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- 2025/10/31 掲載
いつの間にか“高級グルメ”?値上げ連続も…マクドナルド・モスバーガーが好調なワケ
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
マクドナルド:4年間増収増益を続けられた理由
マクドナルドはデフレ時代に極端な安売りを実施し、店舗運営の質が悪化した経緯がある。2002年にはハンバーガーを過去最安値の税込62円で販売し、2005年にはバーガーやコーヒーなどの単品を100円で提供する「100円マック」を開始した。だが安売り戦略が利益を圧迫し、店舗数は2002年の3891店舗がピークで、2020年には約2900店舗まで縮小。その後、現在は約3000店舗まで持ち直している。
2002年のピークから縮小傾向にあった状況を打開したのが、2014年に日本マクドナルドホールディングスCEOに就任したサラ・カサノバ氏だ。当初は食品消費期限切れ問題に見舞われたが、極端な安売り戦略を廃止して利益率を改善した。店舗の改装を進めたほか、人材教育を強化して質の向上に努めた。端的に言えば、安売りで雰囲気の悪い店を幅広い年代が来やすい店舗に改善したのだ。
近年のマクドナルド好調については、サラ・カサノバ氏による改革が土台を作ったためと考えるのが妥当だろう。
コロナ禍ではデリバリー・テイクアウトなどの中食需要の拡大がマクドナルドの業績をけん引した。具体的な数値は公開していないが、同社はもともとドライブスルーを含むテイクアウトが主体であり、イートインは1/3程度しかなかった。イートインの売上は減少した一方、デリバリー・テイクアウトは拡大。順次値上げをしても客離れは進まず、全店売上高を表すSWSは2020年度から2024年度にかけて1.4倍に拡大した。 【次ページ】モスバーガー:苦戦していたが…今は躍進中?そのワケとは
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