばす観光客が徐々に増えてきた。福知山公立大地域経営学部の中尾誠二教授(社会経済農学)は「地方で体験型観光が広がれば、地方都市や農山漁村を訪ねる外国人観光客がさらに増える可能性がある」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 4兆4000億円を突破、「景気を押し上げるインバウンド消費」の立役者は誰か? 篠崎彰彦教授のインフォメーション・エコノミー(99) 4兆4000億円を突破、「景気を押し上げるインバウンド消費」の立役者は誰か? 篠崎彰彦教授のインフォメーション・エコノミー(99) 2018/06/19 インバウンド消費の増勢が続いている。当初は東京や京都など有名な観光地や大都市を擁する三大都市圏に集中していたが、最近では地方都市にもその波が及んでいるようだ。この勢いを全国津々浦々に呼び込み、地域経済を活性化させるには、どのような取り組みが有効だろうか。今回はICTを活用した自治体の取り組みについて、効果と課題を検証しよう。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 「産廃の島」で今度は山林伐採して太陽光発電、豊島の苦悩はいつまで続くのか 「産廃の島」で今度は山林伐採して太陽光発電、豊島の苦悩はいつまで続くのか 2018/06/08 大量の産業廃棄物が不法投棄され、住民が約40年にわたって抗議行動を繰り広げた香川県土庄町の豊島で、今度は大規模な太陽光発電の建設計画が持ち上がっている。住民が瀬戸内海国立公園の景観を損なうなどとして建設中止を求めているのに対し、業者は建設強行の構えを崩していない。本来、環境に優しいはずの太陽光発電が自然破壊を招く皮肉な事例が全国で相次ぐ中、法整備の遅れから地方自治体は対応に苦慮するばかり。日本自然保護協会の辻村千尋保護室長は「国が再生可能エネルギー普及に向けたグランドデザインを描き切れていないことがトラブルの背景にある」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 奈良県「県庁移転問題」の深刻さ、地方消滅に向かう南部をどう扱うべきか 奈良県「県庁移転問題」の深刻さ、地方消滅に向かう南部をどう扱うべきか 2018/05/21 1 奈良県議会が県庁を北端の奈良市から中部の橿原市(かしはらし)周辺へ移すことを求める決議案を賛成多数で可決した。奈良県は大阪、京都のベッドタウンとなり、官公庁や企業、観光地が集積する北部と、深い山に囲まれ、過疎化が深刻な南部の「南北格差」が問題になっている。決議は県庁を中部へ移すことにより、県土の均衡ある発展を目指しているが、法的拘束力を持たず、多額の移転コストを考えると実現までの道が険しい。奈良県立大地域創造学部の下山朗教授(地方財政論)は「県庁移転のコストに見合う経済効果があるかどうかは疑問。むしろ県全体を考慮した経済政策を考えるきっかけにすべきではないか」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 7割自治体で人口2割減の現実、それでも「現実離れ」人口ビジョン続々のワケ 7割自治体で人口2割減の現実、それでも「現実離れ」人口ビジョン続々のワケ 2018/04/25 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が新たにまとめた地域別将来推計人口で、全都道府県が2030年から人口減に陥り、2045年に市区町村の7割が2015年比で20%以上人口が減ることが分かった。全国の地方自治体はそれぞれ、地域の将来人口を示す人口ビジョンを策定し、V字型の人口回復を打ち出すところも少なくないが、明確に否定された格好だ。奈良女子大大学院人間文化研究科の中山徹教授(都市計画学)は「人口ビジョンとのかい離が広がり、このままでは地方創生の実現が危ぶまれる」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 国内初の本格ダム撤去、「清流復活」を地域振興につなげられるか 国内初の本格ダム撤去、「清流復活」を地域振興につなげられるか 2018/03/30 日本三大急流の1つに数えられる熊本県の球磨川で荒瀬ダムの撤去工事が終わった。「みお筋」と呼ばれる本流が60年ぶりに復活し、流域から姿を消していた生き物が戻りつつある。米国では役割を終えたダムの撤去が当たり前になっているが、国内で本格的なダムが撤去されたのは初めて。明治学院大国際学部の熊本一規教授(環境政策)は「地元漁民や住民が河川法を勉強し、ダム撤去を勝ち取った意義は大きい」と評価する。だが、ダムが撤去されても地域の活性化はこれからの課題。復活しつつある清流をどう地域振興に生かすのか、地元の模索が続く。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 国民健康保険が都道府県に移管、透けて見える「負担増」の思惑 国民健康保険が都道府県に移管、透けて見える「負担増」の思惑 2018/03/22 慢性的な赤字に陥っている国民健康保険の財政運営が4月、従来の市区町村から都道府県に移管される。国民皆保険制度がスタートした1961年以来の大改革で、広域化により国保財政の基盤を安定させるのが狙いだ。