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  • 2025/07/03 掲載

IT部門と現場部門の「衝突」、ガートナー流“ツール導入方法”の心地よい着地点とは?

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DXが進む中、事業部門などの非IT組織が独自にクラウドサービスを導入するケースは後を絶たない。ただ、これがエンドユーザー組織の独断であれば「シャドーIT」として組織のリスクにもなり得る。一方、適切に管理できれば機動性と効率性の高い調達である「セルフサービス」の成功にもつながる。ガートナーのシニア ディレクター,アナリストである土屋 隆一氏が、リスク管理フレームワークや事例を基に社内のクラウド調達における「セルフサービス」化を進めるためのポイントを解説する。
フリーライター 翁長 潤

フリーライター 翁長 潤

ライター。2010年、IT製品・サービスに関する情報提供を目的とするWebサイトにて医療チャンネルの立ち上げに参画し、担当記者として医療分野のIT推進の動向を取材して記事を制作。2011年、日本医療情報学会認定の医療情報技師資格を取得後、病院・診療所向け合わせて30社以上の電子カルテベンダーを取材した実績がある。医療関連システムの製品情報や導入事例、医療IT政策・市場動向に関する取材を行ってきた。

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「セルフサービス」を成功させるための要点(後で詳しく解説します)
(出典:ガートナー(2024年10月)

増大するリスク…シャドーITから「セルフサービス」へ転換を

 「各ビジネス部門がITソリューションを自由に調達するような時代が来ています。特に昨今では各システムに生成AIが組み込まれるようになり、その結果、統制上のリスクが高まっています」と、ガートナーのシニアディレクター,アナリストである土屋隆一氏は切り出した。

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ガートナー
シニア ディレクター,アナリスト
土屋 隆一 氏

 エンドユーザー主導の調達においては、これまでにも「シャドーIT」と呼ばれるリスクが指摘されてきた。その対策として、ガートナーは「セルフサービス」と呼ばれる方法を推奨している。

 土屋氏によると「セルフサービスとは、エンドユーザー組織が自身のリスク判断により、必要最低限のIT部門のサポートでIT調達を完遂すると同時に、エンドユーザー組織が調達の適切性について説明責任を負うこと」と定義しているという。「エンドユーザー自らがリスクを判断し、責任をしっかり持つことがポイントになります」(土屋氏)

 また、土屋氏はシャドーITとセルフサービスとの違いを以下のように説明する。

「シャドーITの場合、IT部門は各部門に導入されたITソリューションの情報を把握できません。一方、セルフサービスでは、定期的な棚卸しによって導入状況をしっかり把握することを前提としています」

 さらに「シャドーITでは、基本的にエンドユーザーは自分の都合に良いものを導入します。そのため、システム構成などに対する考慮は一切されていません。一方、セルフサービスではあらかじめ評価段階を調達プロセスに設定し、システムの複雑化を防いでいきます」と土屋氏は説く。

「シャドーITからセルフサービスへと考え方をシフトすることで、IT部門は必要最低限の工数でリスクを低減させるガバナンスを目指すことができます」(土屋氏) 【次ページ】94%の企業が課題に直面、セルフサービス導入が必要な理由
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