• 2006/07/14 掲載

【中堅中小IT化】従業員も参画した経営戦略を元に、最適なシステムを構築

【情報化の処方箋 第2巻】中堅中小企業 IT戦略の成功事例~業種は違えど、ヒントを得られる~

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東大阪市にあるフジ矢は、ペンチやニッパーといった工具の老舗メーカーだ。電気工事や大工などのプロには、富士山と矢のマークのフジ矢ブランドでなければというファンも多い。同社では、専属デザイナーによる斬新なデザインを取り入れ、さらにネジ山が潰れたネジも回せるプライヤーをはじめ、独自商品を積極的に投入している。もう1つ注目されるのが情報化への取り組みだ。同社は情報化により、 中小企業総合事業団理事長賞を受賞している。


1丁の特注品から何万丁の
普及品まで、自社で製造


IT戦略、システム構築
フジ矢 代表取締役 野崎氏
 フジ矢の手がける製品ラインアップは極めて幅広い。製品は400種類に上り、ものによっては1丁からの別注品もある。ロットが多い製品であっても、製造作業には手間がかかる。刃の研磨は職人の手作業になり、多くの製品の工程数は60にもなるという。工程は9割方社内で、包装まで自社で行う。製品が多品種少ロットであるため、生産管理も複雑になる。

「工程数が多いため、リードタイムが長く、平均で75日くらいかかっていました。材料も特注なので、材料を発注してから納品してもらうまで3ヶ月かかることも。どうしても在庫が多くなっていたのです。」(同社代表取締役社長、野I恭伸氏、以下同)

 フジ矢は、自社ブランドの完成品を作っているため、受注生産ではなく見込み生産が中心になる。従来、生産計画は全て手作業で立てていた。半年近くの計画を、前年の実績を元に立てていたが、作りすぎたり、逆に足らなかったりと無駄が多かったという。


まずITありきではなく、
経営戦略ありきで



 情報化の必要性を感じていたところ、ちょうどITSSPという、経済産業省の推進事業が行われていた。これは、中小企業にITコーディネータを派遣し、情報化の手助けをするというものだ。野I氏がITコーディネータと協力してまず行ったのは、どんなシステムを入れるのか考えることではなく、自社の経営戦略を見直すことだった。

「会社の目指すものは何か、うちの強みと弱みは何かを分析するところから始めました。参画意識を高めるため、従業員(60数名)の半数にも参加してもらい、みんなで考えようと。」

 その結果、最も重視すべき要因は、多品種少量生産と在庫削減と割り出した。結論自体は目新しいものではないが、結論に至るまでの過程を、従業員自身が考えてたどっていったことは、新しいシステムをスムーズに導入することへとつながっていった。

IT戦略、システム構築
フジ矢の生産・販売管理システムで使われているハードウェア。現場での設備は、位置変更に柔軟に対応できること、低コストの2点から無線LANを活用している。導入に当たっては、実地で通信が行えるか何度もテストしたという

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