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- 2025/09/03 掲載
なぜ人気?「マーラータン」ブームが加速中、毎月開業・異例ヒット続々で大手も熱視線
新連載:ヒットの現在地
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月~は東京拠点。関連サイトはこちら。
「マーラータン専門店」がハイペースで増加中
中国・四川省発祥と言われるマーラータンは、花椒(ホワジャオ)をはじめとした複数の香辛料や唐辛子を使った辛味の強いスープに、肉類や海鮮、野菜、春雨などの具材を入れて煮込んだスープ料理だ。中国では古くから親しまれていて、外食産業でも人気が高い。国内でマーラータンの人気が本格化したのは、2024年頃だった。一足早く韓国では2019年頃からマーラータンがトレンドとなり、SNSに関連投稿が増加。韓国では、マーラータンを食べた後にタンフル(フルーツを薄い飴でコーティングした韓国のスイーツ)を食べる組み合わせが流行し、「マーラータンフル」という造語も誕生した。
こうした韓国でのトレンドに加え、マーラータン専門店の増加や「マーラータン好き」を公言する女性芸能人の存在、「マツコの知らない世界」をはじめメディアでの特集などが国内での人気を後押し。SNSの関連投稿も目立つようになり、専門店にZ世代女性が押し寄せるようになった。
ブームをけん引した1社が、ラーメン評論家やフードコンサルタントとして活動する石神秀幸氏が立ち上げた「七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)」。2007年に開業し、現在は全国に36店舗(8月29日時点、公式ホームページ参照)まで拡大、近々開業予定の店も複数ある。直近5カ月弱で9店舗開業とハイペースで増えている。
2018年12月に開業した「楊国福(ヤンゴフ/ヤングオフー)麻辣湯」も、同様にハイペースで開業が続く。楊国福グループは世界各国に7000軒以上を展開するグローバルチェーンで、日本では大天元(ダイテンゲン)社が全国に19店舗(8月22日時点、公式ホームページ参照)を展開。それ以外にも、運営元は不明だが、名古屋・伏見駅近くや東京・神保町などにも同グループの店舗がある。
店舗を訪れて納得、Z世代の支持得る「2つの要素」
マーラータン専門店は、いずれもZ世代女性から人気を得ている。何が彼女たちを魅了しているのか。実際に店舗を訪れてみて、その理由が理解できた。 【次ページ】【こりゃ人気出るわ】店舗を訪れて納得、Z世代の支持得る「2つの要素」流通・小売業界のおすすめコンテンツ
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