- 2025/06/28 掲載
寝る前にやるだけで記憶力が爆伸び!司法試験対策の伊藤塾塾長が勧める習慣4つ(2/2)
人の名前を不思議と忘れなくなる“プラス要素”
たくさんの人に出会うと、名前を覚えるのが困難になるというのは誰しも経験があるでしょう。私が心がけているのは、映像として覚えるということです。文字だけで覚えることはあまりしません。
韓国で民主主義を目指す弁護士の集会が開かれ、参加したときのことです。
そのとき韓国の方たちとミーティングをしたのですが、向かい側にズラリと座った方たちの名前を覚えるときには、その人たちの順番と特徴を頭の中で映像として記憶していました。
真ん中に座ったコウ先生はちょっと気難しい感じだけれど、ダンディでかっこよかった。その左隣のチャン先生は少し太っていて、気さくで話しやすそう。
このように、あの先生とあの先生はこんな表情でこんな話をしていた……などといったことを、その人物の映像と名前を結びつけて記憶しておきます。
そうすると、不思議と忘れません。
そしてミーティングが終わってから、ビデオを巻き戻すように、出来事をすべて映像で思い出します。
映像ということでいえば、同じ名前の別の人を頭に焼きつけておくということも効果的です。たとえば佐藤さんなら、自分のそれまでに知り合った中の佐藤さんを思い出して、結びつけておくといった方法です。
どんなに記憶力のいい人でも、名刺や教科書に書かれた文字情報だけで覚えるのには限界があります。だから、その文字情報に映像を合わせていきます。
文字だけでなく、色や形、大きさや雰囲気……。
こんなふうに視覚化して記憶すると覚えやすいので、一度試してみてください。
茂木健一郎氏が「ど忘れ」状態を喜ぶワケ
いろいろ試行錯誤して覚えても、どうしても忘れてしまうことがあります。いわゆる「ど忘れ」です。
ど忘れについて考えていたら、脳科学者の茂木健一郎氏の『ひらめき脳』(新潮新書)にこんなことが書いてありました。
ど忘れとは、脳の前頭葉から情報を求められているのに、側頭葉から答えがない状態をいうらしいのです。前頭葉が「あの人の名前を思い出せ」と命令しているのに、側頭葉が「どこかで会った人だけど、思い出せない」と返答を返せない状態なのだそうです。
おもしろいのは、このど忘れをして思い出そうとしている脳と、何かがひらめくときの脳の様子が似ていることです。だから茂木氏はど忘れしている状態を、とてもうれしく思うと書いていました。新たなひらめきを生むチャンスだからです。
脳が苦しんでいる状態は、脳を鍛えるために意味をもつと私は理解しました。だから、ど忘れしてなかなか思い出せないときは、すぐに人に聞いたり、調べたりせず、しばらく思い出す努力をするようにしています。

記憶したり、暗記したりすることと、ひらめきや創造性は正反対だと思うかもしれませんが、勉強してある程度の記憶が蓄えられていないと、ひらめきも生まれません。
「無」からひらめきは生まれないのです。
そういえば私は、ガーッと集中して本を読んだ後、新しいアイデアが突然わき出てくることがあります。頭につめ込めるだけつめ込んで記憶したものを、一度シャッフルするイメージです。
集中すると頭が活性化して脳の回線が混線する、というのはあまりに非科学的な比喩かもしれません。しかし、スカスカの頭をいくら振っても何も出てきませんが、みっちりつまった頭からはアイデアや創造性のかけらが次々と降ってくる気がします。
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