- 2026/06/06 掲載
「なぜゴミ箱に座るの…?」実は理にかなっていた“昭和の課長”対話術のカラクリ
早稲田大学法学部を卒業後、生命保険会社に入社。営業・経理・事務システム企画・資産運用・コールセンター設立など、多様な業務に携わり、昭和流のマネジメントを部下としても管理職としても経験する。40代半ばには外資系生命保険会社へマネジャーとして転職。新商品開発や企業合併プロジェクトに参画し、ジョブ型人事制度のもとでマネジメントを実践する。50代で、長年のキャリアビジョンとして描いていた組織開発・人財育成の経営コンサルティング会社へ転職。思い切った挑戦を経て、現在は大手から中小企業まで幅広い企業を対象に、マネジメント・リーダーシップ・問題解決などのテーマで研修やコンサルティングを行っている。これまでコンサルタント・講師・コーチとして、100社以上、延べ2万人を超える人材育成・組織開発に携わり、現場に根差した実践的な支援を続けてきた。その豊富な経験と知見をもとに、時代を超えて通用するマネジメントの本質を伝えている。
【主な資格】
国家資格 キャリアコンサルタント
NLPコーチ認定
NLPマスタープラクティショナー認定
プロフェッショナル心理カウンセラー
LABプロファイルコンサルタント&トレーナー
なぜゴミ箱に座る…? 昭和上司の変わった対話方法
昭和時代、上司が部下と気軽に対話をしようと名前を呼んだり、近寄ってきたりしたら、部下は仕事をする手をすぐ止めて、直立して聞くという慣習でした。「気軽に」とはいっても、その状況では部下はなかなか本音を言えませんでした。皆さんの会社にも個性的な対応をしてくる上司がいたかと思いますが、私が昭和時代に勤めていた会社にも、少し変わった対話の始め方をする課長がいました。
私が仕事をしていると、課長が急にフラフラと来て、デスクの横に置いてある円柱のゴミ箱にちょこんと座ります。そして「お前は座ったままでいい。最近、仕事の調子はどうだ?」「あの件はどこまで進んでいる?」と話しかけてくるのです。
イスに座ればいいのに、なんでわざわざゴミ箱に座るのかな、と謎でした。そして5分ほどその状態で話すと、またフラフラと別の課員のところに行って、またそこにあるゴミ箱に座って話していました。
そのため、課長のスボンのお尻には、いつも丸いゴミ箱の跡が残っていました。
社内では、普段は年度始めの面談以外では一対一で課長と話す機会もなかったため、今振り返ると貴重な時間でした。
令和の主流「1on1」に悩むマネジャーたちの声
令和時代には、こういうマネジャーはもう見かけないかと思います。そもそもゴミ箱に座る行為自体が衛生的によくありませんし、フラフラと近寄ってきて急にそんなことされたら、部下はビックリして引いてしまいます。今は“1on1(ワン・オン・ワン)”という取り組みで、部下との対話を推奨している会社が増えています。
1on1とは、部下の業務達成やモチベーション向上をサポートし、成長を促すために一対一で定期的に対話を行うことです。
マネジャーは仕事の進捗を確認するためではなく、あくまで部下の成長のための時間として、コーチング的な関わりをすることがポイントになります。
ところが、私が実施している企業研修で、マネジャーを対象に1on1の状況を聞くと、
「話が業務の進捗確認のみになってしまう」などの悩みが多く出てきます。部下の思いや考えがわかるための機会ですので、しっかりとした形で1on1を活用したいところです。 【次ページ】実は理にかなっていた「ゴミ箱座り対話」の真意
「テーマがマンネリになる」
「つい自分が一方的に話してしまう」
「面談することが目的になってしまっている」
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