しかし、市区町村で異なる保険料は当面、統一が進まず、激変緩和措置で抑えられる保険料率も今後、上昇が避けられそうもない。立教大コミュニティ福祉学部の芝田英昭教授(社会保障論)は「保険料率の上昇で滞納が増え、さらに保険料率が上がる悪循環に陥りかねない」とみている。国民健康保険の前途には暗い影が漂っている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 関西都心部でタワマンが急増、小学校不足は解消できるか 関西都心部でタワマンが急増、小学校不足は解消できるか 2018/03/08 タワーマンションなど大規模マンションの建設が進む関西の都心部で小学校の児童が急増し、地方自治体が対応に追われている。住民の都心回帰の動きが子育て世代を中心に加速しているためで、大阪市が2018年度当初予算案に校舎の高層化を盛り込んだほか、神戸市は校舎増築と越境入学、京都市は小学校新設で対応する方針。これに対し、西宮市は児童急増地区のマンション建築自体を規制し、教育環境の維持に努めている。同志社大社会学部の鰺坂学教授(地域社会学)は「都心回帰の動きはあと5~10年くらい続く」とみている。急激な人口移動に振り回され、関西の自治体は頭を悩ませる一方だ。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 都会と地方で売り上げ2極化、明暗分ける百貨店業界のゆくえ 都会と地方で売り上げ2極化、明暗分ける百貨店業界のゆくえ 2018/02/22 全国の百貨店売上高が2017年、既存店ベースで3年ぶりに前年を上回ったことが、日本百貨店協会のまとめで分かった。大阪が訪日外国人観光客の急増などに支えられ、対前年比6.6%増の売上高を記録したのをはじめ、札幌、東京、福岡など大都市中心部の百貨店に明るさが戻りつつある。これに対し、大都市圏の郊外や地方は売り上げの落ち込みが続き、閉店ラッシュが止まらない。流通経済大流通情報学部の矢野裕児教授(物流論)は「郊外や地方の百貨店は明るい材料が見えず、今後も厳しい状況が続くのではないか」とみている。都心と郊外、地方で売り上げが2極化する百貨店業界は、大きな岐路に立たされている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 川崎が「地獄」なら日本も地獄です──『ルポ 川崎』著者・磯部涼氏インタビュー 川崎が「地獄」なら日本も地獄です──『ルポ 川崎』著者・磯部涼氏インタビュー 2018/02/21 ラップ、ヤクザ、貧困、人種差別──神奈川県川崎を舞台にしたルポルタージュ「川崎」は、『サイゾー』に掲載されるやいなや大きな話題を呼ぶ。若手ヒップホップグループBAD HOPや、ヘイト・スピーチと戦うカウンター団体「C.R.A.C. KAWASAKI」を取り上げ、川崎の過酷な現実を浮き彫りにした。連載をもとに大幅加筆し、『ルポ 川崎』(サイゾー)として刊行されたのを記念して、著者で音楽ライターの磯部 涼氏に話を伺った。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 なぜ地方で公設ガソリンスタンドが「急増」しているのか? なぜ地方で公設ガソリンスタンドが「急増」しているのか? 2018/02/05 地方自治体が運営するガソリンスタンドが増えている。公共交通機関が弱体化している過疎地域では自家用車が必需品だが、人口減少の加速で民営スタンドの経営が成り立たなくなっているからだ。全国にはスタンドが1カ所もない自治体が12町村あるうえ、1カ所だけの自治体も75町村に上る。民間スタンドの減少に歯止めがかからない一方で、今後も公設スタンドは増えそうな状況。東洋大経営学部の小嶌正稔教授(経営学)は「車が地域生活を支えるインフラである以上、公設でスタンドを維持するのはやむを得ない」とみているが、財政基盤の脆弱な過疎自治体にとって大きな負担になっている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 いよいよ「出生数ゼロ」自治体が各地に、遅きに失した少子化対策の末路 いよいよ「出生数ゼロ」自治体が各地に、遅きに失した少子化対策の末路 2018/01/29 2017年1年間に国内で生まれた日本人の赤ちゃんが推計94万1,000人で、2年続けて100万人の大台を下回ったことが、厚生労働省の調べで分かった。しかも、団塊ジュニア世代の女性が出産適齢期を過ぎ、20~30代の女性が減っているため、出生数の減少に拍車がかかっている。安倍晋三首相は少子化を国難と位置付けたが、過疎地域では1年以上にわたって1人の赤ちゃんも生まれない地方自治体が出るなど、加速する少子化が地方消滅の引き金になりつつある。中央大文学部の山田昌弘教授(家族社会学)は「30年も前から指摘されていた少子化問題に抜本的な対策を講じなかったツケが表れた」と指摘する。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 総務省の未来予測、2030年以降の情報通信技術はどうなっているのか 総務省の未来予測、2030年以降の情報通信技術はどうなっているのか 2018/01/19 2020年以降は超少子高齢化社会が継続し、加速度的に人口が減少する。同時に、生産年齢人口も大きく落ち込む。こうした未来を抱える我々は、2020年のオリンピック以降に向け何をすべきか。