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- 2022/12/19 掲載
苦戦するTSUTAYAと何が違う? ゲオが「レンタル事業縮小」でも絶好調な理由
【連載】流通戦国時代を読み解く
レンタルビデオ業界の驚くべき減少率
最近、近所から次々とレンタルビデオ店が消えている。たとえば、ゲオの店舗の閉店ラッシュは止まらず、TSUTAYAの場合は、大型店は「書店+カフェ」の形態としては残ったものの、郊外店はまったく別の業態になり書店としても存続できなかったようだ。具体的に、レンタルビデオ業界はどの程度縮小が進んでいるのだろうか。総務省統計局「サービス産業動向調査」を確認すると月次でこの業界の動向が分かるのだが、それを見ると落ち込みは酷かった(図表1、2)。
長年、売上は減少傾向にはあったのだが、コロナ禍の2020年になって以降、急激に減少幅が大きくなり、前年比2~3割減という時期が続いたことが分かる。コロナで外出出来なくなったため、有料動画配信の普及が急速に進んだことが、DVDなどの現物の受け渡しを伴う商売にとどめを刺したようだ。
構造転換を進めるTSUTAYA・ゲオ
レンタルビデオ業界の2大勢力、TSUTAYAとゲオは、当然ながらコンテンツビジネスがネットの世界に移行することは当然織り込み済みなので、それぞれ新たなビジネスモデルへの移行を前々から進めていた。TSUTAYAはTポイントカードをベースとしたデータベースマーケティング事業を進める一方、ゲオは自社の中古販売ビジネスを横展開する形で業態転換を進めてきた。
このように、新たな勝ち筋を求め転換を進めてきた両社だが、明暗が分かれているようだ。地道ながら業態転換を進めてきたゲオは、レンタルビデオ事業縮小の影響をカバーできるほどの新事業を育てることに成功している。
一方、データビジネスのプラットフォーマーになるとの期待もあったTSUTAYAのTポイント事業は、いくつかの壁にぶつかっているようだ。
【次ページ】どのくらい儲かってる?ゲオの新事業が好調な理由
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