• 2006/04/04 掲載

SOAとは、サービスという単語を組み合わせ、自在なフレーズを作り出すための文法(2/2)

【IT基盤】

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中堅企業への浸透に注目

 SOAへの対応が今後どう展開していくかという質問に対してザーレック氏は2つの答えを出した。

 一つは、大企業におけるSOAの浸透はゆるやかになるだろうというものだ。SOAに対応するためにはシステム全体を支えるプラットフォームそのものを変えなくてはならないため、すでに巨大なシステムを構築し、利用している大企業において全体を一度に変更することは現実的ではない。そのため、新規に開発するものやリプレースする必要のあるものから、順次SOA対応のものに置き換えていくことになるだろう。一度基盤さえ作っておけば、残りのアプリケーションもアップグレードのタイミングで順次サービス化し、シームレスに統合できる。

 ザーレック氏のもう一つの答えは、全社のシステムをSOAに対応させる動きは、中堅企業から起こるのではないかというものだ。すでにシステムを構築済みの企業であっても、その規模が大きくなければ全体を一度に再構築することができる。

 「中堅規模の企業は、プロジェクトへの取り組みから実現までがスピーディという特長を持っている。そういう意味でも、SOAのメリットが理解されれば一気に広まる可能性を秘めていると思う。我々としても、注目しているセグメントだ」


取り組むなら今すぐ
ただし、よく考えてデザインすること

 最後に、これからSOA化に取り組もうとしている企業へのアドバイスをうかがったところ、最も重要なのはデザインだという答えが返ってきた。

 現行のシステムをSOA対応のシステムとして再構築する場合、システムやデータをどのように統合するかというシステムデザインが、完成するシステムの良否を握っているという。ESAのメリットは標準的なサービスを再利用できることにあるという意見を繰り返したのち、そのメリットを生かすためにはどの部分に標準的なサービスを取り入れ、どの部分を独自開発するかを的確に見極めることが必要だと述べた。

 「欧米で成功しているデザインを、ただ日本に持ち込むだけではうまくいきません。そのため、日本企業の要望を聞き、日本独自のデザインを行い、それを日本の企業に、そして世界に向けても発信していきます。」

 ザーレック氏はそう語り、これからSOA対応のシステムを検討する企業に、2006年のメジャーリリースとなる「mySAP Business Suite 2005」を紹介してくれた。Javaにも対応する「NetWeaver」をプラットフォームとし、どの企業でも使える標準的なサービスや開発環境などを含む総合的なソリューションだ。mySAP Business Suite 2005にはESA対応のスタートに必要なものが揃っていると言っていい。

 インタビューの最後にザーレック氏は、これからSOA対応に取り組もうとする企業に向けて、次のようなメッセージをくれた。

 「SOAに興味を持っているのなら、今すぐ取り組みを始めてください。ただし、自分が何を実現したいのかをよく考えること。それさえ忘れなければ、きっと成功するでしょう」

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