• 2025/08/05 掲載

高すぎ…「1個870円」ハーゲンダッツが中国で急に売れなくなった、“価格以外”の理由

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有名アイスクリームブランド「ハーゲンダッツ」が、中国市場でかつてないほどの危機に追い込まれている。2019年には557もの店舗を展開していたが、2025年6月には約250店まで半減。SNS上では営業中のはずの店舗が無人になっているという目撃情報も後を絶たない。日本では「ちょうどいい贅沢商品」のポジションを確立し、売上も伸ばし続けているハーゲンダッツ。同じ商品なのに、日本と中国でなぜここまで違う運命をたどることになったのか。大苦戦の理由は「高すぎる値段」だけではなかった。
執筆:ITジャーナリスト 牧野 武文

ITジャーナリスト 牧野 武文

消費者ビジネスの視点でIT技術を論じる記事を各種メディアに発表。近年は中国のIT技術に注目をしている。著書に『Googleの正体』(マイコミ新書)、『任天堂ノスタルジー』(角川新書)など。

中国の最新技術とそれらが実現させる最新ビジネスをレポートする『中国イノベーション事情』を連載中。

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ハーゲンダッツが日本で成功した理由と、中国で失敗した理由……
(出典元:ricochet64 / Shutterstock.com)

2024年夏から大量閉店……中国のハーゲンダッツに何が?

 日本でも根強い人気を誇るアイスクリームブランド「ハーゲンダッツ」が、いま中国で事業売却を検討するほどの危機に追い込まれている。

 中国ではパーラー店舗での展開を主体にしていて、かつては2019年に557店を展開していたが、2025年6月時点では約250店と半減。SNS上には、営業しているはずの店舗でも鍵が閉まって無人になっているという目撃情報も相次ぎ、店舗の減少はさらに進みそうだ。

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中国におけるハーゲンダッツの店舗数の推移。2020年末に大量出店をしたが、2024年夏から大量閉店が始まった
(出典:極海品牌監測)

 運営元である米ゼネラル・ミルズ社の財務報告書では、業績を「米国」と「海外」でしか記載していないため中国事業の正確な業績は不明であるものの、中国における消費者の課題(Consumer Challenge)が存在し、パーラーの来店客数が2桁%の減少していることを認めている。

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ゼネラル・ミルズの2024年の売上構成比。巨大な食品会社で、実はアイスクリーム事業は全体の3.7%でしかない
(出典:ゼネラル・ミルズ年度報告書)

 一方、欧州とオーストラリア市場が好調であるため、中国市場での減少分は相殺できたとしている。他と一線を画すブランドを構築してきた、あの「ハーゲンダッツ」がなぜ窮地に立たされているのか。中国市場での失敗要因を掘り下げると、ハーゲンダッツが日本市場で成功した理由も見えてきた。 【次ページ】「1個870円」……中国だけ“超高級”になってしまった裏事情
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