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- 2024/06/21 掲載
BCGが教える業界別生成AI活用事例、情報検索はどう変わるか?
生成AIの先行企業はどう取り組んでいるのか

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当然ながら、生成AIさえ導入すれば、すべてが自動化されたり生産性がすぐに上がったりするわけではない。
たとえば、ダイナミックプライシング(価格変動制)、マーケティング費用の最適化、需要予測など、数字を扱って計算する領域は、従来型の機械学習ベースのAIが得意とするところだ。一方、生成AIは文書の生成、デザインの原案作成、自然言語によるコミュニケーション、シミュレーションなど、表現やユーザーインターフェースにおいて大幅な利便性の向上をもたらす。
したがって、ユーザーインターフェースでは生成AIを使い、裏では別のAIやルールベースのエンジンが動いているというように、特性の違いを踏まえながら適切に組み合わせて、適材適所でどう用いるかを考えていく必要がある。すでにデジタルトランスフォーメーションに着手、推進してきた先行企業は、生成AIの効果的な適用機会を見出し、変革を加速させようとしている。
生成AIの活用事例:金融業界
生成AIの活用が進んでいる業界・領域における取り組みを少し具体的に見てみよう。同時に、各種規制や不正への対応といった内部管理を効率的に強化することも強く求められている。管理業務の増加に人員増で対応すれば「本部の肥大化」を招いてしまうが、それを避ける意味でも、情報収集、処理、判断といった人に依存する業務の効率化へのニーズが高い。
生成AIによって経営関連指標の解析や、経営に必要とされる情報の収集・整理などの業務の代替が進められれば、現在より相当少ない人数で経営の意思決定に必要な本部機能を構築することが可能になるだろう。
先進的な銀行や生命保険会社では、営業の提案力を強化することを目的とした生成AIの適用が注目されている。顧客が情報を味方につけて賢くなり、単なる商品性だけでは他社との差別化が難しくなる中、営業の提案能力とスピードを高めていくことがこれまで以上に求められている。
AIでデータを分析して「どの顧客に、どのような商品を、どのようなタイミングで提案すればよいか」を営業担当者に示すことは従来も行われてきたが、生成AIに期待されているのは、顧客に提案する商品設計や訴求のためのトーク内容自体を提案することである。複雑なメニューの中から顧客に最適な商品を導き出すことで、人間では気づかなかった商品提案の機会や顧客のニーズを捉えて、顧客満足度をさらに高められる可能性がある。
【次ページ】生成AI事例続々、なぜ「日常的に使う人」ほど楽観的?
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