本稿では、総務省の「IoT新時代の未来づくり検討委員会」の検討項目から政府や官公庁の政策を紹介するとともに、企業が立案すべき「2020年以降」のIT戦略のヒントを示したい。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 住宅宿泊事業法(民泊新法)でどう変わる? 観光推進と生活維持は両立できるか 住宅宿泊事業法(民泊新法)でどう変わる? 観光推進と生活維持は両立できるか 2018/01/19 2018年6月の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行を5カ月後に控え、全国の地方自治体で民泊の営業日数を条例で上乗せ規制する動きが加速している。東京都大田区は住居専用地域での営業を全面禁止としたほか、京都市は住居専用地域で営業を認める期間を1、2月のみに限定する方向。民泊を健全に普及させ、観光立国を目指す政府と、規制を強化したい自治体の思惑に大きな開きが見える。和歌山大観光学部の廣岡裕一教授(観光学)は「自治体が地域の事情に応じて規制するのは良いが、厳しすぎると新法がスムーズに施行できない」とみている。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 地域仮想通貨が続々発行、地方の救世主となるか? 地域仮想通貨が続々発行、地方の救世主となるか? 2018/01/18 2017年を代表するパワーワードといえば、年初から対ドルレートが10倍超にもなった「ビットコイン」をはじめとする「仮想通貨」だろう。ビットコインは2018年に入って大きく値を崩しているが、それでも2017年初比ではおよそ10倍の水準は維持している。こうした中、2018年は地域活性化策として話題だったローカルマネー「地域通貨」について、仮想通貨版の「地域仮想通貨」が続々と発行されそうだ。果たしてそれは「地方創生」につながるのか。現状をまとめた。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 港区で若者が急増のワケ 東京23区の人口動態から考える日本の近未来 港区で若者が急増のワケ 東京23区の人口動態から考える日本の近未来 2018/01/15 日本社会は今後、世界でも希に見るスピードで人口減少が進む。これまでは人口減少と叫ばれながらも、総人口はほぼ横ばいで推移していたが、これからは本格的に総人口の減少が始まる。人口減少は多くの場合、都市部への人の移動を伴い、日本の産業構造に大きな変化をもたらすことになる。東京23区の人口動態をもとに近未来の消費社会について考察してみた。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 大阪「あいりん地区」の再開発、日本最大のドヤ街はどう変わるのか 大阪「あいりん地区」の再開発、日本最大のドヤ街はどう変わるのか 2018/01/12 日本最大のドヤ街として知られる大阪市西成区のあいりん地区。かつて24回の暴動が発生し、貧困や差別など社会問題が凝縮したこの街が今、大きく変わろうとしている。日雇い労働者が暮らしていた簡易宿泊所に外国人バックパッカーが増えたほか、JR新今宮駅を挟んだ北側に南海電鉄の訪日外国人交流施設や星野リゾートのホテルが建設されることになったからだ。関西学院大社会学部の白波瀬達也准教授(社会学)は「地域が変貌しても労働者の貧困がなくなるわけではない」とみている。あいりん地区が変貌を遂げる中、労働者の福祉が置き去りにされることはないのだろうか。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 語られなくなった「地方創生」、5か年計画の折り返しを総括する 語られなくなった「地方創生」、5か年計画の折り返しを総括する 2017/12/29 地方創生と東京一極集中の是正を目指す政府の5カ年計画「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が、折り返しの3年を過ぎた。地方創生という言葉が社会に定着し、ブームになったが、この間にも東京一極集中がさらに進み、政府が鳴り物入りで打ち上げた中央省庁や民間企業本社機能の地方移転は成功していない。安倍晋三首相も「一億総活躍社会」、「働き方改革」、「人づくり革命」など新しいキーワードを次々に打ち出す一方、地方創生を語ることが減っている。地方創生はどこへ行ったのか、地方大学の若手研究者4人に総括してもらった。
記事 地方自治体・地方創生・地域経済 観光客急増に「宿泊税」導入で対応、課題はどこにあるのか? 観光客急増に「宿泊税」導入で対応、課題はどこにあるのか? 2017/12/20 訪日外国人観光客の急増が続く中、宿泊税を導入する地方自治体が増えている。東京都が2002年に導入したあと、追随する動きはしばらくなかったが、大阪府が2017年に開始したのをはじめ、京都市が2018年10月をめどに導入することを決めた。北海道や沖縄県、石川県金沢市など導入を検討する自治体も多い。観光客受け入れ整備の財源を確保するのが狙いで、京都産業大経済学部の八塩裕之教授(財政学)は「観光客急増への対処という点で容認されるだろう」とみている。しかし、税収の使途や公平な徴収方法など課題も山積している。