• 2025/08/18 掲載

新規事業、7割が挑んでも成果は2割 “うまくいった”企業の5つの共通点

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電通と電通総研は、企業における新たな事業創出とR&D(研究・開発)部門の関係性に関する調査を実施した。本調査は、売上高1,000億円以上の企業に所属するR&D部門および事務系部門の従業員を対象とし、企業がどのように研究開発を活用しながら事業開発に取り組んでいるかを把握することを目的としている。生成AIなどの技術革新が進むなかで、R&D部門の役割や連携のあり方があらためて問われている。
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電通総研と電通の「新たな事業創出とR&Dの関係性に関する調査」
(Photo/Shutterstock.com)

7割が新規事業に取り組むも、成果実感は2割

 R&D(Research and Development:研究・開発)とは、企業が新しい製品やサービス、技術を生み出すための専門部門を指す。

 調査では、企業が既存の事業領域にとらわれず、新たな事業創出や製品企画に取り組んでいるかを尋ねたところ、「積極的に取り組んでいる」「一部の部門・チームで取り組んでいる」と回答した従業員はあわせて73.5%に上った。

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自社が新規事業・製品企画に取り組んでいるかを尋ねた結果

 一方で、取り組みの成果について「成果が上がっている」と答えたのは20.2%にとどまり、取り組み自体は広がっているものの、その成果を実感できている企業は限られている実態が明らかになった。

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自社の新規事業・製品企画の「成果実感」について尋ねた結果

 企業がR&D部門に対して最も期待している役割は、「よりスピード感のある研究・開発」(73.4%)、「グローバルで戦える技術の開発・研究」(70.2%)、「事業成果を見込んだ研究・開発の推進」(69.9%)の順に多かった。

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企業がR&D部門に期待する役割について尋ねた結果

 一方で、こうした期待に対する実際の貢献度にはギャップがあり、特に「スピード感のある研究・開発」では、期待度と達成度のスコア差が41.1ポイントに達していた。「グローバルで戦える技術開発」は24.2ポイント、「事業成果を見込んだ研究推進」は23.6ポイントと、いずれも大きな乖離がみられた。

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R&D部門への期待と、実際の貢献実感とのギャップを可視化

成果を出す企業に共通するR&D部門の特徴

 新規事業や製品企画において成果を実感している企業では、R&D部門の業務実態や組織的特徴に共通点があった。具体的には、以下の5点が挙げられる。
・中長期におけるあるべき姿や研究戦略が明確に共有されている
・社内外で自社の技術や価値が理解されている
・顧客ニーズへの深い理解がある
・R&D部門が事業創出を主体的に主導または関与できている
・社外パートナーとの連携が円滑に行われている
 特に「顧客ニーズへの深い理解」については、成果実感が低い企業と比較して20ポイント以上の差があり、R&D部門の姿勢や取り組みの深さが成果に影響している傾向が示された。「ビジョンや戦略の社内共有」についても、成果を上げている企業では高い割合で実施されている結果となった。

 電通と電通総研は、R&D部門が単なる技術部門にとどまらず、事業創出の起点として機能することが今後の企業成長に不可欠であると指摘している。

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